知らないことをテスト!?勉強前の事前テストは学習効果を高める

勉強・学習

テストは学力を知る目的だけでなく、テストには学力を向上させる効果があるので、有用な勉強法としても活用できます。

では、何も知らない状態でテストを実施するとどうでしょうか?

普通なら何も知らないのにテストしても意味がないと考えてしまいますが、実際は授業前に事前テストを実施すると学力を高めます。

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事前テストは学力を高める

テストは勉強したことを理解しているか試すものですが、テストによって勉強したことを思い出すので、テスト自体も学習効果が高い勉強法でもあります。

このテストの学習効果を利用すれば、まだ学んでいない全く知らないことを学ぶ場合でも、事前テストを実施すれば学習効果を高めることに繋がります。

例えば、新学期のはじめに、期末試験の問題と似ている今学期で習うことを網羅した総合テストを実施すると、当然ですがテストの点数は悪くなります。

しかし、事前テストを受けた経験によって、翌日からの授業に対する姿勢が変わる可能性があります。

さらに事前テストで記憶の検索に失敗しても、その失敗に関係する問題の情報は保存され、この失敗(間違った推測)をすることで、次の期末テストでその問題やそれに関係する問題に正解しやすくなります。

事前テストの効果を確かめる

事前テストの効果を確かめたいなら家族や友人にテストを作ってもらい、自分自身に実験を試せばわかります。

事前テストの内容は、あなたが知らないことなら何でもいいし、短いテストでもよく、テストの形式は5択問題です。

実験では、友人に5択形式の問題を作ってもらい、1問につき考える時間を10秒にして、1問解くたびに友人に答えを教えてもらうという勉強をします。

次に同じレベルの問題の答えを表にまとめたものを従来どおりの勉強の仕方で、5択形式の問題を解いたときと同じ時間を使って勉強します。

翌日、事前テストと従来どおりの勉強の仕方で勉強した内容を、それぞれ5択問題としてテストして、結果を比較します。

すると、ほとんどの人が従来の勉強法よりも事前テスト(答えを推測した後に正解を聞く)の勉強の方が、10〜20%高い点数をとります。

これは(何も知らないことなので)記憶の検索に失敗して普通の勉強より覚える意識が強く働きことで学習が促進し、その後のテストで検索に成功する確率を高めたのです。

事前テストが学習効果が高い理由

事前テストの学習効果が高い理由は、まだ判明していませんが、専門家によると次の2つの要因が絡んでいると考えられています。

1つ目は「望ましい困難」として事前テストが機能しているという理由です。

望ましい困難とは、記憶の検索が困難になるほど、その後の記憶の検索と保存の力(学習の力)が高くなるという原理のことです。

事前テストは、もともと知らないことをテストする勉強法なので、知らないことを思い出そうとしても無理なことです。

ただ知らないことでも答えを推測しようとすることで、作業が少し大変になるので学習の力が高まった可能性があります。

2つ目は間違った推測のおかげで「流暢性が招く幻想」が排除された可能性です。

流暢性とは情報を適切に素早く処理して出力する能力のことで、人は勉強や学習テクニックによって自分は勉強内容を深く理解していると錯覚し、実際のテストでは点数が悪いということがあります。

しかし、事前テストでは何も勉強せずにいきなり推測するので、流暢性の錯覚に陥らずにすみます。

事前テストを学校の授業に活用する

事前テストは有効な勉強法なので、学校の授業でも活用して生徒の学力向上に役立ちます。

UCLAのエリザベス・ビョークは、彼女が受け持つ講義で事前テストを実施して、生徒がその後の学習で大事なことに気づけるようになるのではないかという仮説を実験で調べることにしました。

実験では、5択形式40問の問題で3講義の事前テストを作成して、講義の1日か2日前に事前テストを実施し、テストの1日か2日後に学生は事前テストの内容に関係する講義を受けます。

そして、3講義すべてを受講した後に同じ形式の総合テストを実施します。

総合テストは工夫されており、事前テストの内容と関係する問題とそうでない問題の2種類に分け、それぞれの正答率を比較することで事前テストに出た内容の方をより深く理解し、長く覚えているか判断します。

総合テストの結果は、事前テストに関係する問題の正答率は、そうでない問題の正答率よりも大差ではないが10%高くなり、事前テストの学習効果が学校の授業でも実証されました。

これは事前テストの点数が悪くても、その後に受ける講義に出てくる用語を目にするので、どういう種類の問題、どの概念が大事かがわかるようになるからです。

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