レジリエンスを高めるスキル「自分をABC分析する」 – ポジティブ心理学テクニック

2020-06-09ポジティブ心理学

レジリエンス(逆境力)を高めるスキル「自分をABC分析する」について解説します。

「なぜか混乱して上手に問題解決できない」「繰り返し調子が狂う」「感情的になる理由がわからない」など、できごとに対する自分の反応の原因を理解するのに役立ちます。

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「自分をABC分析する」とは

ABC分析とは、自分の経験をA、B-Cでへと分けて説明するというレジリエンス高める自己発見スキルの1つです。

私たちの感情や行動はできごとそのものから生じるのではなく、できごとに対する私たちの解釈の仕方によって生じています。

このABC分析は、あるできごとに対する自分の考えや反応と、そのできごとの事実とを区別して思考を吟味することで、自分の非生産的な思考を変える手助けをしてくれます。

そのため、ABC分析は次のような場面で使用してみましょう。

  • 逆境に対する自分の反応について混乱が生じたとき。
  • 自分の反応がいつも非生産的であるとき。

では、ABC分析の各要素であるA、B、Cについての説明します。

A:逆境、危機的状況、困難なできごと

私たちは日々、あらゆる状況に対して適切に、生産的に対応することができます。

しかし、一部うまく対応できない危機的状況、困難なできごとがあり、イライラや悲しい思い、罪悪感、恥ずかしさを強く感じてしまいます。

ABC分析の第一歩であるAは、そんな自分にとっての逆境や危機的状況、困難なできごとを特定することです。

逆境の種類には、それに続いて起きるネガティブ感情や行動の程度によって異なり、個人差があります。

「ある人にとっては良いことでも、自分にとっては逆境になる」ので、自分自身で特定しなければいけません。

逆境の特定の仕方は自由です。

日々の感情や行動のリストを作って自己評価したり、過去の困難なできごとを思い出したりしてみましょう。

B:ティッカーテープ思考、思い込み

自分のA(逆境)を見つけたら、次はB(思い込み、思考)に集中します。

この時に注意しなければいけないのが、ティッカーテープ思考です。

ティッカーテープ思考とは、あなたの頭の中をさっとよぎる思考のことで、ときに意識外で起きます。

このティッカーテープ思考によって、私たちは感情や行動が「状況に対処する能力を促進する」か、または「挫折する原因として作用する」か、逆境に反応しての感情や行動に直接的に影響を与えています。

つまり、逆境の瞬間に考えたティッカーテープ思考にあなたが気づけないと、感情や行動の原因を見つけられないということです。

例えば、嫌なことに「もっ!!!」と叫んだ後のイライラや心のモヤモヤは、心の資源を浪費するだけなので、それを「なんなんのあの態度は!何様だと思っているのか…」などと、自分の声に翻訳して問題の原因に対処できません。

【あなたのティッカーテープ思考を知る方法】言葉にならない感情を顕在化!ティッカーテープ思考への理解を深める方法

C:結果、感情と行動

ABC分析の目標は、自分のティッカーテープ思考に対して反射的な行動をとるのではなく、むしろ感情や行動を生産的なものにして、状況に適切に反応できるようにすることです。

ABC分析のCとは、A(自分を刺激する逆境)とB(逆境に直面したときに自分の頭の中を駆け巡る思い込み、思考)において生じるC(結果)で、A-BによってCの感情の質や強度を形づくり、行動に影響されます。

感情と行動は、成功や人間関係、健康面など上手くいくために欠かせない要素です。

なので、挫折や試練、新しい経験に対する自分の感情と行動についても考えてみましょう。

B-Cの組み合わせのパターンを知る

逆境による反射(感情や行動)は、それに対する自分の思考が決定します。

なので、物事の考え方は個人で違うので、逆境に対する感情と行動にも違いがあるように感じますが、実はそうでもありません。

B(思考)-C(結果)の組み合わせのパターンは普遍的なものであり、各思考に対して、どの感情や行動が伴うか予測することができます。

つまり、このB-Cの組み合わせを知っていれば、問題点を早く特定して逆境に対処することができます。

そのB-Cのつながりの組み合わせ表がコレです。

B(思考)C(感情と行動)
自分に対する権利の侵害怒り
現実世界の喪失、または自尊心の喪失悲しみ、落ち込み
他人に対する権利の侵害罪悪感
未来の脅威不安、恐れ
他人とのネガティブな比較困惑

【B-Cのつながりを詳しく知る】思考が感情と行動を決める!5つのネガティブ感情と思考のつながり

自分のABC分析の使い方

それではABC分析を実際に活用してみましょう。

ABC分析中は、頭の中で思考することもできますが、紙に書くか口にしてみましょう。

最初のステップ1は「A(逆境、できごと)」を説明します。

「あなたが最近、うまく対処できなかった逆境」について考えてみましょう。

状況については自分の思考や解釈ではなく、ただ「誰が」「何を」「いつ」「どこで」について焦点を絞って、起きた事実のみを書きます。

次にステップ2は「C(結果、感情や行動)」を説明します。

A(逆境、できごと)に対して自分が感じたことや自分がやってしまった行動について考えて、書いてみましょう。

ちなみに、AからCに飛び、Bを省略する理由は、大抵の場合、現実世界では経験に対してBの思考が省略されるが、Cの自分の感情や反応には気づくからです。

さらに先述したようにB-Cの組み合わせは決まっているので、先にCの感情を特定できればBの思考も特定しやすくなります。

最後ステップ3は「B(ティッカーテープ思考、思い込み)」を説明します。

A-Cを書きたら最後にAとCをつなげるB(思考)について書きましょう。

注意点は、実際に考えた思考を特定することが目標なので、自分に嘘をつかないことです。

実際の思考ではなく、あなたがもっと好ましいと考える思考へと変換して考えてはいけません。

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