仮想通貨のカルダノ・エイダ(Cardano・ADA)の特徴と将来性
仮想通貨のCardano(カルダノ)で使用されるADA(エイダコイン)は、もともとオンラインカジノで使われる予定だった仮想通貨ですが現在は別の仮想通貨に生まれ変わりました。
カルダノは、第一世代のビットコイン、第二世代のイーサリアムに次ぐ第三世代の仮想通貨を目指しています。
カルダノ・エイダ(Cardano・ADA)とは
カルダノ(Cardano)とは、カルダノ財団やIOHKによって開発が進められているオープンソースの分散型(ブロックチェーン)プラットフォームとその開発プロジェクト名です。
そして、カルダノ(Cardano)のプラットフォームで使用される仮想通貨が「ADA(エイダコイン)」で、発行上限は450億ADAとなっています。
カルダノは、チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)が、開発に携わったことで注目を集めました。
このチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)は、仮想通貨界の大物でEthereum(イーサリアム)やBitShares(ビットシェアーズ)を創設して開発に携わった数学者です。
詳しくは後述しますが、このカルダノの運営は「カルダノ財団」「IOHK」「Emurgo(エマーゴ)」の3つの組織で役割分担しています。
カルダノの概要をまとめると次の通りです。
- 運営:カルダノ財団・IOHK・Emurgo
- 創設者:チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)とジェレミー・ウッド(Jeremy Wood)
- 名称:Cardano(カルダノ)
- 通貨単位:ADA(エイダ)
- 取引開始:2017年10月
- 発行上限枚数:上限450億ADA(市場流通量は約320億ADA)
- アルゴリズム:Proof of Stake(他のPoSより優れたウロボロス)
- カルダノの公式ホームページ:https://www.cardanohub.org/ja/home-2/
カルダノ(Cardano)を作る3つの機関
先ほどの説明の通り、カルダノ(Cardano)は、「カルダノ財団」「IOHK」「Emurgo(エマーゴ)」3つの組織によって運営を役割分担しています。
では、どんな役割を分担しているか説明します。
カルダノ財団(Cardano Foundation)
カルダノ財団は、2015年2月に設立されて、スイスのツークに本拠地を置いています。
カルダノプロジェクトでの「カルダノ財団」の役割は、プロトコルの監督機関や教育機関としての役割を担っています。
具体的には次のような活動を行っているようです。
- カルダノテクノロジーの規格化、保護、そして発展を行うことです。
- カルダノのテクノロジーとその幅広い可能性について規制当局に対し適宜情報を提供するコミュニティの拠点となること。
- 政府や規制機関に対し積極的なアプローチを行い、また企業やエンタープライズ、その他オープンソースプロジェクトと戦略的パートナーシップを形成すること。 企業の利用や政府との連携に適した公式ソフトウェアと標準化プロセスを提供すること。
カルダノ財団の公式ホームページはこちら
Input Output Hong Kong(IOHK)
IOHKは2015年6月に、チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)とジェレミー・ウッド(Jeremy Wood)によって創立されたテクノロジー企業です。
カルダノプロジェクトでは、IOHKがカルダノ・プラットフォームの開発の役割を担っており、カルダノの技術的目標は「第三世代の仮想通貨」を目指しています。
例えば、第一世代は暗号通貨、第二世代はスマートコントラクトなどの付与価値を持つ暗号通貨、第三世代は第一第二の実験的な暗号通貨での知見を整理し発展させて、「スケーラビリティ・相互運用性・持続可能性に優れた通貨」を目指しています。
つまり、ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨よりも、現実的に世の中で広く活用されやすい仮想通貨を作りだすことです。
最終的にカルダノ・プラットフォームでは、世界に銀行口座を持たない30億人に金融サービスを提供することを約束しています。
また、IOHKはカルダノ・プラットフォーム以外にイーサリアム・クラシックなどの開発も行っているようです。
IOHKの公式ホームページはこちら
エマーゴ(Emergo)
エマーゴ(Emergo)は、東京の渋谷区に本店を持つブロックチェーンコンサルティング企業です。
名称は「出現する」という意味のラテン語「Emergo」に由来し、前進はカルダノ・プラットフォーム上でのゲームを提供する予定だった「CARDANO GAMING GROUP」です。
エマーゴは、既存の業界のベンチャー企業がブロックチェーン技術を活用するさいに、コミュニティの育成、規制への取り組み、技術サポートなどの様々な支援を行っています。
その手始めにカルダノプロジェクトでは、東アジアや東南アジアにおいて金融、法律、物流問題を解決しようとしています。
EMURGの公式ホームページはこちら
カルダノ(Cardano)の特徴
カルダノでは、仮想通貨を研究して今までの仮想通貨の設計や開発の問題点を改善したり、他の仮想通貨のいいとこ取りをしているため、他の仮想通貨よりも問題点が少ないという特徴があります。
カルダノはオンラインカジノのゲーミングプラットフォームではない!
