幸せには何が必要?永続的な幸福に深く関係するものと無関係のもの

幸福論・知恵, 健康, メンタルヘルス

あなたは自分が幸せになるには何が必要だと考えますか? お金?それとも結婚? どう考えるかはあなた次第で、幸せの定義には個人差があります。

お金と幸せだと「お金がすべてだ」と考える人もいれば、「お金では幸せは買えない」という人もいます。

結婚と幸せでは「結婚は素晴らしい」と考える人もいれば、反対に「結婚は人生の墓場だ」と言う人もいます。

では、心理学的にはどうでしょうか?

今回は心理学の幸福に関する研究から「永続的な幸福に強く関係するものと無関係のもの」についての結果と「幸せには何が必要か」ということを紹介していきます。

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幸せにあまり関係しないもの

教育、気候、人種、性別は幸せとは無関係

教育、気候、人種、性別は幸せに大きく影響しないのでまとめました。

教育は収入を増やす手段ですが、幸福を得るための手段になりません。知性も幸福にはあまり影響しませんが、高すぎるIQを持つと他人に理解されないので逆に不幸を感じます。

太陽の日差しが強い温暖な気候は、セロトニン量が増えてうつ病などの季節の影響を受ける病気には有利だが、人はすぐに環境適応するため気候では幸せレベルは変化しません。

人種の違いも幸福に影響せず、経済的に恵まれないアフリカ系、ヒスパニック系のアメリカ人は、白人と比べてうつ病の割合がきわめて低いが幸福度は白人より高くなかった。

性別と幸福も男女によって幸せの平均値に違いがあるものの性別で幸福は影響されません。

年齢

多くの研究では「年をとると幸せを感じることは少なくなる」という結果がでていますが、これは「喜び」や「目的達成」といった「強烈な幸せ」に限った場合の話です。

幸せのかたちには他にも「満足感」や「心の平静」といった「静かな幸せ」もあり、それも含めると幸福レベルは年齢では変わりません。

年齢と幸福について40ヵ国の6万人の成人が対象に、幸福を生活に満足、快い感情、不快感情の3つの要因に分類した調査があります。

その調査報告によると生活への満足感は年齢とともに上がり、快い感情は少し下がるが、不快感情は変化しないとか。

そして、年齢とともに変化するのは感情の強さという報告で、やはり年齢や経験とともに「強烈な幸せ」から「静かな幸せ」に変化するだけで幸福レベルには影響しないことがわかります。

お金

世の中には「お金がすべてだ」「お金が一番大事」というように、お金に執着する人たちはお金がないことで不幸を感じています。

確かにお金が幸福に影響するかという研究では、「収入の増加で幸せの度合いも増える」ことが分かっています。

しかし、それは貧しい階層や貧しい社会での話で、極度の貧困によって生命の危機と直結しているためです。

一方でアメリカや日本のような教育と健康、自由がある豊かな国では、セーフティーネットが保証されているので、収入が増えてもほとんど幸福に影響しません。

実際に経済雑誌「フォーブス」の平均純資産1億2500万ドル以上にリストされてる100人のようなお金持ちでも、平均的なアメリカ人よりほんの少しだけ幸福なだけです。

では、なぜ「お金がないと不幸」と思ってしまうのでしょうか?

