睡眠の基礎「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」

2019-12-15睡眠

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。

そして、レム睡眠中とノンレム睡眠中では、定着する記憶の種類や睡眠中に見る夢にも違いがあります。

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レム睡眠とノンレム睡眠とは

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の2種類があります。

レム睡眠とは、脳は起きていて体が眠っている睡眠で、睡眠時に見られる急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字をとってレム睡眠(REM)と略されます。

ノンレム睡眠とは、脳も体も眠っている睡眠で、レム睡眠ではない睡眠を言います。

私たちが寝るとノンレム睡眠とレム睡眠を交互に繰り返します。

入眠後すぐに訪れるのがノンレム睡眠で、睡眠全体の中で最も深い眠りがあり、その後およそ90分後に最初のレム睡眠が訪れます。

そして、明け方ぐらいまでにノンレム睡眠とレム睡眠の往復が4、5回あり、繰り返すたびにレム睡眠の出現時間が長くなるので、明け方に近づくにつれて眠りが浅く目覚めやすくなります。

レム睡眠の発見

1951年12月、シカゴ大学の大学院生ユージン・アセリンスキーは、睡眠科学の父であるナサニエル・クレイトマンの指導のもと、8歳の息子を大学の研究室に連れてきて、睡眠実験を行っていました。

アセリンスキーは息子を被験者に脳波計(EEG)の前身の装置であるオフナー・ダイノグラフの電極を息子の頭部とまぶたに装着しました。

その後、アーモンドがうとうとし始め、記録するインクペンが小さくゆるやかな波を描き始めました。

ところが数時間後、まるで目覚めて意識がはっきりしているときのように波が急激に動きを始めました。

そして、脳波だけでなくまぶたの動きも激しく動いています。

アセリンスキーはびっくりして息子の無事を確認したが、息子は眠っています。

そのまま観察を続けると、再びアーモンドの脳波は落ち着きを取り戻してペンの動きも止まりました。

この発見からさらに実験が進められ、1953年9月にアセリンスキーとクレイトマンの論文がscience誌に掲載されて全世界に知られました。

この論文で睡眠時に発見したこの現象を「Rapid Eye Movement(急速眼球運動)」という科学的名称がつけられました。

そして、その頭文字をとってレム(REM)睡眠と呼ばれています。

レム睡眠・ノンレム睡眠と記憶の関係

睡眠や学習の研究では、学習後に睡眠をとることで記憶の定着が進むことがわかっています。

そして、さまざまな学習や睡眠の研究でレム睡眠時とノンレム睡眠時では、記憶の定着において違う次のような概念があります。

  • 入眠後の深いノンレム睡眠 – イヤな記憶のを消去する。
  • レム睡眠中 – エピソード記憶(いつどこで何をしたか)が固定される。
  • 浅いノンレム睡眠 – 体で覚える記憶(意識せずに覚えられる記憶)が固定される。

以上のようにノンレム睡眠とレム睡眠を数セット繰り返すことで、記憶が整理されて定着していきます。

また、新生児はレム睡眠が9割ほどだが、脳の発達段階でレム睡眠は減少していき、13歳くらいで大人と同程度のノンレム睡眠が増えます。

レム睡眠・ノンレム睡眠と夢の関係

レム睡眠とノンレム睡眠と夢の関係を紹介。

ノンレム睡眠中も夢を見る

私たちは睡眠によって夢を見ることがあります。

そして、「夢を見るのはレム睡眠のとき」ということを知っている人も多いと思います。

だがスタンフォード大学睡眠研究所初代所長であるウィリアム・C・デメント教授が、1957年に「ノンレム睡眠中でも人は夢を見ている」と報告して、複数の研究者により確認されています。

起きたときに覚えている夢は、通常目が覚める直前に見ている夢です。

「レム睡眠=夢を見る」となったのは、レム睡眠中は浅い睡眠で目覚めやすい為です。

深いノンレム睡眠中に起こしてみると、その際に夢を見ていたことがわかりました。

レム睡眠とノンレム睡眠では見る夢の内容が違う

レム睡眠とノンレム睡眠では夢の内容に違いがあることがわかっており、次のような夢を見ることが多いです。

  • レム睡眠の夢:ストーリーがあって実体験に近い夢を見る。
  • ノンレム睡眠の夢:抽象的で辻褄がが合わない夢を見る。

このように見る夢の内容に違いが現れるのは、レム睡眠中は「脳が起きている」点にあります。

レム睡眠中は覚醒時のように大脳皮質が活性化しており、見ている夢に関連して大脳の運動野の手足を司る神経細胞も活性化しています。

そのため、夢では体を使って現実感のある具体的な夢の世界を体験します。

逆にノンレム睡眠では「脳が寝ている」状態で、運動野も活性化していないので、夢は抽象的になるということです。

また、レム睡眠とノンレム睡眠は入れ替わるので、その入れ替わるごとに夢も切り替わります。

なので、正常な睡眠サイクルが送れている人は、睡眠で7、8回ほど別々の夢を見ていることになります。

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Posted by curious