仮想通貨のイーサリアム(Ethereum・ETH)の特徴と将来性
イーサリアムはビットコイン2.0と言われ、ブロックチェーン技術を応用して、通貨以外の役割や機能を持つ次世代の仮想通貨です。
そのため、2018年以降イーサリアムの価格が上昇すると予想されています。イーサリアムがどんな仮想通貨か知らない人は、この機会に詳しく理解しておきましょう。
イーサリアム(Ethereum・ETH)とは
イーサリアムは2013年に、当時19歳のロシア人のVitalik Buterinさんによって作り出されたものです。
イーサリアムという名前は仮想通貨の名前ではなく、イーサリアムプロジェクトというアプリケーションやプラットフォームの名称、及び関連するプロジェクトの総称です。
イーサリアムのコアプログラムは、スイスを本拠地としているイーサリアム財団(ETH DEV)で開発されており、イーサリアムのプラットフォームを使うことで、誰でも自由に分散型アプリケーションを作ることができます。
イーサリアムの概要は次の通りです。
- 運営 :スイス本拠地のイーサリアム財団(ETH DEV)
- 開発者:Vitalik Buterin
- 名称:イーサリアムプロジェクト(Ethereum)
- 通貨単位:イーサ(ETH)
- 取引開始:2015年7月30日
- 発行上限:なし(初期発行:7,200万ETH)
- 時価総額:5兆円(第2位)
- ブロック作成時間:5秒〜20秒 ちなみにビットコインは10分以上
イーサリアム(Ethereum)の特徴
ビットコインは通貨として使われていますが、イーサリアム(Ethereum)はブロックチェーン技術を応用して新しい役割や機能を持っており「ビットコイン2.0」と言われます。
その新しい役割と機能を持つイーサリアムの特徴は、イーサリアムが「分散型アプリケーション」が作れることと、「スマートコントラクト」という技術を使用していることです。
では、イーサリアムの分散型アプリケーションとスマートコントラクトとはどういうものか紹介していきます。
分散型アプリケーションとは
ビットコインと同じような仮想通貨と思われるイーサリアム(Ethereum)ですが、ビットコインは決済システムであるのに対して、イーサリアム(Ethereum)はアプリケーション作成のプラットフォームです。
なぜアプリケーションが仮想通貨と結びつくのかというと、イーサリアムのブロックチェーン技術は様々なアプリケーションに対応できるように作られており、そのアプリケーションを動かすために仮想通貨が必要なのです。
そのため、イーサリアムで使う仮想通貨の単位は「イーサ(ETH)」ですが、アプリケーションを稼働させる燃料でもあるので、「ガス」とも言われています。
そして、イーサリアムを使ったアプリケーションが増えれば、それだけ燃料(ガス)が必要になるため、イーサ(ETH)の価格も上昇するようになります。
スマートコントラクトとは
スマートコントラクトの構想は仮想通貨よりも古く、1990年にNick Szaboという学者によって提唱され、イーサリアムのアプリケーションはこのスマートコントラクトをブロックチェーンに実装したものです。
スマートコントラクトとは「自動的に契約を実行するプログラム」のことで、契約の条件確認や履行を自動化してしまうものです。
イーサリアムは、このスマートコントラクトとブロックチェーンを使い、契約の自動化と契約内容の改ざんを防止しています。
ここでのコントラクト(契約)とは、書類を記入してハンコを押すみたいなものだけでなく、自動販売機で飲み物を買う時「お金を入れてボタンを押す」だけで飲み物が手に入るという取引行動も入ります。
例えば、販売者があらかじめ「お金が支払われたら商品やサービスを提供する」というプログラム(契約条件)が組んで、購入者が契約実行の条件である「お金を払う」を満たしたら、商品やサービスが自動的に提供されるというものです。
私たちの身の回りでは、不動産や銀行が利用者から仲介料や手数料を得ていますが、イーサリアムが広がると、このような中抜きで利益を得ている業者はなくなると考えられます。
イーサリアム(Ethereum)のバージョンアップ
イーサリアムは4段階のバージョンアップ計画が発表されており、開発が進められています。
その4段階のバージョンアップ計画は次の通りです。
- Frontier(フロンティア)
- Homestead(ホームステッド)
- Metropolis(メトロポリス):Byzantium(ビザンティウム)とConstantinople (コンスタンティノープル)の2段階のバージョンアップ