カルダノやエイダトークンのことを調べると、オンラインカジノのゲーミングプラットフォームであるという説明のサイトが検索に引っかかります。
なぜなら、カルダノはもともとオンラインカジノでの不正な裏操作などを防止するために開発されたプラットフォームだからです。
次の動画はカルダノのオンラインカジノ・プラットフォーム開発段階での説明動画です。
しかし、カルダノの公式ホームページを読むと、今ではオンラインカジノについての記述はされていません。
これはカルダノのプラットフォームの性能がすごいので「ゲームだけに活用するのは勿体ない」という意見が出始めたため、路線変更をしたのだそうです。
今ではカルダノはゲームのプラットフォームから、もっと社会で広く活用される汎用的なブロックチェーンインフラを目指すものへとレベルアップしました。
仮想通貨のベストプラクティスが集約するカルダノ
カルダノプロジェクトでは、包括的なロードマップや、ホワイトペーパーが無い状態で始まりました。
これは仮想通貨のデザインや、やり方にこだわるよりも仮想通貨の研究に焦点を当てているいるからで、設計原則や工学的なベストプラクティス(技術のいいとこ取り)、探求のための方法論を集約しています。
カルダノでは次のものがアイデアに採用しています。
- 台帳システムと計算処理を別々の階層に分離する
- コアとなるコンポーネントをモジュール性の高い関数によって実装する
- 査読が行われる研究と競合する学者や開発小規模グループを作る
- InfoSecの専門家を早期に採用するなど学際的なチームを多用する
- ホワイトペーパー、実装、そしてレビュー中に発見された問題を修正するための研究を迅速に行う
- ネットワークを破壊することなく、導入後のシステムをアップグレードする機能を構築する
- 今後の研究となる分散型資金調達の仕組みを開発する
- モバイルデバイス上で安全に動作するための長期的な仮想通貨の設計の改善を行う
- 仮想通貨を運用および維持するために、ステークホルダー同士の関係を密接にする
- 同じ台帳システムで複数の資産を運用する必要性を認識する
- 従来のシステムのニーズに応えるために、オプションとしてメタデータを含むことができるようにトランザクションの抽象化を行う
- 約 1,000 のアルトコイン から理にかなっている機能を学習し、採用する
- 最終的なプロトコル設計を決定するためにインターネット技術タスクフォース(IETF)に触発された規格駆動のプロセスを採用する
- 商業の社会的側面を探求する
- ビットコインから継承した基本原則を損なうことなく、規制機関が商取引と対話するための健全な妥協点を見つける
なぜカルダノが仮想通貨の研究に焦点を当てているのかというと、仮想通貨の第一世代であるビットコインや第二世代のイーサリアムなどで、仮想通貨の設計や開発のあり方に多くの問題点があるからです。
今後、仮想通貨が広く活用される世の中になった場合、設計や開発に問題がある仮想通貨は淘汰されて生き残れない可能性が高いと思います。
そのため、カルダノでは他の仮想通貨からベストプラクティスを学んで研究し、カルダノに集約することに力を注いでいるのだと思います。
ADA(エイダ)を保管するDaedalus(ダイダロスウォレット)
Mt.Gox(マウントゴックス)やcoincheck(コインチェック)などの取引所がハッキングを受けて仮想通貨が盗難事件がありますが、これは一部の取引所だけの話ではなく全ての取引所で起きる可能性があります。
これは取引所が常時ネットに繋がっているためですが、逆を言えばネットに繋がっていなければ、仮想通貨をハッキング攻撃から守ることができます。
そこでカルダノではDaedalus(ダイダロス)というアプリを作り、取引所にADAを置いておくよりも安全に保管することができるようになっています。
Daedalus(ダイダロス)のダウンロードはこちらです。
カルダノ・エイダ(Cardano・ADA)の将来性
カルダノとADAトークンの将来性は、カルダノの研究がもっと進むことと、最終的な目標である「30億人の財布」になるためにどれだけ前進しているかが将来性のカギだと思います。
カルダノは「30億人の財布」を目指す
世界ではアメリカやヨーロッパや日本など、みんなが銀行口座を持って文書(戸籍など)に記録されている約40億人の人たちと、アジアや南アメリカ、アフリカ、中東など、銀行口座を持たず文書に記録されていない約30億人の人たちがいます。
後者の約30億人の人たちは、戦争などが原因で自分を証明する文書がなく、約40億人の一般的な人たちよりも社会的に不利なことが多くなります。
そこでカルダノは約30億人の文書をブロックチェーンに記録することで、自分を証明する文書の代わりにすることを提案しています。
なぜなら、ブロックチェーンに記録された個人データは改ざんできないため、戦争によって政府が変わってしまっても関係なく、その個人の戸籍も土地の所有件、犯罪歴まで有効です。
