ロジカルシンキングの演繹法と帰納法で間違いやすい6つのポイント

2017-09-30ロジカルシンキング

ロジカルシンキングの論理展開パターンの「演繹法」と「帰納法」で考えるとき、それぞれで間違いやすいポイントがあります。

自分では論理的に考えているつもりでも正しい結論を導けない人は、その演繹法と帰納法の間違いやすいポイントに気づいていない可能性が高いです。

そんな正しい結論が導けない人は、ロジカルシンキングの演繹法と帰納法での間違いやすい6つのポイントを学んで間違いを改善しましょう。

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演繹法も帰納法も情報に間違いがあれば結論も間違う

どんなことを考える場合にも当てはまりますが、途中の考え方が正しくても間違った情報を元に出した答えは間違いです。

また、偶然にも正しい答えを出したとしても、偶然は続くないため一定の成果を出すことはできません。

そのため、ロジカルシンキングの演繹法や帰納法で正確に論理展開したとしても情報が間違っていれば結論も間違いです。

演繹法は前提を間違うと結論も間違う

演繹法では、「起きた事象」と「一般論、法則」の2つの前提を照らし合わせて結論を導きます。

この時、どちらかの前提に間違いがあると論理展開を正確でも結論も間違います。

例えば、夫の浮気を疑う妻は多いですが、次の例では大前提(一般論、法則)と小前提(起きた事象)どちらの情報も間違っている可能性があります。

  • 大前提:男性は浮気をしやすい。
  • 小前提:旦那のYシャツの襟元に赤い染み(口紅?)がついている。
  • 結論:旦那は浮気をしている。

演繹法の小前提の間違いを改善する

小前提では、奥さんが旦那のYシャツの襟元にある赤い染みが実際はソースだとしても、奥さんが女性の口紅だと勘違いして思い込んでしまうと間違った結論なります。

特に旦那に浮気をされる不安を抱えている奥さんの場合は、冷静になれずに旦那の粗探しをするので、起きた事象を捻じ曲げて解釈しやすいので注意が必要です。

このような演繹法の小前提の間違いを改善するには、まず冷静になって観察してから判断することです。

なぜなら、人生や勝負事で負ける最大の要因は自分をコントロールできないことによる「自滅」で、自制心がない人に限って感情や欲求で重要事項を判断して自滅するからです。

演繹法の大前提の間違いを改善する

大前提では、男性は浮気をしやすいことを元に論理展開を進めていますが、正しい大前提だとは言えません。

なぜなら、付き合って一度も浮気をしてない旦那の場合は浮気の可能性が低いですし、経済的に裕福で無い場合はお金が無い旦那は浮気すらできません。

正しく大前提を設定するなら「裕福で衝動的な男性は浮気をしやすい」です。これなら、性格心理学においても正しい浮気をしやすい男性の特徴を捉えています。

演繹法で妥当な結論を導く時は、大前提の一般論や法則が正確なのか調べる必要があり、次のような基準で情報を集めましょう。

  • 複数の媒体から情報を集める。
  • 可能なら実際に見聞きして情報を集める。
  • 専門知識を学ぶ。
  • 人の意見を疑う癖を持つ。
  • 身近な人の意見よりも専門家の意見を信じる。

帰納法は1つでも集めた情報を間違うとアウト

帰納法は「複数の事象」の共通点に着目して考えますが、その事象のどれかが間違っていると結論も間違ってしまいます。

例えば、人間の寿命を調べる時に、亡くなった高齢者の年齢を調べますが、この時に集めた情報が間違っていると次の通りの結論になります。

  • 事象1:人間A、B、Cは80歳で死亡くなった。
  • 事象2:人間Dは80歳で死亡した。(本当は81歳で死亡していた。)
  • 結論:人間は80歳までに死亡する。(間違い)

