ワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法-学習、音楽、ゲームで簡単にできる脳トレ

2017-06-03ワーキングメモリ

ワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法は、学習、音楽、ゲームや日常など、いろんな場面でトレーニングできます。

ワーキングメモリを鍛えることで、仕事や勉強の効率を上げたり、人間関係を良好に保ったり、心身の健康維持にも効果的です。

頭のキレが悪くなってちょっと頭を使うだけで疲れてしまう、感情のコントロールができないなどの悩みを持つ人や、集中力・想像力・思考力・問題解決力などの脳力を高めたい人はワーキングメモリを鍛えるトレーニングを開始しよう。

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ワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法の基本

ワーキングメモリとは作業記憶と言うように、脳内に情報を留めつつ意識的に情報を処理する能力のことです。

そのため、ワーキングメモリを鍛えるトレーニングは、記憶した情報を脳内に取り出して意識的に処理するトレーニングを繰り返し行うことで強化されます。

ただし、年齢やワーキングメモリの強さの程度によってトレーニングの負荷を考えないとワーキングメモリはちゃんと鍛えられません。

例えば、ワーキングメモリのトレーニングを筋トレと同じだと考えると、成人男性が1kgのダンベルで筋トレしても効果は期待できませんが、幼い子供だと大きい効果が期待できます。

学習でワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法

学習でワーキングメモリを鍛えるトレーニングを紹介します。

2桁以上を暗算で掛け算する

大人になって何か計算をするときは電卓を使うことが多いですが、そこをあえて暗算で掛け算するとワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

ただし、「8×4=32」のように1桁の計算は、頭で式の途中を記憶することがないのでトレーニングの意味がありません。

そのため、暗算で計算するトレーニングは、計算の途中を覚えておかないといけない2桁以上の計算をする必要があります。

例えば、散歩中に目の前を通る車の4桁のナンバーを覚えて、暗算で計算するというゲームでワーキングメモリを鍛えるトレーニングをしてみるのも良いかもしれません。

外国語の勉強をする

あらゆる年代のバイリンガルを対象にしたワーキングメモリの研究では、複数の言語を使い分けるバイリンガルと1カ国しか話さない人とを比較した場合、バイリンガルの方がワーキングメモリを含む認知能力が優れているという結果が出ています。

これは新しい言語を学ぶと、知らない単語、発音、意味を覚えて活用しないといけませんし、言葉を長期記憶に保存するためにワーキングメモリを活用しないといけないからです。

そのため、新しい言葉を覚えて活用する外国語の勉強はワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

また、2カ国を話すことができると認知症の症状をやわらげる効果があり、アルツハイマー型認知症の初期における認知機能はバイリンガルでない人よりも長く維持されます。

ただし、子供をバイリンガルにするために早期英語教育をする人がいますが、脳科学者から言わせれば、3歳未満の子供に対する早期英語教育はデメリットだらけだそうです。

例えば、0歳から英語のDVDを使っていたせいで、健康な子供が発達障害の自閉症スペクトラム障害(ASD)になる事例が多数あり、脳機能障害の原因を作っています。

勉強したことを要約する

ワーキングメモリは読書するだけでも向上しますが、学業面でもっとワーキングメモリを鍛えたい場合は、文章を要約するとワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

文章を要約するには、まず学んだことを記憶してポイントを抑えながら短い文章にまとめないといけません。

この方法は子供だけでなく成人でもワーキングメモリを向上させることが示されています。

日常でワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法

日常の中でワーキングメモリを鍛えるトレーニングを紹介します。

ちょっとだけ難しい本を読書する(音読が良い)

楽しみながら日常的にワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法は読書をすることです。

読書がワーキングメモリのトレーニングになるのは、登場人物やストーリーの展開など読み進んだ内容を覚えておくだけでなく、次の展開を予測したりするためです。

また、単語や文章の意味を考えて解釈を統合したり、自分の知らない単語の意味を調べて記憶することもトレーニングになります。

ワーキングメモリを鍛える読書のポイントは、自分にとってちょっと難しい本を読むことで、出来れば音読することが望ましいです。

なぜなら音読をすることで、言葉の読みや意味があやふやにならず文章が明確にすることができます。

注意点:ツイッターやメールなどの簡単で短い文章をいくら読んでも、ワーキングメモリに負荷がかからないためトレーニングの意味はありません。

記憶を頼りに行動する

ワーキングメモリは記憶したことを処理する能力なので、日常的に道具を使わずに自分の記憶を頼りに行動すると良いワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

