自主的に学ぶ教育のヒント!好奇心が生まれるメカニズム

2017-11-07教育・習い事,CQ(好奇心)

好奇心旺盛な子供や大人は自主的に学ぶようになるので、好奇心を育てる子育て方法や教育が注目されています。

しかし、好奇心を育てようとしても「どうすれば好奇心が生まれるのか?」と、その仕組みを理解していなければ、そもそも子育てや教育はできません。

そこで好奇心がどうすれば生まれるのか、そのメカニズムについて紹介していきます。

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「全く知らないこと」と「すでに知っていること」には好奇心を刺激されない

好奇心は何も知らない事柄に対して湧き出す心理だと思う人もいますが、それは間違った認識です。

なぜなら、見たことも聞いたこともない全く知らない事柄に興味や関心を持つということはありえないからため、人は全く知らないことに対して好奇心を抱きません。

例えば、旅行するための場所を決めるときに、知人から話を聞いたり、画像や動画で景色や雰囲気を知らない状態だと、行ってみたいとは絶対になることはなく、旅先の候補にすら上がらないといったことです。

逆にすでに知っていくことを学ぼうとしたり、日常的に見慣れた景色や雰囲気に新鮮な興味や関心を向けることはありません。

つまり、自分がその事柄を知り尽くしている自負がある場合も好奇心を抱くことはありません。

「少しだけ知っていること」に好奇心を抱く

人は「全く知らないこと」と「すでに知っていること」に対して好奇心を抱かないということは、その中間に好奇心は生まれることになります。

これを言い換えると、人は「少しだけ知っていること」に好奇心を抱くということです。

例えば、先ほどの旅行の旅先を決める時、まったく知らない場所は旅先の候補にならず、逆に何度も旅行して住んでる場所や地元のように知り尽くしている場所には、好奇心を抱くよりは安心感を求めて行きます。

しかし、まったく知らない場所のことを知人から「面白く楽しい場所」と聞いたり、テレビの旅番組で綺麗な景色や美味しそうな食べ物が紹介されたならどうでしょう?

おそらく知人の話や景色、美味しい食べ物、レジャーなど、その場所のことを知れば知るほど好奇心が高まり、旅行してみたいと強く思うようになった経験を持つ人は多いのではないでしょうか。

つまり、子供や大人で自分には好奇心がないと思っている人は、単にその事柄に対する基礎的な知識に欠けていることが原因で好奇心が抱かないだけかもしれません。

無知を自覚すると好奇心が生まれる

カーネギー・メロン大学の心理学者で行動経済学者のジョージ・ローウェンスタインによると、「無知を自覚することで好奇心が生まれ、知りたいという欲求に発展する」と言っています。

私たちが何かしらの知識を知りたい時、ネットや本を手にとって新しい情報を得ますが、これにより私たちは自分が知らないことがまだまだあることに気づきます。

このように自分の無知を自覚することは、自分がすでに保有する情報と新しい情報の間に「情報の空白」があることで理解し、私たちはこの情報の空白を埋めるために好奇心を働かせています。

ローウェンスタインによると好奇心は「情報の空白」に対する反応であり、「知りたいこと」と「すでに知っていること」とのあいだの空白に好奇心が生まれると言っています。

そのため、子育てや教育で好奇心を育てたい場合、相手が知りたいことの無知を自覚させることで、好奇心を生み出すことができます。

好奇心は知識に連動して高まる性質がある

心理学者のダニエル・バーラインの実験によると、被験者に動物に関する質問をして、それぞれの質問の答えをどのくらい知りたいかを被験者に聞きました。

その結果、被験者はよく知らない動物ではなく、もともと知識のある動物にもっとも関心が高いことが分かりました。

また、心理学者で行動経済学者のジョージ・ローウェンスタインの実験では、被験者はアメリカの州のうち3つの州都を知っていると「自分には知識がある」と考える傾向がみられました。

しかし、被験者が47の州都を知っている場合、3つの州都を「知らないと考えて」残りの3つを「知りたいと思い実際に知る努力をする」ようになります。

つまり、好奇心は知識と連動しており、ある事柄を知れば知るほど「情報の空白」が気になって好奇心が強くなる性質を持っています。

好奇心の強さは情報の価値で変わる

私たちの身の回りにはたくさんの情報が溢れていますが、人それぞれに趣味嗜好や状況に違いがあるため、同じ情報でも同等の価値はありません。

新しい情報を得てもすでに知っている情報の上乗せよりも、ある問題解決するためのカギとなる情報の方が興味・関心が高くなります。

ローウェンスタインの実験では、被験者をコンピュータ画面の前に座らせてモニターには9×5の格子状に並べた45個の四角形のマスを表示します。

そして、被験者がマスをそれぞれクリックすると隠れた絵が表示されるのですが、絵の表示設定には2つのパターンがあります。

  1. クリックしたマスによって異なる動物が表示される。
  2. クリックしたマスに動物の一部分だけが表示され、全てのマスをクリックすると画面全体に一匹の動物が表示される。

1の表示方法では、被験者はいろいろな動物がマスに隠されていることに気づくとクリックすることをすぐに止めてしまいます。

対して2の表示方法では、隠された動物の全体が知りたくなってクリックを続ける傾向が格段に高くなりました。

つまり、欠けている情報が何らかの洞察を与えてくれる可能性によって好奇心は影響を受けており、ある事柄に対する情報の価値の高さは好奇心の強くします。

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