社会性とコミュニケーション力を高めて物怖じしない子供の育て方
多くの企業が新卒採用で特に重視した点は「コミュニケーション能力」ですが、個人の生涯にわたっての幸せについても社会性やコミュニケーション能力は強く影響を与えます。
14歳を過ぎると他の能力と同様に社会性やコミュニケーション能力の獲得は難しく、精神的なストレスがかかり大変な努力が必要で、大人になってからも人間関係に悩む人が多く、心を閉ざしてしまう人もいます。
アドラー心理学の「嫌われる勇気」がベストセラーになったことも対人関係に悩んでいる人が多い証拠です。
そのため、幼い頃から社会性やコミュニケーション能力を高める子育てを親が意識的に行うことは重大な意味を持ちます。
そこで今回は子供が社会で物怖じしないように社会性やコミュニケーション能力を高める子育て方法について紹介していきます。
大人と触れ合う機会を増やし子供の社会性を育てる
家業が接客業をしている家庭で育った子供は、親の仕事場で家業を手伝ったりするおかげか、社会性やコミュニケーション能力が高い子供が多いように感じます。
これは店のお客さんはもちろん、従業員であるパートやアルバイト、社員と出会って接する機会も多くあり、その中でいろんなタイプの人間や世代の人たちとコミュニケーションを取るためです。
しかし、普通の子供が深く接する大人は学校の先生と親・親戚ぐらいなので、いろんなタイプの人に物怖じしない社会性やコミュニケーション能力を子供に身につけさせるのに苦労します。
そのため、親が意識して先生や親以外の大人と子供が触れ合う機会を増やして、大人と子供が会話をする場を設けて社会性やコミュニケーション能力を高めることが重要です。
例えば、海外ではホームパーティを頻繁に開いて大人と子供が触れ合う機会があり、これに習って以下のことを実行してみましょう。
- 家に友人や知人の家族を招く。
- 友人家族と自分の家族と一緒に出かける
- 祖父母と一緒に暮らしたり、祖父母の家の近くに住む。
- 地域の行事に参加する。
- 習い事をさせる。
また、人間関係は軽いいざこざやトラブルが付き物なので、親以外の大人がどんな問題解決をしているか学ぶ機会も生まれ、良い意味でも悪い意味でも子供のお手本となります。
友達と気軽に遊べる環境を選ぶ
私の実家は地域に住む人が少ない山奥にあり、同級生の友人と遊ぶためには1時間以上かけて下山しないといけない環境で育ちました。
そんな環境だったので同級生と遊ぶことが少なく、子供時代はテレビを見たり、一人でゲームをしたり、絵を描いて過ごす時間がほとんどでした。
学校の友達との仲が特別悪いわけではありませんでしたが一緒に遊んだ経験が少ないため、友達同士の遊びのエピソードトークなどについていけないずに、同級生と上手くコミュニケーションが取れないと感じたことが多かったです。
今ではスマホなどを使って同級生と頻繁にコミュニケーションを取れますが、やはりお互い面と向かって遊ぶ時間がある方が一番友達と深い関係性を築けやすいです。
(※面と向かうことでオキシトシンが分泌されて友人との信頼が高まる)
なので、子供の社会性やコミュニケーション能力を高めるには、友達の家が近くにあって頻繁に遊べたり、お互いの家を行き来できるような、子供同士で気軽に遊べる環境に住むことが大事です。
「ありがとう」と感謝できる子供に育てる
大人でも他人からやってもらったことに対して、素直に「ありがとうございます」と感謝を伝えられない人の方が多いです。
人間には他人から好かれたい・認められたいと思う承認欲求(自尊欲求)があるので、やはり他人に「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えられない人は周りから信頼されませんし、下手をしたら嫌われてしまいます。
特に男性は感謝の気持ちがあっても言葉で表すことが苦手で、相手にちゃんと感謝を伝えないことがあるため、徹底的にしつける必要があります。
そうしなければ、子供は他人から愛され ず、結婚後にお嫁さんに「ありがとう」と伝えないことで夫婦関係が壊れる原因にもなっています。
子供が「ありがとう」と他人に感謝できるように育て方は、子供に感謝するように強制しても意味がないのため、親自身が手本となって意識的に他人に感謝して子供の良い手本となることです。
家族会議を開いて親子で議論する
昔ほどではないにしても、日本では謙虚で控えめな姿勢が美徳と思う傾向があり、今でも「自分よりも他人に譲る」という譲り合いの精神が大事だと考える人も多いです。
確かに譲り合いの精神は大事ですが、自分にとって大事なこと・譲れないものに関しては主張するべきです。
しかし、自己主張するにしても慣れていないと他人を傷つける言動によって言い争いのようになってしまうため、正しい議論の方法を訓練する必要があります。
子供が自己主張できる訓練方法は、相手の話を聞く姿勢や自分の意見を論理的かつ簡潔に話すなど、ルールのもとに自己主張する訓練が大事です。
なので、例えば家族会議を開いて家族の問題に対して議論する方法があります。
そして、家族会議で守らなければいけないルールとして、「フィンランドの5年生がまとめた議論のルール」が参考になります。
- 他人の発言をさえぎらない
- 話すときは、だらだらとしゃべらない
- 話すときに、怒ったり泣いたりしない
- わからないことがあったら、すぐに質問する
- 話を聞くときは、話している人の目を見る
- 話を聞くときは、他のことをしない
- 最後まで、きちんと話を聞く
- 議論が台無しになるようなことを言わない
- どのような意見であっても、間違いと決めつけない
- 議論が終わったら、議論の内容の話はしない
このようなルールを守って日常会話や会議に参加できるように訓練すれば、相手の意見や価値観を尊重しながら、自分の主張ができる社会性がある子供に育てることが出来ます。
また、親子の会話の時間を作りじっくり子供と会話することも大事です。
バラエティ番組を観せるとコミュ力が高まる
意外かもしれませんが、バラエティ番組を見ることも子供の社会性やコミュニケーション能力を育てるのに一役買ってくれます。
脳機能から導かれた知能を「HQ(人間性知能)」といい、HQを代表する知能に「gF(一般知能)」というものがあります。
「gF」知能指数が高い個人は、実社会で成功者となりやすく年収も多い、社会性が高く(結婚も良好で離婚しない)、病気にかかりにくく、長生きすることがわかっています。
研究ではテレビをよく見る幼児ほど「一般知能gF」が高いという結果が出ており、テレビ番組の中でもバラエティ番組は「一般知能gF」を高める効果があると証明されています。
理由としては、バラエティ番組には人の社会行動(社会性がある行動)が豊富に含まれており、多種多様な社会行動を視聴することで学び、一般知能gFが高められるのではないかと推測されます。
また、テレビ番組の種類によって影響が異なり、調査では「バラエティ番組<教育番組<アニメ」の順にブラス影響が強く、「ワイドショー・ニュース・ドラマ」はマイナス影響を与えます。
思いやりがある子育て方法も知ろう!!
良好な人間関係を継続するには、やはり思いやりを持って他人に接しなければいけません。
「自分さえ良ければいい」「他人はどうでもいい」という考えでは、誰にも助けて貰えませんし、友人や恋人に愛想をつかされてしまいます。
そのため、他人にも自分にも思いやりのある子供に育てる必要があります。
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