帰納法では集めた情報に1つでも間違いが含まれていると結論に説得力がなくなるので、正確な情報集めをすることが大事です。

ちなみに世界最高齢の人を調べるとブラジル人男性の131歳だそうで、今回の例では「人間は131歳までに死亡する」という結論が正しいことになります。

演繹法で間違いやすい3つのポイント

演繹法を活用する時に間違いやすいポイントは、「前提が省略されている」「論理の飛躍」「ルールとケースのミスマッチ」があります。

前提が省略されているとミスする

演繹法を使って論理展開する場合、丹念に論理展開していくと長くなるので、自分にとって当たり前だと思っていることを省略して考えることがあります。

演繹法では前提を省略することによってミスが起きやすいので注意しましょう。

例えば、「(アメリカの企業)アップルの株を買おう」と投資家が言った場合に丁寧に論理展開すると次の通りになります。

  • 過去に発売したiPhoneは大人気だった。
  • スマートフォンの需要は高い。
  • iPhoneは売れる。
  • 今度、新しいiPhoneが発売する。
  • iPhoneは売れる。
  • アップルの売上アップしそうだ。
  • 売上がアップすると株価は上がる。
  • アップルの売上アップしそうだ。
  • アップルの株価は上がりそうだ。
  • 値上がりしそうな株を買うべきだ。
  • アップルの株価は上がりそうだ。
  • アップルの株を買おう。

という感じで丁寧に論理展開するとかなり長くなりますが、投資家にとってこのように考えることは当たり前のことなので省略して考えます。

論理の飛躍

論理の飛躍とは、話し手が論理展開の前提を省略し過ぎて、聞き手が論理展開を推測できなくなってしまう状態を指します。

論理の飛躍のパターンには次の2種類あります。

  1. 相手が自分と同じくらいの知識を持っていないことで、聞き手が話についてこれずに疑問を抱かせる。
  2. 省略された論理展開が間違っている場合に、聞き手が話をまったく理解できないこと。

パターン1では、会話で前提を省略してしまうことで、聞き手に話の真意が伝わらずに誤解を招いたり、期待通りの反応が返ってこないことがあります。

逆に自分が聞き手である場合も、前提が省略されると相手の話が理解できないので会話が成り立ちません。

そのため、正しく会話を成立させるには、相手の知識 レベルを考えた上で前提を省略したほうが良いのか、説明を入れながら順を追って会話を進めた方が良いのか判断しないと話が伝わりません。

パターン2では、話の前後でつじつまが合っておらず矛盾したことを話したりすると、相手は話を理解できなくなります。

演繹法の論理の飛躍を改善するには?

演繹法の論理が飛躍しているか検証する場合は「どうして?」「なぜ?」と結論に対して疑問を投げかけると改善できます。

また、結論と前提に矛盾が無いか確かめる時に、結論の後に「なぜなら…だから」をつけて結論と前提の矛盾点を探ることができます。

例えば、次のリストの論理の飛躍を検証する場合は、「なぜiPhoneは売れるのか?、それはスマートフォンの需要は高いし、過去に発売したiPhoneは大人気だったから」となります。

  • 法則:過去に発売したiPhoneは大人気だった。
  • 事象:スマートフォンの需要は高い。
  • 結論:iPhoneは売れる。

また、自分が聞き手であるときは、相手も論理が飛躍するときがあるので、「どうして?」「なぜ?」と疑問を投げかけて、なぜそのような結論を出したのか尋ねるようにしましょう。

ルールとケースのミスマッチ

演繹法は、「一般論や法則、ルール」と「ケース(事象)」を照らし合わせて結論を出すので、ルールが間違っていると結論も間違います。

また、ルールとケース(事象)が自然に結びつくわけではなく、本来結びつかない関係や結びつけてはいけない関係なのに、強引にルールとケースを結びつけてしまうと間違った結果を出します。

例えば、ルールとケースを強引に結びつけて、間違った結論を導いた場合は次の通りです。

  • ルール:裕福で衝動的な男性は浮気をする。
  • ケース:最近旦那の帰りが遅く、家でもすれ違い気味だ。
  • 結論:旦那は浮気をしている。

(※ここでは説明のためにルールとケースの前提に間違いがないことにします。)

