心身の健康と良好な人間関係を作る!オキシトシンの基本的12の効果

2017-05-10オキシトシン

オキシトシンは、昔から女性の出産や子育てに関わるホルモンと知られていましたが、近年の研究が進んだことにより、驚くべき効果があることがわかっていきました。

そこで近年の研究でわかったオキシトシンの12つの効果についてまとめてみました。

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健康に関するオキシトシン効果

オキシトシンは体全体に運ばれており、広範囲に作用しています。

そのため、健康に関するオキシトシンの効果も幅広く、いかに他人とのスキンシップが重要なことがわかります。

コルチゾールを抑えてストレスを軽減する

現代ではストレスに悩む人は多いですが、オキシトシンはストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑制して、ストレスを軽減する効果があります。

具体的には、人が何らかの負荷により視床下部から副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)が分泌されると下垂体前葉から副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌が促進されます。

そして、ACTHは副腎皮質を刺激して、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌を促進します。

このストレッサーによる生体反応をHPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)といって精神疾患との関連がありますが、オキシトシンはこのHPA軸の活動を弱める効果があるということです。

現代人がストレスに弱くなった大きな要因は、他人との寄り添いの減少によってオキシトシン分泌が減り、ストレスに対処できなくなっているからです。

自律神経に作用して血圧と心拍数を下げる

オキシトシンは自律神経系の活動に影響を与えます。

この自律神経系には運動と活動に関連する交感神経と栄養の貯蔵、成長と回復に関連する副交感神経があります。

オキシトシンは交感神経を抑制して血圧を下げ、副交感神経の活動を高めることで心拍数を下げます。

他の伝達物質を調節する

オキシトシンは他の伝達物質を作動させる効果があります。

他の伝達系とは、ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリン、内因性オピオイド(エンドルフィン、エンケファリン)などです。

例えば、オキシトシンは内因性オピオイドの機能に影響して鎮静効果を発揮したり、脳のノルアドレナリン伝達システムの活動をブロックすることで、抗ストレス効果を発揮しています。

このオキシトシン効果によって、いろいろなタイプの人との関わり合いの中で現れる効果の組み合わせを作り出しています。

また、逆にほとんどの神経伝達物質はオキシトシン放出を刺激する関係にあり、特に内因性オピオイドはオキシトシン放出をブロックする効果があります。

ストレス病である精神病と心血管疾患を防止する

寄り添いによってオキシトシンを増やすことで、ストレスが軽減するため、現代人に多いストレス病も防止することができます。

研究によると安定して良好な関わり合いを持つ夫婦の場合、うつ病、不安障害、心血管疾患など、特定の種類の病気を発症するリスクが低いことがわかっており、同年代で他の男女よりも若く見えます。

特に心血管疾患では、アテローム性動脈硬化を起こすと考えられている血管壁の炎症をオキシトシンが防止します。

また、複数の子供を出産した女性は、高血圧や二型糖尿病、心臓発作、脳卒中なども防止することがわかっています。

ただ男女関係や夫婦関係が悪く、自分たちの関係に危険と恐怖を感じる女性は心血管疾患を発症するリスクが高まります。

認知症を改善させる

また、認知症の進行が原因で攻撃的な言動や徘徊が増加していた女性に、手をさする「タッチケア」を毎日10分間を1週間続けたところ、乱暴な行動や徘徊がなくなったという事例があります。

このことから、オキシトシンの分泌が増加することで認知症の症状にも改善効果があることも分かりました。

胃潰瘍や防止と消化吸収の効率化

胃の中で産生されて胃液の分泌を刺激するホルモンにガストリンがあります。

そして、食事や脳内のオキシトシン放出によってガストリンのレベルが変わり、オキシトシンが増えるとガストリンは減少します。

なので、もしスキンシップ不足でオキシトシンが放出されないと、空腹時にガストリンのレベルが上昇して、胃液の産生や消化酵素も増加するため、胃の内壁が炎症を起こす胃潰瘍になる可能性が増します。

逆にスキンシップが十分な場合、空腹時のガストリンのレベルは低下したままになり、食事をするとホルモンレベルは上昇するので、スキンシップ不足の人よりも消化管ホルモンレベルの上昇は大きくなります。

そのため、スキンシップ不足よりもスキンシップが十分の方が、食物の消化と栄養吸収が効率的となります。

つまり、オキシトシンの効果で胃潰瘍を防止や栄養吸収の効率化が行われます。

成長ホルモンの促進による免疫向上と美容効果

脳の視床下部で生産されたオキシトシンは、下垂体前葉に送られて成長ホルモンやプロラクチンの放出を刺激します。

そして、オキシトシンはストレスホルモンのコルチゾールも抑えています。

そのため、オキシトシンは免疫力を高めたり、美容効果、睡眠の質の向上など間接的な相乗効果が期待できます。

研究では生まれたばかりのラットの赤ちゃんにオキシトシンを注射する実験をすると、通常のラットよりもオキシトシンを注射したラットの方が成長が早くなりました。

また、妊娠中のメスのラットにオキシトシンを注射すると、通常よりも大きな赤ちゃんを産むことがわかっており、傷の治りも2倍も早くなる場合もありました。

この結果からオキシトシンは細胞分裂や細胞の成長に深く関わる物質であると予測されており、オキシトシンでストレスが減少し成長ホルモンの分泌が増加したためだと考えられます。

