攻撃性と不安が増強される!幸せホルモン「オキシトシンの副作用」とは?

2017-05-12オキシトシン

幸せホルモン「オキシトシン」は、信頼や愛情、共感や社交性を強める効果があり、良い作用だけがクローズアップされがちですが、実はオキシトシンにも副作用があることは知られていません。

では幸せホルモン「オキシトシン」の副作用とは、どんなものなのでしょうか?

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オキシトシンは不快感を強めて不安や攻撃性を高める

アメリカのノースウェスタン大学の研究で、オキシトシンの作用を調べるために3種類のマウスのグループを作って実験をしました。そのグループとは…

  • 遺伝子を改変したオキシトシンが作用しないマウスのグループ
  • 遺伝子を改変してオキシトシンが通常よりも多いマウスのグループ
  • 普通マウスのグループ

実験では、それぞれのグループのマウスを凶暴なマウスと同じ飼育カゴに入れて社会的なストレスを与えます。

その後、凶暴なマウスとグループを離して、6時間後に再び凶暴なマウスと同じカゴにそれぞれのマウスのグループを入れて観察します。

観察するとオキシトシンが作用しないマウスは、凶暴なマウスのことは忘れており、特別な反応を示すことはありませんでした。

しかし、オキシトシンが通常よりも多いマウスのグループは凶暴なマウスを過剰に怖がる反応を示しました。

この実験結果によりオキシトシンは幸せホルモンですが、過去に強い恐怖や不安を感じた嫌な出来事の記憶が強く残って思い出しやすくなることで、オキシトシンには不安を増強する副作用があることが分かりました。

その他の70以上の男性ボランティアにオキシトシンを投与する実験でも、男性の不安が強化されて嫌な記憶を思い出しやすくなり、不快な刺激に強い反応を示す実験結果が出ています。

また、自治医科大学医学部教授の尾仲達史さんによると、オキシトシンを高濃度で摂り過ぎると、オキシトシンの受容体が減少してしまい、攻撃性の上昇や不安が増強する矛盾した副作用がオキシトシンにはあることが分かっています。

愛情が強すぎると関係が壊れる事に不安を感じる事があります。

つまり、オキシトシンによる副作用で不安の増強や攻撃性を高まるのは「幸せを失うことへの不安」「幸せを壊すものへの攻撃」なのかもしれません。

オキシトシンが人間関係での優劣や差別を生む

オランダのアムステルダム大学の研究で、オキシトシンが人の行動にどのような影響を与えるか調査するため、オランダ人男性280名を対象に実験しました。

実験では、少量のオキシトシンを吸引したグループとそうでないグループに分けて、「5人を助けるために1人を殺すことは正義か?」という、道徳的ジレンマを扱った問題にどう答えるかを調べます。

出題される問題の登場人物は自国のオランダ人と他国民なのですが、実験結果ではオキシトシンが吸引しているかどうかで、登場人物の扱いに差が出ました。

それは、オキシトシンを吸引した男性グループは他国民を犠牲にしようとする傾向が高められました。

また、オレゴン州立大学の似たような研究では、オキシトシンは自分の嫌いな人が成功した場合は嫉妬をかきたてられて、嫌いな人に自分が勝った場合は得意な気持ちにさせるという結果が出ています。

つまり、オキシトシンは仲間意識を強めるが仲間でない人を排除する傾向も強める効果があり、人間関係の優先順位を明確にしてグループの利益を優先するという、オキシトシンの良い作用とも副作用とも取れる効果があることが分かりました。

このオキシトシンの副作用は家族を守るための利益を優先するという意味では良い作用になりますが、公平な立場で人と接しなければいけない時に邪魔になる可能性があります。

産後クライシスの攻撃性はオキシトシンの副作用

産後クライシスとは、産後2年以内に夫婦の愛情が急速に冷え込む状況のことを言います。

厚生労働省の調査では、子供が0~2歳の時に離婚した母子世帯の割合は全体の35.1%におよび、父子世帯だと24.2%になり、子供の年齢別での離婚率は最も割合が多いため、産後クライシスが原因にあるのではないかと言われています。

産後クライシスの原因は、体調不良、精神的不安、ホルモンバランスの乱れ、パパの育児不参加などがありますが、根本的には産後クライシスはオキシトシンの副作用が原因です。

オキシトシンは愛情と信頼を築くホルモンなので、母親とわが子が触れ合っている時に多量に分泌され母と子は愛情を強めていきます。

しかし、最近の研究でオキシトシンは「他者への攻撃性を強める副作用」があることがわかりました。

つまり、産後は母子の愛情が強くなるため夫の立場は2番目となり、夫が育児に非協力的な場合、オキシトシンの副作用により母子関係を脅かす存在だと感じて、夫は攻撃の対象となるため妻にイライラした態度を取られるのです。

なので、産後クライシスを回避して仲の良い夫婦関係を維持したいのなら、妻に共感して寄り添い、子育てには真剣に取り組まないといけません。

愛する人の喪失の悲しみが強くなる

信頼している人に悪意がある言葉や偽りがあることを言われたり、今までの信頼を裏切るような行為をされると、心にグサッときて、えぐられように傷つきます。

また、最愛の人が亡くなってしまうと強い悲しみと苦しみによって、誰とも会いたくなくなったり、食事が口を通らなかったり、具合が悪くなって病気になったりします。

そして、長年愛し連れ添ったおしどり夫婦のどちらかが亡くなると、その数ヶ月後にあとを追うように亡くなるというようなことがあります。

これらは愛する人、信頼する人を失うことで、オキシトシンによる絆が壊れたことで、オキシトシンの肯定的な効果がなくなったために起きます。

また、最愛の人を亡くした辛く苦しいときの自分への慰めや寄り添いは、身体的な痛みと精神的な痛みを和らぎます。

そのため、この辛い時期に新しい愛が芽生えることは珍しくありません。

オキシトシン薬で無条件で他人を信頼する

絆や信頼、愛情を作るオキシトシンは、人間関係を築く上で良い作用を持っています。

なので、人間関係に不安がある人や営業やプレゼンなどのビジネスシーンで、オキシトシン点鼻薬スプレー購入して使用する方もいます。

ただオキシトシン薬の使い所は考えないといけません。

なぜなら、オキシトシン薬を使用による絆や信頼、愛情を作る良い作用は、誰にでも適応されるからで、良い人ならいいですが悪意を持つ人間も無条件で信頼してしまいます。

世の中には他人を傷つけても心が痛まない人間が一定数は必ずいるので、オキシトシン薬を使用する際は、相手が信頼していいのか見極めてから活用しましょう。

【オキシトシンまとめ】愛情・絆・信頼・思いやりに関する幸せホルモン「オキシトシン」とは?

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Posted by curious