ルールとケースに間違いない場合、結論も正しいと考えてしまいますが、これは明らかにルールとケースのミスマッチを起こしています。

なぜなら、ケースの「最近旦那の帰りが遅く、家でもすれ違い気味だ。」と浮気は必ず結びつか無いからです。

もしかしたら旦那は仕事が一時的に忙して家に帰る時間が遅くなってすれ違い気味になっているかもしれず、強引に結論を付けていることが明らかです。

帰納法で間違いやすい2つのポイント

帰納法を活用する場合に間違いやすいポイントは「軽率な一般論化」と「不適切なサンプリング」があります。

軽率な一般論化

帰納法では、複数の事象から共通点を取り出して一般論や法則、ルールなどの結論を導き出す論理展開です。

この帰納法で間違いやすいのが軽率な一般論化をしてしまうことです。

たまたま見聞きした事象や自分が体験した出来事など、目の前で起きていることだけに注目して結論を出し、安易に一般論化してしまう事があります。

また、ステレオタイプで一般的な固定観念や先入観、思い込み、偏見がある人は、専門的な知識に乏しく柔軟な思考ができない人が多いのか、極端な考え方になりやすいです。

なので、自分の価値観に合わないものや自分の考えに不利な情報に目もくれず、自分が好きなものだけに目を向けたり、考えを強める情報だけを集める傾向にあります。

例えば、軽率な一般化の例には次のようなものがあります。

  • 派手な服や髪色にする人はガサツでチャラい。(清楚系女子が清いも間違い。)
  • 他人の一部分だけを見て性格を判断する。
  • 男性は浮気をする。(浮気しない男性もいる。)
  • 占いは当たる!(占い師が成功してないと変だ。)
  • 彼氏が無言で怒っている。(男性は無言が普通だ。)
  • 恋人が以前と比べて態度が変わり愛を感じない。(気のせい。家族や友人でも時間が経てば態度は変わる。)
  • 酒、タバコ、ギャンブル好きはダメ人間。(成功者も好きだろ。)

「人は自分が信じたいものを信じて、見たいものを見る」ので、帰納法の軽率な一般化で間違えないためには、必ずしも自分の考えや見ているものが正しいと思わないことです。

不適切なサンプリング

帰納法では複数の情報を集めて一般論や法則、ルールなどの結論を導きますが、サンプルリング(情報集め)に偏りがあり全体を代表するものでない場合、不適切な結論を導き出してしまいます。

例えば、不適切なサンプリングには次のようなものがあります。

  • 子供の教育についての親の考えを知りたい時に、既婚者だけに意見を聞いてシングルマザーには意見を聞かなかった。
  • 子供の教育について親の考えを知りたい時に、母親だけに意見を聞いて父親には聞かなかった。
  • 教育について考えを知りたい時に、教育者や親だけに意見を聞いて子供には意見を聞かなかった。
  • ある世代の平均所得を調べるのに、高所得な職業の人や高所得者が多い地域だけでアンケートを実施した。
  • 日本のイメージを知るために親日国で調査した。
  • 自社商品の改善点を知りたい時、その商品を買う人だけに意見を聞いて他社商品を買う人に意見を聞かなかったため、好評な意見だけ集まり商品の改善点が見つからなかった。

ロジカルシンキングをチェックしよう!

演繹法と帰納法の間違いやすいポイントは理解できたでしょうか?

考えることが複雑であればある程、無意識に間違っていたり、うっかり見落とすものばかりで、正しい結論を導けない場合は間違いポイントを意識してみましょう。

そして、結論を出してからも自分の考えが正確かどうかチェックすることが大事です。

日常の出来事に対して、他人や自分の考えに対して疑問を持って「どうして?」「なぜ?」「本当に?」と、結論を再考する癖をつけましょう。

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