ワーキングメモリにとって良い食習慣とは?

2019-04-19ワーキングメモリ

正常にワーキングメモリを働かせて思考力や集中力、記憶力などを高めたいなら、脳に良い栄養素を含む食べ物を食べることが大事です。

また、食べ物だけでなくあなたの食習慣によってもワーキングメモリが向上したり、逆に悪影響で衰えてしまうことがあるので注意しましょう。

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カロリー制限や断食をする

食でワーキングメモリに影響するのは、食べ物の種類だけでなく食べる量も影響します。

多くの研究では過食による肥満は、記憶障害、認知機能やワーキングメモリの衰えの一因となり、逆に少食は健康に良い影響を与えることが分かっています。

なので、カロリー制限(節食)や断食をするとワーキングメモリに良い効果があります。

  • カロリー制限(節食):充分な栄養を得ながらカロリーの摂取量を減らす
  • ときどき断食をする:水しか摂取しない断食の時期と食べる時期を交互に持つ

動物実験ではハツカネズミとアカゲザルにカロリー制限食を与えると、無制限に食べていた仲間よりも認知課題でよりよい結果を出します。

ジョンズ・ホプキンス大学のマーク・マットソンによると、少食は脳の神経細胞に穏やかなストレス反応を引き起こし、脳由来神経栄養因子(BDNF)の放出されるからだろうと考えています。

これを裏付ける研究もあり、BDNFは神経細胞の保護と成長促進する栄養因子なので、このBDNFの量が減るとワーキングメモリが衰える要因となることが分かっています。

さらに記憶障害の脳疾患にかかるリスク要因を与えた若いラットと高齢のラットに、1日おきにしか餌を与えない断食ダイエットをさせて、定期的にワーキングメモリの課題を与えました。

すると食べ放題のラットは認知機能に衰えが見られたが、断食をした若いラットと高齢ラットにはワーキングメモリの衰えや記憶力の低下が見られませんでした。

では、動物ではなく人間ではどうでしょうか?

ドイツのミュンスター大学のアグネス・フロエル博士は、普通から太り過ぎの体重の中年男女50人に、3ヶ月間に特定の食事をさせて食事期間の前後に記憶力を評価しました。

特定の食事とは「摂取カロリーを制限した食事(栄養バランスをとりながら通常よりも30%減らした食事)」「脳に良い不飽和脂肪酸をたくさん摂取する食事」「通常の食事」です。

すると3ヶ月の食事期間の終了後の記憶テストで、摂取カロリーを制限した人たちだけが、成績が平均20%向上しました。

料理やアロマオイルに「ローズマリー」や「ペパーミント」を使う

料理やアロマテラピーのエッセンシャルオイルで、ローズマリーやペパーミントを使うことがあります。

このローズマリーやペパーミントを料理やアロマオイルの香りはワーキングメモリに良い効果があることが分かっています。

イギリスの心理学者マーク・モスの実験では、被験者の成人に知らせずにエッセンシャルオイルのローズマリーを嗅ぐグループ、ラベンダーを嗅ぐグループ、何も嗅がないグループ(対照群)に分けてワーキングメモリ課題を行いました。

すると対照群と比較してローズマリーの香りを嗅いだグループは、ワーキングメモリ課題で高スコアを出しました。

それに対してラベンダーの香りを嗅いだグループは対照群よりもスコアが低い結果が出ました。

また、同様の実験でペパーミントでもワーキングメモリ課題で高スコアがでました。

重要なマルチタスキングをするなら飲酒しない

お酒が好きな人も多いですが、お酒の飲み過ぎやアルコール依存症からみるとワーキングメモリに悪影響を及ぼすことは間違いありません。

問題は適度な飲酒がワーキングメモリに与える影響です。

結論から説明すると、ワーキングメモリのマルチタスキング能力が問われる課題を行うなら飲酒は絶対に控える必要があります。

ミズーリ大学のスコット・ソールツとネルソン・コーワンは、適度な飲酒をたしなみ、薬物乱用やアルコールに起因する犯罪歴がない成人を対象にして、飲酒がワーキングメモリに与える影響を調べました。

調査では被験者にウォッカトニックと偽薬(トニックウォーター)を飲んでもらい、「すべての情報が同時に提示される課題」と「一度にひとつずつ情報が提示される課題」の二種類のワーキングメモリ課題を行いました。

すると、情報がひとつずつ提示される課題では、アルコール摂取によりワーキングメモリが低下し、すべての情報が同時に提示される課題ではアルコールの影響がありませんでした。

これはアルコール摂取が先の見通しを立てる力を弱める影響があり、ワーキングメモリの注意を切り替えておこなうマルチタスキング能力を低下させるからだと考えられています。

なのでお酒は飲んでもいいでしょうが、次々と提示される情報をそのつど蓄積して処理しなければいけないなら飲酒をしてはいけません。

また、適度な飲酒であればワーキングメモリが蝕まれることはないようで、フラボノイドを含む赤ワインはワーキングメモリにも良い。

簡単な課題ならカフェインはOK

豊かな風味があるコーヒーは飲めば頭が冴え、芳香は私たちの気持ちをリラックスさせてくれます。

ただ近年の研究ではカフェインは、場合によってワーキングメモリに悪いことがあります。

研究によると、カフェインはワーキングメモリに負荷をかけています。

これはいつも慣れた仕事や情報に目を通す、資料を少しだけ修正するといった簡単作業ならワーキングメモリにカフェインは有効なことが分かっています。

しかし、重要なプレゼンなどの情報収集や難しい課題をこなす時といったワーキングメモリに重い負荷がかかっているとき、カフェインは不安や緊張、ストレスなどの負荷を増やしてしまうのです。

難しい課題なら糖質はOK

一般的に糖質を摂取することは、あまりよくないことだと考えれているので、糖質を制限している人がいます。

ただ脳はブドウ糖をエネルギーとしているので、あなたが考えれば考えるほど糖質を消費しますし、糖質が不足するとまともに考えることができなくなります。

イギリスの心理学者マイケル・スミスによると、課題が難しい場合に限り人工甘味料ではない糖質が含まれる食べ物を摂取するとワーキングメモリの性能が向上すると報告しています。

そして、逆に簡単な課題の場合は、いくらブドウ糖を摂取してもワーキングメモリは改善しないとのことです。

なので難しい課題をおこなっている時に頭の回転が鈍くなっていきたと感じたらブドウ糖を摂取しましょう。

ただし注意点もあります。

糖質の過剰摂取は健康に毒で、食べ物によっては糖質以外の栄養素も過剰になる点や身体がブドウ糖を消化するのに時間がかかり、摂取後すぐに脳エネルギーとして利用できるとは限りません。

この点も考慮して糖質を摂取する食べ物はちゃんと選んだ方がいいでしょう。

また、作業によってワーキングメモリの性能を向上させたいなら、先ほど説明したように簡単作業ならコーヒーを飲んで、難しい作業なら糖質を摂取するといった使い分けをしてみてはいかがでしょうか。

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