日常的なイライラに注意!怒りの感情でリスクが高まる病気【感情心理学】
映画やドラマで「ある出来事に怒った人物が、その直後に胸を押さえて倒れる」というシーンを観たことありますか?
もしあなたが怒りっぽい性格で、日常的にイライラしているなら、同じような大変なことに。
怒ると起きる血流の変化
私たちは怒りを感じている状態を「頭に血がのぼる」「体が硬くなる」「拳を握る」といった言葉で表現することがあります。
実際にこの表現は正しく、私たちの身体の変化を言い当ててます。
上の画像は感情による血流の変化を表しています。
怒りの感情では、下半身に血流の変化はなく、上半身が赤や黄色になって血流が多いことがわかります。
そして、上半身の中でも頭、手、心臓あたりの反応が特に強くなっていますが、特に怒りの感情は敵を攻撃するために使われるからです。
仕組み的には、脳の扁桃体(感情を読み取る働きがある脳の部位)が怒りを検知すると、ノンアドレナリンやアドレナリンが分泌されます。
このストレスホルモンの働きで血圧が上昇、心拍数や呼吸数が早くなり、活動的な状態に身体が変化します。
さらに脂肪から放出されるエネルギーと酸素を送るために筋肉への血流を増大させて、筋肉が素早く動くように準備します。
怒りで心臓病のリスクが増大する!
人が怒ると血圧上昇、心拍数や呼吸が早くなり、頭や手、心臓に血流が増大することがわかりました。
そのため、日常的にイライラ怒りやすい人ほど、心臓や血管に負担が増えています。
怒りが原因で心臓のポンプ機能の低下する
スタンフォード大学医学部は、心臓病を初めて患った患者を対象に怒りが心臓機能に及ぼす影響を調べる研究を行いました。
この研究によると、怒りを感じたとき患者の心臓のポンプ機能が低下し、心筋への血液循環量が危険なレベルになることがわかりました
また、その現象は怒り以外の不快感情や運動時には起きませんでした。
前述したように、怒りでの血流の変化で心拍数、呼吸数が増加すると書きました。
その理由は、この心臓のポンプ機能の低下するためです。
心臓のポンプ機能の低下で血液の循環が上手くできず、酸素が十分に行き渡らないため、それを補うバックアップとして、血液循環のために心拍数が増加させ、酸素を多く取り込むために呼吸数が増加させます。
さらに脳の酸素不足で意識や気力の低下、めまいや立ちくらみといった症状やポンプ機能のバックアップの代償として動悸、息切れなの症状が出てきます。
そのほか、血行不良によりむくみ、筋肉疲労、筋肉痛がひどくなったり、全身に倦怠感がでます。
心臓疾患のリスクを高める怒りの感情と合わさると危険な要素
1980年から行われる、さまざまな統計調査によると怒りっぽい人は、心筋梗塞や脳梗塞など、心血管障害の発作を起こしやすいと言われています。
ただ、これはあくまで統計データの数字であって、怒りっぽい人全員が必ずそうなるわけではありません。
しかし、怒りっぽさと心臓疾患のリスクを高め、動脈硬化も引き起こす危険因子である高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満などの要素が合わさると発作を起こす可能性が非常に高くなります。
さらに、慢性的な怒りと敵意は心臓疾患の独立して危険因子となります。
デューク大学が行なった敵意に関する研究では、敵意が強い学生と弱い学生が55歳になった時の死亡率を比較しました。
すると、敵意の強い人は弱い人に比べて死亡率が7倍にもなることがわかりました。
これは怒りっぽい性格で怒りが慢性化している人は、心臓のポンプ機能の低下といった身体変化する機会も多くなり、心臓や血管に大きなダメージが残るからです。
そのため、心臓疾患のリスクを下げるには、怒りをコントロールする方法を学ぶことです。
心臓疾患を患った人は、身体のケアだけでなく怒りをコントロールするトレーニングをすることで、2回目の発作を起こす確率が44%低下したというデータもあります。
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