神経質な人と大雑把な人の個人差を決める神経質傾向が生まれる原因【性格心理学】

2017-04-29性格心理学

世の中には「神経質な人」と「大雑把な人」がいます。

神経質な人は、真面目で問題解決がうまいですが、細かい、キレやすい、優柔不断、小心者などと思われがちです。

大雑把な人は、大胆不敵で怖いもの知らずですが、鈍感で無神経だったり、同じ失敗を何度も繰り返したりします。

そんな正反対な性格の「神経質な人」と「大雑把な人」の個人差が生まれる原因はどんなことが関係しているのでしょうか?

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「神経質な人」と「大雑把な人」を決める性格特性

パーソナリティ心理学では、人間の性格特性の傾向を知るためにパーソナリティ5因子モデル「ビックファイブ」という性格分析があります。

このビックファイブの5つの性格特性のうち、神経質な性格に関係する性格特性が神経質傾向(情緒安定性)で、遺伝子の違いによって神経質傾向が強い神経質な人と、神経質傾向が弱い大雑把な人の両極端に分かれます。

先祖から受け継いだ遺伝によって神経質傾向が決まるため、生まれつき神経質な人や大雑把な人のように両極端な性格の人もいれば、中間ぐらいバランスのとれたの性格の人もいるなどの個人差が生まれる原因となっています。

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神経質傾向の個人差が生まれる原因

では、神経質傾向の個人差を決める遺伝子によって、影響を受けるものとはどんなものでしょうか?

「神経質な人」と「大雑把な人」の性格特性を分ける神経質傾向の違いは、「恐怖」「不安」「悲しみ」「羞恥」「嫌悪感」「罪悪感」といったネガティブ感情に影響されやすいかどうかで決定します。

なので、神経質傾向が弱く情緒が安定している大雑把な人(おおらかな人)は、比較的ネガティブ感情に影響されにくい人で悪く言えば鈍感な人です。

対して神経質傾向が強く情緒不安定な神経質な人は、ネガティブ感情に影響されやすいので、自信喪失しやすかったり、うつ病などの精神病になりやすい人です。

ネガティブ感情の反応性に個人差が生まれる原因は、脳の部位の扁桃体や前頭前野、セロトニン・トランスポーター遺伝子の働きの違いにあり、このどれもうつ病などの精神病に関係しています。

そして、セロトニン・トランスポーター遺伝子の働きの違いが、特に神経質な人と大雑把な人の性格の違いを決める原因で最も影響するのではないかと考えられています。

神経質な人と大雑把な人の扁桃体の働きの違い

脳の側頭葉内側にあるアーモンド型の扁桃体の働きは、情動反応の処理や記憶の固定化の調整をしています。

扁桃体は人が五感で感じたことを「快・不快」「危険かどうか」を判断しており、起きた出来事を危険と判断したら、恐怖の感情を生起させて警戒心を高め、交感神経の活動も高めて「闘争・逃走行動」に備えています。

そして、扁桃体は記憶を司る海馬の近くにあるので、強い感情を起こした出来事を鮮明に記憶させる働きがあり、人間が失敗を繰り返さないように問題解決に力を注いだり、同じ状況下で正しい判断をできるようにしています。

また、他人の顔を見ることで、恐怖や悲しみ、幸福などを読み取って共感できるのも扁桃体のおかげです。

この扁桃体の働きは神経質な人と大雑把な人で違いがあり、大雑把な人よりも神経質な人の方がネガティブな刺激に対してより反応的であるだけでなく基本的にいつも活動的であることが分かっています。

そして、扁桃体のサイズや密度にも違いもあるようです。

扁桃体がストレスを検出すると、ストレスホルモンを分泌させるように命令します。神経質な人ほど扁桃体の働きが活発であるのでストレスホルモンが過剰に分泌されてしまい、ストレスによって脳が萎縮する原因を作っています。

そのため、神経質傾向が強い神経質な人は、うつ病などの精神病になりやすいのです。

背外側前頭前野の働きの違い

人間のおでこの後ろにある脳の前頭葉の前側に、前頭前野という部分があります。

この前頭前野は「思考力」「想像力」「記憶力」「判断力」「応用力」「感情のコントロール」といった、人間にとって重要な働きをしている部分です。

前頭前野は「背外側前頭前野」「眼窩面前頭前野」「内側面前頭前野(前帯状回)」の3つの部分に分けることができます。

それぞれ機能は異なりますが神経質な人がなりやすいうつ病では、前頭前野の3つの部分に軽い変調をきたしており機能低下が見られるようです。

特に右背外側前頭前野はネガティブ感情を抑制しようとする部分なのですが、うつ病患者では脳の容量が減少しいるため、働きが悪くなってネガティブ感情のコントロールができなくなってしまいます。(ストレスホルモンが脳の萎縮の原因)

セロトニン・トランスポーター遺伝子の違いが根本原因

ストレスホルモンには、危険に対処するために中心的な働きがあるアドレナリンやノルアドレナリン、慢性的で穏やかなストレス反応を示すコルチゾールがあります。

一見ストレスホルモンは体に悪いもののように思いますが、ストレスホルモンによってネガティブ感情を生起され、危険や問題に対処するように人間を動機付けして、成長を促す機能があります。

問題は危険がなくなった後に、素早くネガティブ感情から回復して冷静になれるかどうかです。

特に神経質な人はいつまでもネガティブ感情に捕らわれていると、うつ病などの精神病にかかる恐れもあるので、ストレスから素早く立ち直る必要があります。

ネガティブ感情を静める働きがあるものが、幸せホルモンとも言われる脳の神経伝達物質である「セロトニン」です。

セロトニンには、アドレナリンやノルアドレナリンの働きを調節してネガティブ感情も抑えてくれる働きがあるのですが、そのセロトニンの調整する働きを左右するのがセロトニン・トランスポーターです。

脳の神経細胞間で神経伝達物質のセロトニンを受け渡して情報伝達をする時、シナプスにセロトニンを放出して相手側の受容体がセロトニンを受け取ることで情報を伝達しています。

このとき、余分なセロトニンは受け取られずにシナプスに余ります。セロトニン・トランスポーターには、そのシナプスに残った余分なセロトニンを回収する働きがあるのです。

そして、セロトニン・トランスポーターは遺伝子の組み合わせによって、回収する働きに違いが生まれます。

このセロトニン・トランスポーターの遺伝子に個人差があることによって、生まれつき神経質傾向にも違いができ、神経質な人と大雑把な人の個人差が生まれる原因となっています。

神経質・大雑把な性格を改善するには?

「神経質な人」と「大雑把な人」の性格の個人差は、脳の扁桃体や前頭前野の働きに違いがあることと、根本的には遺伝によってセロトニン・トランスポーターの働きに個人差があること原因でした。

もしも、神経質な性格が嫌いでなんとか改善したいと思う人は、脳の扁桃体と前頭前野の働きを改善したり、神経伝達物質のセロトニンの分泌量を増やす努力をすることで性格を改善させることができます。

また、大雑把な性格をなんとかしたい場合は、自分にとってストレスが強い環境に身を置くことで、鈍感で無神経な性格を改善させることに繋がる可能性があるので試してみましょう。

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