また、約30億人の人たちは出稼ぎをして家族に仕送りをする人が多いのですが、一般人よりも送金コストが高くなりますが、これも仮想通貨を使えば解決できます。
スマートコントラクトを使えば、マイクロファイナンスやマイクロ保険も提供でき、カルダノは「30億人の財布」を目指すと宣言しています。
詳しい説明は次の動画をご覧ください。
コールドウォレット機能があるスマホFINNEYを開発するSIRIN LABS社とパートナーシップ提携を締結
あまり大きなニュースになっていませんが、2018年2月14日にブロックチェーン技術を備えたスマートフォンFINNEY(フィニー)の開発を行うSIRIN LABS社とEmurgoが戦略的パートナーシップ提携を締結しました。
FINNEYはオフラインで仮想通貨を安全に保管できるコールドウォレット機能をサポートしており、カルダノのADAトークンも安全に保管できるようになるようです。
個人的にはこのニュースはカルダノの「30億人の財布」を目指す上で大きな意味があると考えています。
なぜなら、発展途上国では銀行口座を持っていない人が多いですが、以外にもスマートフォンの普及率がかなり進んでいる現状があります。
仮想通貨の取引はスマホさえあれば簡単にできるのですが、問題は資産を守るセキュリティが高いスマホでないといけないことです。
つまり、カルダノ「30億人の財布」プロジェクトにおいて、セキュリティが高いスマホは必要不可欠なツールなので、今回の提携はカルダノにおいて大きな前進なのです。
また、2018年1月29日に台湾のモバイル関連事業のベンチャー企業MOX社や中国基盤のインターネット関連ベンチャー企業の2社ともパートナーシップ提携を締結するなど、着実に前進している印象があります。
量子コンピュータを時代のためにカルダノを強化
2011年に世界初の商用量子コンピュータがカナダのD-wave社が実用化に成功して、アメリカの航空宇宙開発企業に販売されました。
これを受けてGoogleでもD-wave社の量子コンピュータを使って研究開発が進められており、世の中に量子コンピュータが広まる時代も近くなって来ました。
量子コンピュータはスーパーコンピュータの約1億倍の処理能力があり桁違いのパワーがありますが、強力なツールですが将来的に世の中に広まった時、良いことだけに使われる可能性は低いでしょう。
そのため、カルダノは量子コンピュータを研究して、量子コンピュータ時代になってもカルダノが安全に運用できるように暗号アルゴリズムを強化し、量子コンピュータを持つ敵対者も含めた攻撃から守れるようなセキュリティを研究しています。
ADA(エイダ)を購入できる仮想通貨の取引所
ADA(エイダ)は、残念ながら国内の仮想通貨取引所では購入することができないため、Bittrex(ビットレックス)やBinance(バイナンス)といった海外の仮想通貨取引所で購入する必要があります。
また、海外取引所でADAを購入するには、国内取引所で日本円を一旦ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨に交換して海外取引所に送金する必要があります。
そのため、国内取引所の口座をまず開設してみましょう。国内の大手仮想通貨取引所は次のものがあります。
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コメント一覧
平素お世話になっております、
Cardano(ADA)に関して素敵な記事をありがとうございます、Cardano(ADA)に関して誤解を呼ぶ可能性のある表現部分について、ご連絡させていただいております。
・Cardano(ADA)は以前カジノ(ギャンブル)を目的としていた
という部分についてですが、代理店がCardanoの説明として打ち出すのに、1つのユースケースとしてカジノと表現した資料が一人歩きして、特に日本の暗号資産関係サイトではそのように表現されることが多いですが、かなり初期からそもそも汎用目的ブロックチェーンの開発が行われているのみになります。
もちろん汎用なので、ギャンブルアプリを使いたい人がいればその上にそれを作成することは可能です。ただし、以下Cardano公式ホームページやCardanoブロックチェーンそのものの開発企業のCEOのチャールズ氏もそのような発言は現在も2014年末時点においてもありません。
そのため、誤解を呼ぶ可能性があるのではないかと思いまして、こちらご連絡させていただきました、
何卒よろしくお願いいたします。
①Cardano公式ホームページ
https://cardano.org/
②チャールズ氏のCardanoの説明
https://twitter.com/IOHK_Charles/status/1290058248347770880?s=20&t=MyExLFAf_dD4oAUtXWHOVg
③2014年末のチャールズ氏の説明
https://www.youtube.com/watch?v=97ufCT6lQcY&t=4s