学習とモチベーションに深い関係!!神経伝達物質のドーパミンとは?

2017-09-08ドーパミン

 

ドーパミンとは、やる気やモチベーション、学習の集中力や記憶力、情報処理能力に関係する脳内の神経伝達物質で、セロトニンやノルアドレナリンと並んで体内で重要は働きをしています。

そのため、ドーパミンがどんな物か知って上手く活用すれば、勉強の学習効果を上げたり、仕事のパフォーマンスを上げることにも可能です。

また、ドーパミンに異常をきたすとパーキンソン病、統合失調症、ADHD、依存症などの病気と関係が深いとも言われています。

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ドーパミンとは?

ドーパミン(dopamine)」は、中枢神経系(脳や脊髄)に存在する神経伝達物質で「セロトニン」や「ノルアドレナリン」と共に脳内の三大神経伝達物質として知られています。(※医療分野ではドパミンと表記されます。)

総称してモノアミン神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミン)や、カテコールアミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)とも言われます。

ドーパミンはアミノ酸の一種であるチロシンからL-ドーパで生成されて、ドーパミンはアドレナリンやノルアドレナリンの前駆体(その物質が生成する前の段階の物質のこと)です。

ドーパミンは、学習と深い関係があり、学習に対するモチベーションや好奇心、記憶力、ワーキングメモリとの関わりで集中力、情報処理能力などに影響してます。

また、他にもドーパミンは運動調整や表情の調節、ホルモン調整にも関わっています。

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ドーパミンと関係が深い神経回路

ドーパミンが作られる場所は、中脳の腹側被蓋野にある「A10」と呼ばれる神経核で、腹側被蓋野から次の2つの経路を流れることで、ドーパミンはさまざまな役割を発揮しています。

  • 中脳辺緑系の経路:大脳辺緑系の海馬(長期記憶・空間学習)と側坐核(快感・やる気)
  • 中脳皮質系の経路:前頭葉(ワーキングメモリ)と側頭葉(言語・聴覚・記憶)

そして、このようなドーパミン神経系は「欲求が満たされたとき」や「満たされると分かるとき」に活性化して快感が得られることから「報酬系」と呼びます。

ドーパミンによってポジティブ感情が生まれる

ドーパミンは学習と関係が深く「自分にとって良いものに対して快感を与えて気分を良くさせる」ことで、その人が繰り返し快感を得るために動機付けをして人に体験学習させます。

簡単に言えば、ドーパミンは人にポジティブ感情を抱かせて、同じ体験や学習を繰り返すようにコントロールされています。

例えば、楽しい・嬉しい体験をした、仕事で目標を達成した、人から褒められた、人から愛されるといったポジティブな経験をしたときは、心臓がドキドキしたり、喜びが溢れます。

そして、また同じ体験を経験できる機会あるとき、「早くその時が来ないかな」と待ち遠しいワクワクした気分になります。

これはドーパミンによって側坐核が刺激を受けて興奮し、やる気やモチベーションが高まったことで、ドキドキ・ワクワクさせて好奇心や探究心を刺激しているからです。

ドーパミンの影響が強い性格とは?

ドーパミンはポジティブ感情に影響を及ぼすため、その人の性格にも強く影響しています。

ドーパミンが影響している性格は、パーソナリティ5因子モデル「ビックファイブ」の「外向性」という性格特性で、ドーパミンの影響力の違いによって「外向的な人」と「内向的な人」に分かれます。

外向性と内向性の大雑把な特徴は次の通りです。

  • 外向的な人:ポジティブになりやすく、ポジティブになれるものが好き(権力・名声・お金などのステータス、恋愛やSEX、趣味などの活動、社交的)
  • 内向的な人:ポジティブになりにくく穏やかで、外向的な人が好きなものに多大な価値を置かない。興味や関心が狭いが、好きなことにはのめり込む。

以上のように、外向的な人はドーパミンの影響力が強いためポジティブになりやすく、手に入りやすい報酬を求めたり、新しい物事を求める新規探求性が強い傾向にあります。

しかし、その反面でステータスに目が眩んで他人を羨んだり、タバコ、ギャンブル、お酒、恋愛、暴飲暴食など依存症になりやすいというデメリットがあります。

逆に内向的な人はドーパミンの影響力が弱いためポジティブになりにくいため保守的で、外向的な人が好む安易な報酬に目がくらむことがなく、自分が好きなことを探求する傾向にあります。

ただドーパミンによる新規探求性が弱く体験学習効果も薄いため、世間の常識不足や経験不足が目立ちますし、それによって他人との共感することが少ないため対人関係が苦手です。

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ドーパミンの影響力を決めるドーパミンD4受容体遺伝子(DRD4)とは?

