セロトニン症候群とは?抗うつ薬(セロトニン作動薬)の副作用

2019-03-22セロトニン,サプリメント

幸せホルモンのセロトニンは精神安定剤として知られており、うつ病の治療薬にも使われます。

しかし、うつ病の治療薬やサプリメントの大量摂取や他の薬剤との併用でセロトニン分泌が過剰で「セロトニン症候群」という副作用がでます。

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セロトニン症候群とは?

セロトニン症候群とは、抗うつ薬類を服用中に脳内セロトニン濃度が過剰になって起きる副作用です。

うつ病では脳内のセロトニンなどの量が減少しており、脳内のセロトニン量が不足すると不安や気分の落ち込み、無気力といった症状があらわれます。

なので、うつ病の治療では脳内のセロトニン量を増やすSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)や、セロトニンなどの神経伝達物質の分解を阻害するMAOI(モノアミン酸化酵素阻害剤)などの抗うつ薬が使用されます。

しかし、サプリメントや抗うつ薬の投与量の増加によって過剰摂取となったり、2つのセロトニン作動薬を併用したことによる薬物相互作用が原因でセロトニン症候群の発現率が高くなります。

セロトニン症候群の症状

セロトニン症候群は、服薬開始数時間以内に症状があらわれことが多く、服薬を中止すれば通常は24時間以内に症状は消えます。

しかし、ごくまれに横紋筋融解症や腎不全、DIC(播種性血管内凝固症候群)などが併発して死に至ることもあります。

なので、セロトニン作動薬の使用後に次の診断基準ある症状が出た場合は、すぐに薬の使用を中止しましょう。

Rudomskiらの診断基準

1:セロトニン作動薬を治療に使用(あるいは増量)していることに加えて、下記の少なくとも4つの主症状、あるいは3つの主症状と2つの副症状を有していること

精神症状(認知、行動)

主症状:錯乱、気分高揚、昏睡または半昏睡

副症状:興奮と神経過敏、不眠

自律神経症状

主症状:発熱、発汗

副症状:頻脈、頻呼吸と呼吸困難、下痢、低血圧または高血圧

神経学的症状

主症状:ミオクローヌス、振戦、悪寒、筋強剛、神経反射亢進

副症状:協調運動障害、散瞳、アカシジア

2:これらの症状は、患者がセロトニン作動薬を服用する前に発症した精神疾患あるいはその悪化に該当するものでない

3:感染、代謝、内分泌、あるいは中毒因は除外される

4:発症前に抗精紳病薬が投与されていないこと、または増量されていないこと

厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル セロトニン症候群

このように精神科の薬を服用して「不安」「混乱」「イライラ」「発熱」「震え」などの症状が同時にある場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

セロトニン症候群の原因となる薬剤

セロトニン症候群の原因は、セロトニン作動薬などの抗うつ薬剤の過剰摂取と多剤併用で発現します。

またセロトニン症候群の報告は「単剤よりも多剤併用時の発現が圧倒的に多い」ため、次に紹介する薬剤使用では特に注意が必要です。

セロトニン症候群の原因となりやすい薬剤(引用元はこちら

  • 抗うつ薬(SSRI):パロキセチン(パキシル®)、フルボキサミン(ルボックス®、デプロメール®)、セルトラリン(ジェイゾロフト®)、エスシタロプラム(レクサプロ®)
  • 抗うつ薬(SNRI):デュロキセチン(サインバルタ®)、ベンラファキシン(イフェクサー®)、ミルナシプラン(トレドミン®)
  • 三環系抗うつ薬:アミトリプチリン(トリプタノール®)、イミプラミン(トフラニール®)、クロミプラミン(アナフラニール®)
  • 抗うつ薬(その他):トラゾドン(レスリン®、デジレル®)、ミルタザピン(リフレックス®、レメロン®)
  • MAO阻害剤:セレギリン(エフピー®)、リネゾリド(ザイボックス®)
  • 抗不安薬(5HT1A受容体作動薬):タンドスピロン(セディール®)
  • 麻薬鎮痛剤:ペチジン、トラマドール、フェンタニル
  • セロトニン遊離薬剤:MDMA(通称エクスタシー)
  • その他の薬やサプリメント:炭酸リチウム(リーマス®)、トリプタン製剤、デキストロメトルファン(メジコン®)、セントジョンズワート

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