イイコトばかり!マッサージとタッチセラピーによるオキシトシン効果
疲労した体の筋肉をほぐして疲れをとるため、美容やリラックスのために、マッサージやタッチセラピーを活用する人が大勢います。
また、最近では肌と肌の接触によるオキシトシンの分泌されるため、認知症緩和や癌患者の術後ケア、脳卒中、糖尿病、未熟児・障害児医療、ストレスなどのケアでの活用も注目されています。
本記事では研究で示されているマッサージやタッチセラピーの効果について紹介していきます。
マッサージやタッチセラピーがオキシトシン分泌を増やす
マッサージやタッチセラピーには、いろいろな手法がありますが、重要なのは手を使っているところです。
なぜならマッサージやタッチセラピー中に手が伝える温かさとタッチが、特に脳内のオキシトシンシステムを活性化するからです。
実際、マッサージやタッチセラピーを受けた人の血中で、オキシトシンレベルが短期間で上昇することが示されています。
マイアミのタッチ研究所のティファニー・フィールド教授によると、早産児がマサージを受ければ成長が早くなり、短い時間で退院できることを示しています。
他にも老若男女、健康不健康問わず、マッサージは不安やストレスや抑うつを緩和し、幸福感を生み出して集中力や学習能力が向上し、社交的になります。
これらの効果は、マッサージによって明らかにオキシトシン分泌が増えたことが関係しています。
マッサージやタッチセラピーの効果
マッサージやタッチセラピーで分泌するオキシトシンの効果は、健常者だけに現れるものではありません。
精神的に不安定な人や障害者にも、効果があることが研究で示されています。
攻撃的な子供へのマッサージ効果
ウプサラ大学病院神経科学科の教授アン・リース・フォン・クノーリングの指導で、マッサージがどのように子供たちの行動に影響を与えるか調査しました。
調査では、参加したスタッフ全員が同じマッサージテクニックを使用して、スタッフの誰かが日中の休み時間の10分間を利用してマッサージを行います。
そして、子供は調査に参加するかどうかは自分で決めます。
マッサージ効果を評価できるように、対照群として精神科にいる子供たちも調べ、他にスタッフと両親がマッサージ療法の効果を評価しました。
評価では、最初はマッサージを受けた子供たちと受けなかった子供たちの違いは見られませんでしたが、半年後に両方のグループ内で最もやんちゃで落ち着きのない子を選んで調べると違いが見られました。
対照群と比べてマッサージを受けた子供たちは穏やかになり、非常に不安定だった男の子たちの攻撃的振る舞いが抑制され、このマッサージ効果はその後も続き、12ヶ月経っても改善がありました。
そして、同時に他人と一緒にいる中でうまくやっていける能力が高まり、怪我も減りました。
悩みが多い女性へのタッチセラピー効果
スウェーデンの治療クリニックでは、手を使って10分間程度、相手の背中や手足を「押す」のではなく、やわらかく包むように触れるタクティールマッサージの研究を実施しました。
対象者は、たいてい仕事なく生活に問題を抱える女性たちで、長年にわたって有能な心理学者や社会学者からカウンセリングを受けています。
この悩める女性の一部に、通常のカウンセリングに加えて、訓練されたタッチセラピストから数週間に渡ってタクティールマッサージの治療を受けさせました。
するとタッチセラピーを受けた女性たちは、全員が気分が晴れて自尊心が高まり、社交性も向上したため活発さのない生活に変化を加えるようになりました。
例えば、ある女性は仕事に応募し、またある女性は以前とはまったく違って外見に気をつけるようになりました。
そして、この女性たちのタッチセラピーの効果は治療が終了してからも非常に良好な状態が長い間継続しており、多くが自ら進んで他のタッチセラピーを受けるようになりました。
重症心身障害児へのタッチセラピー効果
スウェーデンにあるブラッケ・ディアコニ介護団体が運営する重症心身障害児のたちの養護施設の子供たちを対象にタクティールケア(タクティールマッサージ)を実施しました。
この研究では、子供たちの個人アシスタントから治療を10回ほど実施しました。
治療中は障害児たちはリラックスできて楽しいようすで、治療実施後は個人アシスタントとの関係も良くなり、障害児は話すことができませんでしたが、いろいろな手段でコミュニケーションをとるようになりました。
具体的には治療後の障害児は、微笑むことが多くなり、よく目を合わせるようになり、自分ができる手段で考えや気持ちを伝えようとするようになりました。
また、障害児は率先して家でも学校でも他人と関わろうとするようになり、関わったスタッフや他の病棟のスタッフは、はるかに子供たちへの愛情が深まったと評価しました。
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