ドーパミンの影響力によって性格が「外向性」と「内向性」の違いが生まれるのは、ドーパミンに対する反応性を決めるドーパミンD4受容体(DRD4)遺伝子のタイプで決まります。

ドーパミンD4受容体(DRD4)には、48塩基対の繰り返し配列が存在し、この繰り返し配列の長さの違いが性格に影響を与え、配列の繰り返しが長いほど外向的な人になります。

配列の繰り返すタイプは、2~11回繰り返すタイプがあり、最も多く見られるタイプは4回と7回です。

日本人を含めた世界各国でDRD4の長さが長い人かどれくらいの割合か調べた調査では、7回繰り返しタイプの割合はヨーロッパ人は14%、日本人は1%でした。

また、7回繰り返し以上では日本人は5%しかいないため、日本人は外国人に比べて外向的な人が少ない傾向にあることが分かります。

逆に7回繰り返しタイプが多いのはスペイン人やアメリカに移住したヨーロッパ人で、ラテン系の人は開放的なイメージは遺伝的にも正しいようです。

やる気と学習効果を高めるドーパミンの出し方

何度も説明した通り、ドーパミンはやる気や学習に深い関係がありますが、このドーパミンの学習意欲を高める効果と学習効果をうまく活用することは、将来的な大きなメリットがあります。

そのため、ドーパミンの出し方を学んで、意図的にやる気とモチベーションを引き出したり、学習効果を高めましょう。

ドーパミンは出るタイミングとは?

ドーパミンが出るときは主に次の2パターンがあります。

  • 報酬を得ているとき(楽しい・嬉しいとき)
  • 報酬を得られる可能性が高く期待しているとき

これはラットを「ランプが点灯すると砂糖水が出る装置」が入ったケージに入れて観察する実験で明らかになっていることで、ラットは時間が経つとランプが点灯すると砂糖水が出ることを学習します。

この状態のラットのドーパミン分泌を観察すると「ランプが点灯したとき」と「砂糖水を飲んだとき」にドーパミンが出ていました。

さらに、実験を繰り返すとランプが点灯しただけで、より大量のドーパミンが出るようになりました。

つまり、ドーパミンが出るとき「報酬を得ているとき」と「報酬を期待したとき」で、繰り返すことでドーパミンが今までよりも多く出るようになるということです。

目標を作るとドーパミンを効果的に出せる

意図的にドーパミンを出して学習意欲や学習効果を高めるには、目標を作ってドーパミンが出る「報酬を得ているとき」と「報酬を期待したとき」を上手く利用します。

具体的に目標を作ると、目標を達成したときにもドーパミンは出ますし、努力や工夫を重ねて目標達成に前進しているときにもドーパミンは出ます。

さらに、目標達成の期待や可能性を高めることでドーパミンがより多く出るので、自分に目標を強く意識させることが大事です。

例えば、以下のようなことを実践してみましょう。

  • 目標達成した自分を強くイメージする
  • 目標を繰り返し確認する
  • 目標を何度も大きな声で読む
  • ストレスがあっても楽しもうとする
  • 目標達成のご褒美を自分に与える
  • 目標達成後はすぐに新しい目標を設定する

目標設定する場合に注意する点があります。それは、大きい目標と小さい目標の2つを設定することです。

なぜなら、大きすぎる目標は目標達成するまでに時間がかかるためドーパミンが出なくなりますし、小さい目標は将来的に意味がないことに時間と労力を浪費する可能性が高いからです。

【関連】「目標を立てる必要あるの?」仕事や人生で目標設定するメリットと理由

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ドーパミンの異常が原因の病気

ドーパミンが過剰に分泌したり、ドーパミンが不足してしまうことは病気の原因となります。

ドーパミン・ニューロン減少が原因の「パーキンソン病」

認知症の一種であるパーキンソン病は、1817年にイギリスのジェームズ・パーキンソンによって報告された神経変性疾患で、主に40歳以降に発症することが多く、ゆっくり進行していきます。

このパーキンソン病は運動調節に関する障害が特徴的で、その運動症状には次のものがあります。

  • 細やかな運動の調節ができない
  • 手足のしびれ
  • 手足のこわばり
  • 無動(動きがちいさくなる)
  • バランスが悪くなり転びやすくなる
  • 無表情

このようなパーキンソン病の運動症状は、中脳の黒質緻密部のドーパミン・ニューロンが激減することで、体のバランスや運動を調節する大脳基底核にドーパミンが送られなくなることが原因です。

多くの研究から10歳年をとるごとに平均で10%のドーパミン・ニューロンが死んでしまうことがわかっているため、年をとると誰でもパーキンソン病になる可能性があります。