- Serenity(セレニティ)
では、イーサリアムの各バージョンアップの特徴について紹介します。
▼Frontier(フロンティア)
フロンティアは2015年7月に行われました。フロンティアではイーサリアムのバグや問題点などを見つけて修正するためのβ版リリースで、イーサリアムの試験運転の段階です。
▼Homestead(ホームステッド)
ホームステッドは2016年3月にバージョンアップされました。
ホームステッドではマイニングの難易度調整がされており、ブロックの作成速度が5~20秒になり取引承認スピードが向上したため使い勝手がよくなりました。
このホームステッドにより、イーサリアムを使用するユーザーが増加して、大幅な価格上昇を起こしています。
▼Metropolis(メトロポリス)
メトロポリスはバージョンアップが複雑なためByzantium(ビザンティウム)とConstantinople (コンスタンティノープル)の2段階に分けて実施されます。
2017年10月に実施されたのがByzantium(ビザンティウム)では、次の3つのことが行われています。
- イーサリアムの匿名性を高める
- マイニング報酬の調整
- マイニング方法をPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)への移行準備。
2段階目のConstantinople (コンスタンティノープル)は、2018年内に予定されています。
▼Serenity(セレニティ)
セレニティは最後のバージョンアップで、セキュリティ面の強化とPoWからPoSへの移行完了する予定らしいですが、詳細は発表されていません。
イーサリアムの拡張する「プラズマ」「ライデンネットワーク」とは
イーサリアムには「プラズマ」と「ライデンネットワーク」というオフチェーンネットワークを利用してイーサリアムを拡張するプロジェクトがあります。
オフチェーンとは、本来ブロックチェーン上で行う送金や取引をブロックチェーン外で行うもので、ブロック作成しないため少額決済などをコストを安く、高速で行うことができます。
ライデンネットワークの処理速度は100万回/秒と言われ、銀行の国際送金で使われる予定で高速な仮想通貨として知られるリップルを遥かに超える速さです。
このイーサリアムを拡張する「プラズマ」や「ライデンネットワーク」の完成はまだまだ先の話ですが、実装されるとイーサリアムが最強の仮想通貨になるのではないかと私は思います。
【関連】銀行利用で人気の仮想通貨リップル(Ripple)の特徴や将来性
イーサリアムのセキュリティ問題(THE DAO事件)
THE DAOとは、イーサリアムを利用した自立型分散投資プロジェクトのことで、この計画は「非中央集権的な投資ファンド」を目指していました。
非中央集権的な投資ファンド計画なので投資先を決めるとき、ファンドマネージャーではなく、THE DAOに投資した投資家の賛成で決定します。
しかし、ハッカーによってTHE DAOの開発コードの脆弱性を突かれて、43億円相当のETHが不正送金されて盗まれそうになりました。
これをTHE DAO事件と言われており、ハードフォーク(新仕様を採用しそれまでの旧仕様は無視をする方法)によって、イーサリアム上の取引履歴をハッカーの不正送金前に戻すことで対処しました。
ただ、イーサリアムの非中央集権的な部分にこだわった一部のイーサリアムコミュニティ勢力が、ハードフォークを拒否したため「イーサリアムクラシック」が生まれました。
ネットワークを使用しているため、どんな仮想通貨にもセキュリティ問題は付きものです。これは仮想通貨以外のシステムも同様です。
前述したとおり、イーサリアムのバージョンアップによってセキュリティ強化されるため、このような不正送金されるリスクは下がると私は思います。
イーサリアム(ETH)が買える仮想通貨の取引所
イーサリアム(ETH)は人気の仮想通貨なので、国内のどの取引所でも買うことができるため、基本的に国内の取引所はなんでもいいです。
日本で人気の取引所はだいたい次の3つの取引所で、選ぶ基準は取り扱っている仮想通貨の種類や手数料、あと取引所のセキュリティを考慮して考えるといいでしょう。
個人的には取引所の口座開設は無料なので、いろんな仮想通貨を取引できる柔軟な取引ができるように私は3つの取引所すべての口座開設しています。
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