オキシトシンを作る場所や神経細胞の作用【オキシトシン効果のメカニズム】

2019-06-04オキシトシン

愛情や絆、信頼など社会性に関わる物質であるオキシトシンは、どのように分泌されて効果を発揮するのでしょうか?

この記事では、オキシトシンは何をきっかけに分泌されて、どこで作られ、どのように運ばれて、オキシトシン効果が生まれているのか紹介します。

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幸せな感覚でオキシトシンは分泌する

人間には視覚、触覚、嗅覚、味覚、聴覚の五感を通して、さまざまな感覚情報を読み取っています。

この五感を通して読み取った感覚情報が、幸福感を感じさせる刺激だったならオキシトシンが分泌されます。

そして、放出されたオキシトシンによって感覚機能は活性化されるので、より感覚が敏感となり、他人を見分けやすくします。

オキシトシン分泌のために重要な皮膚感覚

哺乳類は寄り添いや触れ合い(タッチ)によってオキシトシンを分泌して、絆や信頼感が強まります。

そのため、皮膚による感覚情報はオキシトシン分泌に重要です。

皮膚は最初に発達する感覚器で、皮膚感覚は古代からのものなので、基本的な感情や生理的反応を制御する脳とも繋がっています。

人類学者のアシュレイ・モンタギューによると「皮膚が溝状に陥没して脳や脊髄が形成されるので、神経系である脳と脊髄は体内に埋没している皮膚の一部であり、皮膚は外界にさらされている中枢神経系の一部である」と言っています。

この皮膚には外界からの情報に反応する多くの小構造と感覚受容体があり、これにより「痛み、有害物質、温度、圧迫、タッチ」などの情報を感覚神経を介して脳に伝達します。

この感覚神経の中で、C線維の一部のCT線維と呼ばれる神経線維が「タッチ」に応答します。

ただ、このCT線維はどんなタッチにでも応答するのではなく、幸福経験と繋がる毎秒1cmの割合のソフトな撫で方に反応します。

つまり、オキシトシン分泌は毎秒1cmで優しく撫でることで促進されるということです。

また、これらのC線維タイプの感覚神経の神経繊維は、脊髄を迂回して脳、体の胸部や腹部の皮膚、さらに子宮や膣に延びています。

オキシトシンを作る場所

この五感を通して得た感覚情報によってオキシトシンは分泌されますが、このオキシトシンが作られるのは脳内の視床下部にある視索上核と室傍核という神経細胞です。

そして、視床下部で作られたオキシトシンは、次の3つの経路を通ってさまざまな働きと効果を発揮します。

オキシトシン効果の3つの経路

オキシトシンは血液、神経、拡散の3つの経路を通って運ばれて、さまざまな効果を発揮しています。

血液を介したオキシトシンのホルモン効果

脳の視床下部で作られたオキシトシンは、神経を介して下垂体後葉に送られてのちに毛細血管から血液中に渡されます。

この血液中のオキシトシンは出産と授乳に関係しており、たとえば陣痛中の子宮収縮や授乳中の射乳に影響を与えます。

神経を介したオキシトシンの効果

脳の視床下部の室傍核から出るオキシトシンの一部は、産生神経細胞から放出されて他の重要な脳領域に運ばれます。

これによりオキシトシンは神経伝達物質として働き、ドーパミンやセロトニン、アセチルコリンといった他の伝達系に影響を与えます。

パラクリン効果で拡散するオキシトシン効果

強く刺激を受けると大量に産生されたオキシトシンが、細胞体や樹状突起から直接放出されて、組織液などを介して周辺の細胞に運ばれます。(パラクリン効果)

これは血液や神経で介したオキシトシンでも周りの細胞に放出されるので、脳から遠い体の部分にもオキシトシンは運ばれます。

なのでオキシトシン神経系がなくても、オキシトシンは他の神経細胞の機能に影響を与えます。

オキシトシンが運ばれる場所

視床下部にあるオキシトシン産生神経細胞から、血液や神経、拡散によってオキシトシンが運ばれることがわかりました。

では、オキシトシンはどこに運ばれて効果を発揮するのでしょうか?

オキシトシンが運ばれる場所の詳細は、次の通りです。

  • 下垂体後葉:ホルモン効果が得られるように血液に放出。
  • 下垂体前葉:成長ホルモンやプロラクチンの放出を刺激し、ACTHの放出を抑える。
  • 嗅球:嗅覚に影響する。
  • 海馬:記憶や学習に関係し、HPA軸の調節をする。
  • 扁桃体:恐怖や社会的交流の調節をする。
  • 中脳水道周囲灰白質:疼痛や炎症に関係。
  • 視床下部の他の領域:ストレス、食欲や体液の調節に関係。
  • 縫線核:セロトニンの産生。
  • 青斑核:ノルエプネフリンの産生。
  • 中脳黒質:ドーパミンの産生。
  • 側坐核:ドーパミンの産生。
  • 迷走神経領域:副交感神経の迷走神経線維と交感神経系の機能のスイッチを入れる。
  • 脊髄:疼痛の伝達に関与する領域と交感神経系のスイッチを入れる。

女性ホルモンのエストロゲンでオキシトシン分泌量の増加と受容体の機能が向上

もともとオキシトシンは妊娠中の猫の子宮収縮を起こす物質として発見されました。

そのため、オキシトシンは女性にとって重要であり、影響されやすい物質です。

具体的には、女性ホルモンのエストロゲンによってオキシトシンの分泌量が増えて、オキシトシン受容体の機能も向上します。

なので、オキシトシンの効果が男性よりも女性の方が強く現れやすいのは、エストロゲンが女性の方が多いからです。

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