そのため、パーキンソン病を発症する確率を減らすために、日常的にドーパミンの分泌量を増やす努力をして、ドーパミン・ニューロンのつながりを強化しましょう。

ドーパミンとノルアドレナリンの機能障害の「注意欠如・多動性障害(ADHD)」

注意欠如・多動性障害(ADHD)とは、脳内操作系の機能障害によって自分の脳をうまく操作することができなくなり、注意散漫や多動性・衝動性がでる神経発達障害 の一種です。

具体的なADHDの注意散漫や多動性・衝動性の症状は次の通りです。

  • 生活リズムが不規則になりがち
  • 注意集中ができない
  • 注意の持続に問題がある
  • 話しかけられても聞いていないように見える
  • 外部からの刺激により注意がそらされる
  • 手足をモジモジ、キョロキョロする
  • じっとしていられない
  • 場所を考えず怒ったり暴力的になる

以上のようなADHDの注意散漫や多動性・衝動性の症状の原因は、神経伝達物質のノルアドレナリンとドーパミンの機能障害と結びついています。

例えば、ノルアドレナリン(不快感情)とドーパミン(快感情)の刺激で感情反応の強さを決める扁桃体の異常で、感情の調整が上手くいかないとキレやすくなったり、パニック発作を起こすこともあります。

他にもドーパミンで活性化する側坐核は、優先順位をつけてやる気を出すことに役立ちますが、ドーパミン不足で側坐核が十分に活性化しないことで注意力が維持できなくなります。

また、前頭前野のワーキングメモリ(作動記憶)の機能低下も原因としてあります。

以上のことからADHDの治療では、8歳未満ではワーキングメモリの機能を高めたり、薬のリタリンやコンサータによって伝達物質の働きを強めてADHDの症状を抑えますが、薬が切れるとまた症状に悩まされます。

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仮説でドーパミン過剰が原因の「統合失調症」

統合失調症は、幻覚や妄想、興奮などの症状がある精神疾患で、およそ100人に1人がかかる頻度の高い病気です。

症状には大きく陽性症状と陰性症状の2つに分かれ特徴に違いがあります。

  • 陽性症状:幻覚、妄想、思考障害
  • 陰性症状:感情の平板化、思考の貧困、意欲の欠如、自閉

統合失調症の原因はまだ全てが解明されていませんが、有力な仮説で「脳内のドーパミンが過剰になることで発症する」という考えがあります。

例えば、統合失調症の陽性症状では、ドーパミン経路の中脳辺緑系(記憶や快感、やる気)の障害で幻覚、妄想が引き起こされています。

陰性症状では、ドーパミン経路の中脳皮質系(ワーキングメモリ)の障害で感情の平板化や自閉の原因です。

以上のことから統合失調症の治療では、脳内のドーパミンの働きをブロックする「抗精神病薬」が投与され、陽性症状を中心とした治療に使われています。

ただ、抗精神病薬は陰性症状にはあまり効果がないため、陰性症状に比較的効果がある「非定型抗精神病薬」が投与されます。

側坐核のドーパミン過剰になる「依存症」

依存症とは、健康や社会的生活に悪影響をもたらすにもかからわらず、断ち切ることができない衝動を意味しており、快楽が得られる物や活動の優先順位がはるかに高くなる状態の病気です。

この依存症は、やる気に関係する側坐核のドーパミン分泌量が過剰になることが原因で、快楽が得られる物や活動が好きじゃなくても欲しくなる、求めてしまい満足することはありません。

依存性が高く依存症になりやすいもの次のものがあります。

  • アルコール依存
  • カフェイン依存
  • タバコ依存・ニコチン
  • 恋愛依存
  • セックス依存
  • ギャンブル依存・パチンコ依存
  • 買い物依存
  • 食事依存・炭水化物依存
  • ゲーム依存・課金依存
  • スマホ依存
  • SNS依存
  • 快感や興奮する無謀な行動
  • 薬物依存

特に薬物は依存性が強いことで知られていますが、その威力はセックスではドーパミンレベルが通常の1.5~2倍に上昇しますが、コカインを吸引すると3~8倍にまで急騰します。

依存症はADHDとも関係があり、アメリカではADHDの患者の約半数がなんらかの依存症に苦しんでいます。

【関連】SNS・恋愛依存やパチンコ依存などドーパミン過剰でなる依存症に注意!!

ドーパミンを出してやる気と学習効果を高めよう!!

ドーパミンはやる気やモチベーション、学習の集中力や記憶力、情報処理能力に関係している脳内の神経伝達物質です。

「何もやる気が起きない」や「やる気が出ない」といった悩みがある人は、ドーパミンを出してやる気やモチベーションを高めましょう。

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