例えば、以下のようなことはワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

簡単なレシピを覚えて料理する

家庭で料理をするとき、作り慣れていない料理だとレシピを見ながら料理をすると思います。

そこを最初にレシピを見て材料や調理の手順を覚えて、料理するときはレシピを見ないで料理をするとワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

地図を見ずに目的地まで行く

知らない場所に行くとき地図やカーナビ、スマホのナビを見て目的地まで移動しますが、そこを目的地までの道順を覚えて地図を見ないで目的地まで移動してみましょう。

地図を見ないで目的地までの移動は、頭の中に地図を広げて住所や道順、目印を思い出しながら移動したり、太陽の位置で方角を確かめるなど、いろいろ考えないといけません。

そのため、地図を見ないで考えて目的地まで移動するとワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

音楽でワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法

音楽でワーキングメモリを鍛えるトレーニングを紹介します。

ピアノなど楽器を弾く

音楽は脳機能の改善や維持に効果的で、認知症やうつ病などの改善のために「音楽療法」として使われるほどです。

そして、音楽を聞くだけでなく楽器を演奏すると脳機能をさらに改善してくれます。

なぜなら、楽器の演奏は楽譜を読み進めながら楽器を弾くため、ワーキングメモリに大きな負荷がかかるからで、ワーキングメモリを鍛えるトレーニングの効果があるからです。

実際に楽器を習う子供とそうでない子供とでは、楽器を習う子供の方が言語性テスト、非言語性テストで高得点を記録します。

また、楽器の中でもピアノを弾くことは現時点でワーキングメモリの神経システムを向上させる最良の方法で、有酸素運動以上のトレーニング効果があります。

ピアノを習い事にすると子供から大人までワーキングメモリがかなり向上すると科学的に実証されているため、何か習い事を始めたい人はピアノがオススメです。

【関連】子供の習い事はピアノがおすすめ!!東大生にピアノ経験者が多い理由

リズムを意識する

楽器を演奏しなくても音楽を聴いている時に、リズムを意識するだけでもワーキングメモリを鍛えるトレーニング効果があるようです。

日本の心理学者の齋藤智の発見によれば、一連のリズムパターンを記憶できる力とワーキングメモリの処理能力には関連性があるためだそうです。

そのため、ドラムなどリズムを刻む楽器を演奏したり、音楽を聴いているときやカラオケで歌うときに、ビートを意識して指でテーブルを叩いて同じリズムを刻むなどするとワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

運動でワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法

運動でワーキングメモリを鍛えるトレーニングを紹介します。

オートバイを運転する

オートバイを運転するとき、周りに注意して危険予測をしながら素早い状況判断や決断を求められます。

また、オートバイは車の運転と違って、注意散漫になるだけで危険なので運転に集中しておかないといけませんし、体で車体のバランスを取らないといけないため、車の運転よりも頭を使います。

そのため、ワーキングメモリに相当な負荷をかけられるので、オートバイを運転するとワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

有酸素運動をする(特に武道や球技)

ウォーキングやランニングなどの有酸素運動は、体の健康維持や機能改善に効果があることは知られており、ワーキングメモリなどの脳機能向上にも効果的です。

有酸素運動には色んな種類がありますが、ワーキングメモリを鍛えるトレーニングはウォーキングやランニングよりも球技や武闘系の有酸素運動が効果的です。

球技や武闘系の有酸素運動は、すばやい動作をするだけでなく、ボールの軌道や相手の動きを予測して裏をかいたり、フェイントで相手を騙すため、ウォーキングやランニングよりもワーキングメモリを鍛えられます。

ゲームでワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法

ワーキングメモリの研究では、ゲームを使ったワーキングメモリを鍛えるトレーニングが研究されています。

ゲームの中にはワーキングメモリを向上せず、全く効果がないものもありますが、効果が認められるものには以下のような特徴があることが分かりました。

  • 空間的な認知能力を訓練するゲーム
  • 単語や文字を使い、頭の中で処理するゲーム
  • 算数の問題を解くゲーム
  • 注意力を強化するゲーム

では、以上のことをふまえてゲームでワーキングメモリを鍛える方法を紹介します。

コンピュータゲームやボードゲーム

コンピュータゲームは人間関係や仕事、感情の安定などに明らかな悪影響を及ぼしており、脳機能改善にも効果がないものが多いです。

実際、一般的な脳トレゲームではゲームの腕は上がりますが、ワーキングメモリを向上させる効果がないことが分かっています。

ワーキングメモリを鍛えるトレーニングに効果が見られたコンピュータゲームのジャンルは「シンプルなゲーム」と「戦略ゲーム」です。

ゲームのジャンルによるワーキングメモリ改善効果は以下の通りです。

  • シンプルなゲーム:テトリスやマリオなどのゲームで、テトリスなどは頭の中で対象物を回転させる作業(心的回転)、マリオなどキャラクターをすばやく動かすゲームは反応時間が早くなる
  • 戦略ゲーム:戦略的思考、計画立案、問題解決、集中力などを認知的能力を要するゲームで、RPG、アクションゲーム、FPS、オンラインゲームなどがこれらにあたり、注意力、反応時間、心的回転などが向上します。

パズルゲームの数独

パズルにはクロスワードパズルやロジックパズル、ワードサーチ、数独などがありますが、特に数独はワーキングメモリを鍛えるトレーニング効果があります。

数独が脳に及ぼす研究では、数独が得意な人は数独が苦手な人よりもワーキングメモリのスコアが50%も高いことが分かり、この結果は20代、60代でも変わることがありませんでした。

ただし、一度だけではなく継続して脳に刺激を当たることが大事で、パズルゲームは認知症予防のトレーニングでも使われています。

テーブルゲーム

テーブルゲームには、将棋、チェス、囲碁、麻雀、オセロなどがありますが、ワーキングメモリを鍛える効果が高いのではないかと考えられます。

将棋のプロ棋士やチェス名人は、ゲームの定石(ゲームの局面でよく現れるパターン)を記憶しており、ワーキングメモリを活用しています。

実際にプロのチェス選手とアマチュアのチェス選手の脳の使い方を比較すると、アマチュアのほうは、予期せぬ動きやルールを分析する際に活用する側頭皮質を使っていました。

しかし、プロのチェス選手はワーキングメモリの所在地である前頭前皮質と頭頂皮質が活性化しています。

つまり、テーブルゲームの定石を覚えて自分に有利な定石の持っていくようにゲームをプレイスタイルはワーキングメモリを鍛えるトレーニングになると考えられます。

記憶ゲーム(数字カード法・Nバック課題など)

ワーキングメモリを使用するとき記憶を頭の中で保持しながら情報を処理するため、記憶ゲームでワーキングメモリに負荷を与えると、ワーキングメモリを鍛えるトレーニングになります。

記憶ゲームには、発達障害を改善するため使われる「数字カード法」や「Nバック課題」があります。

数字カード法

子供の発達障害の改善にも使われるワーキングメモリを鍛えるトレーニング方法が数字カード法です。

数字カード法の手順は以下の通りです。

  1. 数字の1~9を紙に記入して数字カードを作る
  2. 数字カードを5枚選ぶ
  3. 適当な順番に数字カード一枚ずつ見せて順番を記憶させる
  4. 数字カードに関する質問をする
  5. 数字が100%正答するようになったらカードを増やす
  6. 子供が飽きないように楽しみながやる

数字カードに関する質問は以下のようなものがあります。

  • 見せた数字カードから1枚を抜いて、どのカードを抜いたか当てる
  • 数字カードを順番通りに並べさせる
  • 数字カードを逆順に並べる

大人の場合は、数字カードを作らずに口頭で数字を記憶することでも大丈夫だと思います。

注意点:発達障害の子供に数字カード法を試すには年齢や症状によって変わるため、専門家の指導のもとにトレーニングする必要があります。【専門家の澤口俊之先生のサイト

Nバック課題

Nバック課題とは、順番に出された情報を覚えていき、直前に言われた情報とN個前の情報が同じ場合に反応する課題です。(情報は単語、)

例えば、3バック課題の場合、適当に単語を順番に言っていき、直前に言われた単語と3個前の単語を比較して反応します。

言葉がアルファベットだとしたら、赤色のアルファベットの時に反応することになります。「A,B,C,D,E,C,F,E,G,F,E,H」

実際にNバック課題の手順は次の通りです。

  • 2バック課題か3バック課題か何バック課題を決める
  • 課題にそって順番に読み上げる単語リストを作る
  • 単語リストを読み上げる

ミシガン大学では、このNバック課題を数十人の小・中学生に1日15分間を受けさせて、一般的な知能テストを実施たところ、多くの子供に大幅に成績が向上しました。

また、Nバック課題を用いたワーキングメモリを鍛えるトレーニングの向上効果は3ヶ月持続しました。

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