ドーパミンの効果・作用

2018-12-02記憶力,ドーパミン

脳の報酬系に関係するドーパミンは、私たちに「快感」を与えてくれ、ドーパミンは幸せホルモンだとか、脳内麻薬だとか言われます。

良いのか悪いのか相反することを言われますが、一体ドーパミンにはどんな役割があって、どんな効果が期待できるのでしょうか?

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ドーパミンの役割は「快感への動機づけ」

ドーパミンは脳内回路の報酬系に関与していおり、私たちに「快感」を与えてくれるので、一般的に「幸せホルモン」や対照的に「脳内麻薬」とも言われます。

しかし、このように書くと「ドーパミン=快楽物質」と勘違いしてしまいます。

実際は私たちが好ましい経験を「気持ちよく」感じるのは「オピオイド」の効果で、ドーパミンはその経験を反復させて「快感が欲しい」と思わせる役割があります。

そのため脳内の報酬系は「欲求が満たされたとき」はもちろんですが、「快感が得られると分かったとき」にも活性化してドーパミンを分泌します。

つまり、ドーパミンは「快感への動機づけ」の役割によって、正しい動機づけをすれば幸せホルモンになりますし、薬物などに手を出して悪い動機づけをすれば脳内麻薬になります。

ドーパミン分泌を増やしたときの良い効果

では、幸せホルモンとしての役割でドーパミンの分泌量を増やした場合は、どのような効果が期待できるか紹介します。

やる気が上がり、ダラダラとした怠惰防止

ドーパミンは快感への動機づけをしてくれる脳内の神経伝達物質なので、ドーパミンが不足してしまうと動機づけが上手くできません。

快感への動機づけがされないというのは、欲望がなくなるということです。

私たちは良くも悪くも自分の欲望を満たすために生きているので、その欲望がなくなってしまうと「ダラダラと怠惰な生活を送る」「何もする気が起きない」という状態になります。

逆にドーパミンを増やせば欲望も増えるので、その欲望がモチベーションとなって意欲、やる気が上がって様々な活動がしやすくなります。

行動力や実行力が身につく

これが欲しい、こんな自分になりたい、こういう人生を歩みたいなぞ、さまざまな夢や願いを私たちは持ちます。

自分が欲しいものをを手に入れるには、願うだけではダメで行動が大事です。

その点でドーパミンの分泌が増えると「自分が欲しいもの」「夢を叶える」ためのやる気がでるので、行動力や実行力が身につきやすくなります。

学習能力が上がる

ドーパミンの分泌を増やすことはやる気を上げることに繋がり、判りやすい報酬であるお金、恋愛(セックス)、楽しい趣味や社交などを得るために役立ちます。

しかし、そのような報酬はタダで手に入れるワケではなく、「他人との競争を勝ち抜く」「夢の実現のためのハードル」など、何かしらの障害や手間があります。

また快感には慣れがあるので、今までの報酬よりももっと大きな報酬を手に入れないと満足できなくなります。

このような理由から、ドーパミンは学習と結びついており、新しい体験を通してスキルや知識を手に入れることといった役割もあります。

仕事や勉強などの集中力とパフォーマンスが上がる

「好きこそ物の上手なれ」という言葉の通り、好きなことを楽しみながら学ぶことは人間本来の学び方です。

これは多くの人が実感するところで、実際に無関心なことや嫌いなことよりも好きなことをしてドーパミンが分泌しているときの方が、集中して没頭できますし、パフォーマンスも上がります。

このような学習効果はドーパミン効果でやる気が上がり、報酬への注意とそれ以外の無関係な事柄を無視するからで、空腹や体の疲れ、時間の流れすら忘れてしまいます。

世の中には仕事や勉強が嫌いな人は多いと思います。

そんな人はドーパミン効果を上手く活用して学習効果を高める工夫をしてみるといいかもしれません。

記憶力が強化する(物忘れ防止)

人間が持つ感情には、記憶力を高める効果があります。

試しにあなたの過去について思い出して見てください。

思い出すのはおそらくポジティブかネガティブに感情が動いたときのことで、どうでもよい一週間前の食事のことといったことは覚えていないと思います。

なので、ドーパミンの分泌を増やして楽しみながら何かしらの活動をすると、記憶力が高まりますし物忘れ防止にもなります。

楽観的になる

ドーパミンの分泌量が増えるのは、何かしらの望ましい報酬が「得られたとき」や「得られると確信しているとき」で、やる気が出ます。

そして、私たちが快感を得ているときは喜びや快感、満足感が得られますし、快感を得られると確信したときは、ドキドキ・ワクワクした興奮や楽しみが増し、より欲望が増し、熱中します。

つまり、ドーパミン分泌が増えるとポジティブ感情も増えて、楽観的になれるということです。

逆にドーパミンが不足すると、生きるうえでの単純な喜びを感じなくなる無快感症になってしまし、抑うつ状態となってしまいます。

さまざまな興味が生まれる

これまで他人が引いたレールの上を只々走ってきた人は、ワクワク・ドキドキした経験や楽しんだ経験が少ないせいか、自分を見失っています。

なので、就職や転職といった人生の節目で「自分がやりたいことがない」「何がしたいのかわからない」などの悩みを抱えているのです。

ドーパミンはポジティブ感情とやる気、学習と結びついているので、ドーパミンが不足していると自分の好き嫌いがはっきり見えないということになります。

なので、さまざまな物事に興味を持って人生を豊かに感じ、自分自身をクリアに見たいのなら、ポジティブ感情に注目を集めるドーパミンの分泌を増やすことが必要です。

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