遺伝するもの、しないもの!遺伝か環境か影響がわかる遺伝率 – 行動遺伝学

子育て・育児

私たちは親から子へ、遺伝子によって心身を受け継いであなたが存在し、「今のあなた」は遺伝と環境の影響によってできています。

ただ私たちは遺伝の影響をどのくらい受けているのか知りません。

もしこれを知れば、遺伝が全てと悲観することなく、自分や環境を変えることで状況を変えることができます。

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行動遺伝学の「双生児法」

親から子へ、私たちは遺伝によってさまざまなものを受け継いでいますが、知能や性格といった心も身体とどうように遺伝するのでしょうか。

「もし遺伝するとしたら、どのくらいが遺伝の影響が強いのか」を明らかにするのが、行動遺伝学という学問です。

そして、行動遺伝学の中心となる手法が「双生児法」です。

双生児法はとてもシンプルな手法で「一卵性双生児と二卵性双生児の類似性を比較する」というもの。

一卵性双生児は同じ1つの受精卵から生まれる双生児で、100%遺伝子が同じ人間です。

二卵性双生児は2つの受精卵から生まれる双生児で、50%類似した遺伝子を持ち、遺伝子レベルでは普通のきょうだいと同じ程度似ています。

そして、一卵性のようによく似ている二卵性もいれば、同じ親から生まれたとは思えない二卵性もいますし、性別も異なることもあります。

双生児法では、各種能力調査や性格、精神疾患、アルコールやタバコの依存など、さまざまな側面を何万組と調査し、調査結果から相関係数を算出して遺伝と環境の影響を算出します。(算出方法の詳しい説明は省きます)

そして、算出して遺伝要因と環境要因に分割したときに遺伝で説明できる割合が遺伝率です。

共有環境と非共有環境って何?

双生児法によって算出された遺伝の影響とそれ以外の影響に分けることができます。

行動遺伝学において遺伝以外の影響は「環境」です。

そして、環境は「共有環境」と「非共有環境」があります。

  • 共有環境:家族のメンバーを「似させようとする環境」のこと
  • 非共有環境:家族のメンバーを「異ならせようとする環境」のこと

遺伝子100%で共有環境(家庭など)も同じ一卵性双生児でも違いがあります。

その違いを説明するのが非共有環境となります。

ただ問題もあり、共有環境や非共有環境はあくまで統計処理によって算出されたものでたり、具体的な内容はわからない点です。

「同じ怒る親がいる(共有環境)だとしても、怒られた子供と怒られていない子供では捉え方が違うので非共有環境となる」といったことも無数にあります。

この問題を解決するために、生まれた双子のどちらか片方を養子にだされた場合の影響も調べられています。

これなら共有環境がないので、純粋な非共有環境を知ることができます。

遺伝の影響についての注意点

大昔から人間は血のつながりを重視されてきたので、遺伝の影響についても関心が強くなります。

なので、遺伝の影響を調べる行動遺伝学が、多くの人に与える影響も強いのではないかと思います。

ただどんなものも完璧なものはなく注意点もあります。

遺伝率や環境要因は、集団が持つ全体の個人差のばらつきを何%ずつか説明するものです。(集めたデータの平均値であって個人のものではない)

なので、算出された遺伝率や環境要因は、個人に完全に当てはめることはできません。

また、遺伝子の効果は必ずしも足しあわせ(遺伝+環境)で出てくるとは限りません。

遺伝子の組み合わせによって新しい効果が出てくる、非相加的遺伝という現象もあるので注意。

遺伝するもの、しないもの(遺伝率)

これまで行動遺伝学の基本的な知識を説明しましたが、これで行動遺伝学の遺伝率の表を見ても意味がわかると思います。

もし表の各項目で改善したいものがあるのなら遺伝率を見ましょう。

遺伝の影響が強ければ変えにくく、遺伝の影響が弱ければ変えやすいことになります。

子育てや教育、自分自身の能力開発、結婚相手の選ぶ基準など、使える情報なので活用しましょう。

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