花粉だけじゃ花粉症にならない!?アレルギー症状は排気ガスが原因
毎年2月頃からスギ花粉が増えていくので、花粉症になって鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの辛い症状に悩まされます。
この花粉症の原因は、ほとんどの人がスギやヒノキなどの花粉が原因だと考えていますが、実は違うかもしれません。
スギ花粉より排気ガスが花粉症に大きく影響する!?
85年に古河日光総合病院の小泉院長が栃木県の日光市の住民3133人を対象に花粉症に関する調査を行いました。
この調査では、次の3つのグループに住民を分類して、住民の花粉症の症状と住んでいる地域のスギの量と交通量の関係を調べます。
- 自動車交通量が多く、激しく渋滞する「スギ並木地区」(排気ガスの影響でスギが減少)
- 交通量は少ないが、スギが多い「スギ森地区」
- 一般地区
そして、3月中旬から4月にかけて鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目の充血、涙、目のかゆみなどの症状について住民にアンケート調査を実施しました。
すると花粉症の発生率は「スギ並木地区:12~14%」「スギ森地区:7~10%」「一般地区:7~10%」という意外な調査結果がでました。
花粉症の原因は花粉だけだと思われるので、普通ならスギの多い「スギ森地区」がもっとも花粉症が発生しやすいと予想ができます。
しかし、その予想に反して「スギ並木地区」で花粉症の発生がもっとも多く、花粉症の発生は花粉だけが原因でなく、排気ガスの影響も大きい可能性がでました。
花粉症のアレルギー反応は、花粉と排気ガスで発生する
花粉症と排気ガスの関係について、東京大学物療内科の村中助教授らの研究グループがマウスを使った実験を行いました。
花粉症のアレルギー反応は、花粉のアレルゲンに対して免疫システムが反応して、リンパ球の一種であるB細胞がIgE抗体を作ることで発生します。
実験ではマウスにスギ花粉のアレルゲンを24週で6回注射しましたがIgE抗体はできず、スギ花粉のアレルゲンを増やしても結果は変わりませんでした。
次にスギ花粉のアレルゲンとディーゼル車排気ガス中の微粒子(DEP)を、前と同じようにマウスに注射しました。
すると注射して2週間後にはIgE抗体が見つかり、注射ごとにIgE抗体が増えていき、スギ花粉のアレルゲンを減らしてDEPとともに注射した場合もIgE抗体が増加しました。
つまり、花粉症は花粉だけでは発生せず、花粉に自動車の排気ガスが加わると発症することがわかりました。
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