人間関係を改善するオキシトシンの効果

絆ホルモンや愛情ホルモン、信頼ホルモンなどの異名を持つほど、オキシトシンは人間関係を築くために重要な働きを持っています。

対人不安が軽減され、コミュニケーションができる

オキシトシンは不安や恐怖を軽減する効果を持っていますが、この効果は健康だけでなく人間関係においても役立ちます。

なぜなら、オキシトシンの投与は、見知らぬ人や不慣れな人、苦手な人と出会ったときに誘発する恐怖心も和らげるからです。

さらに後述するように、オキシトシンは社会的行動を誘発します。

この2つのオキシトシン効果によって、コミュニケーションして他の個人と相互に関わり合う傾向が強まります。

他人を識別する能力が高まる

オキシトシンは学習を促進して記憶したことを素早く思い出せるようにすることで、個人を識別する能力を高めます。

ラットの実験では、ラットが不慣れなラットと初めて出会う前にオキシトシンを投与されると、不安が軽減されるので相手を恐れません。

そして、その後また不慣れな相手に出会っても恐ることはありません。

これは一度出会った相手の特徴だけでなく、最初の出会いで生じたオキシトシン投与による鎮静効果が、関連付けられて記憶されているからです。

共感力と社会性が高める(自閉症・アスペルガーの改善)

「目線を合わせない」「周囲に関心がないように見える」「相手の気持ちがわからない」「その場の空気が読めない」などの症状がある、自閉症やアスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラム障害(ASD)があります。

この自閉症スペクトラム障害(ASD)の原因や治療法は特定されていません。

しかし、自閉症の患者がオキシトシンの点鼻薬スプレーを使用したことで、特徴的な反復行動が減少して共感性に改善が見られ、社会性を意識した行動が見られるようになりました。

具体的には…

  • 今まで目を合わさなかった患者が、医師の目を見るようになり、時に笑顔を浮かべるようになった。
  • 両親が後ろから名前を呼ぶと振り向いて返事をするようになった。
  • 今までオーム返しの返答で会話が成り立たなかった患者に、はい・いいえで答えられる簡単な質問をすると返答できるようになった。
  • IQテストを受けられるようになった。

この結果から、共感力と社会性を高める効果がオキシトシンにはあり、自閉症スペクトラム障害(ASD)の改善効果もあると分かりました。

また東京大学の研究でも、発達障害の自閉症スペクトラム障害(ASD)にオキシトシンを点鼻薬スプレーで吸引することで、機能低下していた内側前頭前が活性化され、それと共に対人コミュニケーション障害も改善されました。

なので、もし自閉症やアスペルガー症候群で対人関係に悩む人やその家族の方は、オキシトシン点鼻薬スプレーを試してみると症状が改善する可能性があります。

ただ点鼻薬を数ヶ月服用するだけで改善効果があると実証されているものの、日本をはじめ世界のすべての国でオキシトシンを自閉症治療に使用することは薬事法で認められていません。

そのため、オキシトシン点鼻薬スプレーを服用することは自己責任となります。

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スキンシップは幸福感が高める

前述したようにオキシトシンには、他の伝達物質を調節機能があり、かつ自律神経への作用やストレスホルモンを抑えてくれます。

調節される伝達物質には、幸福感を築く内因性オピオイドやドーパミン、セロトニンの産生が増加します。

さらにストレスホルモンのコルチゾールの産生が減少し、副交感神経の活動を強めることで心拍数が下がり、リラックスします。

このようなオキシトシンによって心身の変化が生じるので、その原因となる他人とのスキンシップは、肯定的なもの、楽しいもの、幸福感が強いものに感じます。

つまり、他人とのスキンシップによってオキシトシンが増えると幸福感を高める効果があります。

オキシトシンは男女の浮気を防止する

ドイツの神経科学の専門家であるルネ・ハーレマン博士によると「オキシトシンは男女間の絆を深めて、浮気を防止する効果がある」と述べています。

恋愛や結婚生活など他人と深く付き合うためには、お互いが相手を信頼できることが最も重要だと思います。

自尊心が低く自分に自信が持てない人や他人を疑ってばかりの人は、自分や他人を信頼できないため、不安や喪失感が強く働いてしまい恋愛や人間関係から逃げてしまいます。

特に恋愛では男女間の意思疎通が上手くできないことが多々あり、男性は無口で話し上手ではないため、女性が不安を覚えることが多いかもしれません。

しかし、オキシトシンは不安や恐怖を減少させて信頼や愛情を高める効果があるので、オキシトシンによって恋愛が上手くいき浮気も防止することができるのです。

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Posted by curious