目標達成や勉強のモチベーションアップ!「ツァイガルニク効果」とは
目標達成や勉強など、何かしら自分にとって重要なことを実行するときに役立つのが「ツァイガルニク効果」という心理現象です。
このツァイガルニク効果を上手に活用すれば、無意識的に目標や勉強など重要事項の優先度が高まり(モチベーションアップ)、長期的に記憶力も高まります。
心理学的に証明されている「ツァイガルニク効果」について紹介します。
ツァイガルニク効果とは
ツァイガルニク効果とは、人は達成した事柄よりも達成できなかった事柄、中断している事柄の方をよく覚えているという現象のこと。
ベルリン大学の心理学者のクルト・レヴィンとリトアニア出身の心理学者のブルーマ・ツァイガルニクの研究によって発見された。
この研究の出発点は、あるカフェのウエイターの行動からでした。
ウエイターはお客の会計が済むまで、受けた注文を書きとめずに頭の中にとどめ、さらに追加注文があってもすべて頭の中に加えていました。
そして、会計後に勘定書に含まれる商品は何だったかとウエイターに尋ねても、注文の内容は忘れており、何一つ思い出せませんでした。
ウエイターは少なくとも30分は注文を覚えており、短期記憶ではないことがわかっていたレヴィンとツァイガルニクは、次のような仮説を考えました。
完了していない仕事や目標は、完了したものよりも長く記憶に残るのではないかと。
ツァイガルニク効果の実験
ツァイガルニク効果の実験では、学生、教師、子どもを164人集め、各自に割り当てた18〜22の作業をできるだけ早く正確に完了させるように指示をしました。
どの作業も3〜5分で完了できますが、ツァイガルニクは定期的に作業の邪魔をして手を止めさせて、別の仕事を与えました。
被験者の中には途中の邪魔で作業を完了させられなかった者もいれば、一切邪魔されずに完了させた者もいるなか、実験終了後に割り当てた作業を思い出せるだけ紙にリストアップしてもらいました。
その結果、平均してちゃんと完了させた作業よりも邪魔で完了できなかった作業の方を90%多く覚えていました。
しかもリストの上位には邪魔で完了できなかった作業が占めていました。
その後も実験を続けると邪魔が記憶に及ぼす効果は、相手が作業に没頭しているときを見計らって邪魔をすればさらに高まることを突き止めました。
そして、相手にとって最悪のタイミング(作業の完了目前など)に邪魔をすると記憶にとどまる長さが最大でした。
ツァイガルニク効果を目標の関係
ツァイガルニク効果は、目標や目標形成の土台となっており、目標達成のために活用します。
ただ目標と聞くと自分の夢の実現だと思いがちですが、心理学的には「まだ実現していないが、保有または達成したいことすべて」を意味し、試験合格も、服を着ること望んでいることなら目標となります。
またツァイガルニクの研究により、脳には目標に関する2つのバイアス(本能)が備わっています。
1つは、割り当てられた作業に着手すると、たとえ意味のない作業でも心理的に目標と感じること。
もう1つは、作業に没頭しているときに邪魔が入ると、その作業が記憶にとどまる期間が長くなり、しかもその作業は脳内リストの上位に押し上げられます。
なので何かしら目標を達成したい場合は、敢えて自ら邪魔をいれることで長期的な目標を成し遂げられる理想の状態に自らもっていけます。
ツァイガルニク効果を目標達成に活用する
心理学の実験では、「人は喉が乾いていると水に関係する物事への知覚が高まる」ことがわかっています。
これは目標設定して達成することでも同じです。
イェール大学の心理学者ジョン・バーによると「目標の達成に向けて行動を起こすと、それが最優先事項となり、知覚、思考、言動が突き動かされる」と語っています。
そして、目標達成を効率的に実行するには、ツァイガルニク効果を活用して重要で難しいことをやっている瞬間に邪魔を入れることです。
そうすれば特に創造性を必要する人たちにとっては、素晴らしいアイデアやひらめきといった恩恵が得られやすくなります。
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