人間の根幹を成す4つの感情機能とは?【感情心理学】

2017-04-28感情心理学

環境や状況の変化合わせて人はイライラしたり、悲しんだり、喜んだり、恥ずかしがったりと感情も変化していきます。

時には感情に振り回されて煩わしく思う感情ですが、動物や人間とって重要な働きがあります。

今回はその感情が持つ4つの機能について紹介していきます。

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思考と行動の動機付けをする

動物でも人間でも、自分の遺伝子を残すために異性に興味が引かれたり、遺伝子の維持をするために自分の命を守り生き残ろうとする本能的な行動をとりますが、その行動をとるように本人を動機付けしているのが感情です。

例えば、普通に暮らしていたらあまりないことですが、災害や事故などの自分の身の危険を感じる出来事に巻き込まれたり、手にナイフを持った男や危険動物などの危ない存在に出会ったとします。

人は身の危険を感じると恐怖心や不安感といった感情が溢れ出して、たちまち感情に支配されてしまい、人によってはパニック状態になってしまいます。

そして、恐怖の感情に支配されてしまった人は、「危険な存在から逃げるか or 立ち向かって闘うか」を選択をするように感情によって思考が動機付けされてしまいます。

また、精神面だけでなく身体面でも心臓の鼓動と呼吸が速くなり、筋肉が緊張して手に力が入るなど、逃げるにしても闘うにしても直ちに行動を開始できるように身体に準備させます。

このように感情によって思考と行動が動機付けをされてしまうのには理由があります。

それは命の危険が迫っている時に、理性的に考えて時間を使うよりも感情的になって直ちに行動を開始した方が生存の確率を上げられるため、感情によって動機付けして取捨選択を高速処理しているのです。

しかし、現代では自ら危険な行動をしない限り危険に出会うことは少なくなりました。都会生活での危険といっても災害や事故、犯罪に出会うといったことで運次第です。

そのため、恐怖や怒りの感情に支配されてしまい正しい判断や行動の邪魔になるため、自分が事故や犯罪などを起こさないように感情のコントロールを身につけないといけません。

感情で学習と記憶の強化をする

昔に体験したエピソードを思い出す時、淡々とした毎日よりも、楽しかったこと、ムカついたこと、悲しかったことなどの感情的な体験について思い出しがちで、強烈な体験ほど記憶がハッキリしています。

このように強烈な体験ほどハッキリと思い出せるのは、感情によって記憶が強化されたからです。

特に怒りや悲しみなどネガティブな感情を抱いた体験については、思い出して考えたくもないのに自然に頭に浮かんでその体験について繰り返し考えてしまいます。

これは感情がその体験について繰り返して考えること(リハーサル)を強制して、強い記憶として残そうとしているせいで、特に戦争やテロ、大災害のような強力な感情を生起する体験は記憶の劣化がなく鮮明に覚えています。

誰でも「9.11」「3.11」という数字の羅列を見るだけで、アメリカの同時多発テロ、東日本大震災のことだと分かるようにです。

また、感情が記憶を強化する仕組みを利用して学習効率を高める事もできます。

例えば、ゲームやアニメ、マンガを通して三国志や戦国時代など、歴史にやたら詳しくなった同級生。

好きなアイドルの出身地、生年月日、デビュー年、曲のタイトルと歌詞などの膨大なデータをスラスラと言えてしまう人など、特定の分野にやたら詳しい人はあなたの周りに居ると思います。

最初は特定の分野に特化した知識で使えないと思いますが、興味の範囲を少しずつ広めることで、学習意欲が高いままいろんなものに興味が向くようになり、かなりの知識を得る事ができます。

自分を意識をする(自己認識をする)

感情には自分自身のことを意識的に考えさせて、自分を知るための手助けをしてくれる機能があります。

例えば、仕事に失敗して同僚や先輩、上司に大きな迷惑がかけてしまった場合に罪悪感を感じますが、罪悪感のおかげで自分の行動を反省したり、失敗の原因を突き止めて再発防止に努めるようになります。

また、大勢の前で失態を演じてしまって羞恥心を抱いたときも、恥ずかしさから同じ失態をしないように努力するでしょう。

このように「他人の注目や評価」「社会規範」といった「他人の目」があることで生起する感情によって、他人と自分の違いがクローズアップされます。

そうすることで自分の内面に思考が向かい、他人と比較して「自分の行いは正しいのか?」「自分はどうあるべきか?」「どんな存在になりたいか?」といったことを考えるようになります。

やがて自分の外見、能力、性格など客観的に捉えて評価したり、将来について考えたり、他人の気持ちが分かるようになります。

ただし、他人と比べることで自信を無くしたり、劣等感を抱いて他人を嫌いになるという弊害もあるので過度の比較には注意が必要です。

非言語コミュニケーション・共感

他人の表情を見ただけで怒っているのか、悲しんでいるのか、喜んでいるのか、驚いているのか、嫌がっているのかという心の状態を読み取ることが出来ます。

なぜこのようなことが出来るのかというと、人間は非言語コミュニケーション(特に顔の表情や声色)を通して、心の状態や、人格、状況、評価といった情報を周りの人たちに発信して無意識にそれを受け取っているからです。

人はこのように無意識的に情報のやりとりをして相手を理解し他人と共感しあって関係を深めていきます。

では、どんな情報を私たちは送受信しているのでしょうか?

心の状態、人格、状況、評価の4つの情報についての例を紹介します。

心の状態

怒っているときは、怒りの表情、悲しい時は悲しい表情が顔に現れます。

周りの人はその表情を見て相手の心の状態を理解し、相手が危険な存在か、助けを必要としているかなど瞬時に知ることができます。

人格

常に無表情の人は「得体の知れない」「怖い」という印象を受けますし、逆に表情豊かな人を見ると「良い人かも」と思うかもしれません。

笑い方の違いでも卑屈な笑み、豪快な笑いなどを見るとこの人はどんな人格(性格)なのか推測出来ます。

状況

街中で「キャー」という声と驚き、恐怖の表情で必死に走って逃げる人たちを見たとすると、尋常じゃない事態が起きたのではないかと、状況の緊急性や重要性を理解できます。

評価

友人が冷蔵庫の牛乳のニオイを嗅いで、不快な表情をしていたら、「牛乳が腐っているんだな」と友人の顔を見ただけで分かります。

感情機能を上手く活用していこう!!

大まかに感情の4つ機能について説明しました。

感情のどの機能も人間や動物にとってなくてはならないもので、生き物の根幹を成すものです。

現代社会では感情機能が強すぎて衝動的な行動で失敗する事もありますが、感情の4つの機能を知っていれば、感情の機能を良い方向で上手く活用することもできるのではないかと思います。

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