それはお金持ちかどうかというよりも、その人がお金をどのくらい大切なものと考えているかが自分自身の幸福に影響しているからです。

そして、豊かな国の人ほど物質主義になりやすく、何よりもお金を最優先する人は自分の収入や生活に対する満足度が低い傾向があります。

これはおそらく性格的に外向的な人は、瞬間的な喜びを得るためにお金が必要になるからで、お金がないことで欲求不満になりやすいからでしょう。

幸せにまあまあ関係するもの

健康

普通に考えて健康と幸福は関係しており、やはり病気や障害を持つ人よりも健康な人の方が幸せレベルは高くなります。

健康は医者の判断のような客観的な健康はほとんど幸福に影響せず、いかに本人が自分が健康をどう思っているか主観的な認識が幸福に大きく影響することが分かっています。

また、事故にあって身体に障害が残ったり、重い病気が長期間続くと幸福と生活の満足度は低下しますが、時が経つと徐々に幸せレベルは回復していきます。

しかし、5つも6つも合併症を患う病人は、幸福度は時間が経つにつれて低下します。

結婚

結婚に関して「ある人は結婚は素晴らしい」と答え、「ある人は結婚は人生の墓場だ」と答えます。

このように結婚に関して対極な意見がありますが、多くの調査結果では結婚と幸福には強い関連性があり、結婚は永遠の喜びをもたらしてくれることが示されています。

全米世論調査センターが過去30年間に3万5000人のアメリカ人を調査した結果、結婚している人の40%は「非常に幸福である」と答えました。

それに対して未婚、離婚、別居中、配偶者と死別した人は、「非常に幸福である」と答えたのは24%で、結婚している人の方が幸せレベルが高いことが示されています。

しかし、結婚していてもパートナーに恵まれていない悪い結婚をして、あまり幸せでない結婚をしている人は、未婚者や離婚した人よりも幸福レベルは低いです。

宗教の信仰

日本人は宗教にあまり関心がありませんが、信仰を実践している人とそうではない人を比べると、信仰を実践している人の方が幸せのレベルが高く、精神的な悩みも少なくなります。

実際に信仰をすれば心の平静が得られやすく、信心深い人は明らかに麻薬中毒、犯罪、離婚、自殺、失業、病気などの発生率が低く、子供に心身障害があるといった家庭内の不幸にもめげない。

また、宗教は社会とのつながりを強化します。

信心深い人は友達や信者同士でコミュニティーを組織したり、宗教と関わることで社会的な支持を得る機会も増えます。

他にもオプティミズムと信仰との関係調査でも、原理主義であればあるほど信者が楽観的であることが分かっています。

そして、希望の量が多いと信仰心が深まり、より楽観的な感情が増えることがわかっており、楽観的な増えることで希望がさらに増えるといった良い循環がなされています。

ソーシャルサポート

私たちは一人で生きているのではなく、他人に支えられて生きています。

そんな周囲の人々から与えられた物質的、心理的支援であるソーシャルサポートがしっかりしていると、ストレスのかかる状況に耐えやすくなります。

ソーシャルサポートには次の4つのタイプがあります。

  • 感情的サポート:大切な人を亡くした時に慰めてくれる。
  • 評価的サポート:長所や能力を認めてくれる。
  • 情報的サポート:仕事を紹介してくれる。
  • 物質的サポート:住まいを安く貸してくれたり、子供の面倒を見てくれる。

ただ、このようなソーシャルサポートを受けていても、サポートを受けている本人が実感しておらず、そのことに気づいていないと心の支えになりません。

幸せに強く関係するもの

貧しい独裁政権の国ではなく、豊かな民主主義の国に住む

貧しい独裁政権の国では、個人の自由は制限されて国民の意思表示は抑圧され、反対派になれば何らかの方法で排除されます。

また、独裁者は裕福な生活をしているのに国民の生活は困窮してセーフティネットが保証されない。

このような貧しい独裁政権の国に住むよりも、健康や自由、教育、国民のセーフティネットが保証されている豊かな民主主義の国に住んだ方が幸福レベルにかなりの差があります。

何世紀ものあいだ貧困に耐えしのんできたインドやナイジェリアといった国の人々は、豊かな悔いの人々よりも幸福感がはるかに低い。

性格

これまでの説明でわかるように、その人が幸せに関係するものをどう捉えているのか、どう働きかけているかということが幸福レベルを高める鍵であることが分かっています。

そして、「全ての物事をどう捉えるか、どう働きかけるか」はかなりの部分で性格の影響を受けているので、性格と幸福には強い関係性があることが分かっています。

また、心理学者は「人間にはもともと遺伝によってあらかじめ設定された幸福の範囲を持っている」と主張するように、生まれ持った性格(気質)がその人の幸福の範囲を決めています。

例えば、外向的な人はポジティブになる活動を好みますが、内向的な人はポジティブな活動よりも家で一人で過ごすことで満足するというようにです。

そして、この性格を反映した言動の違いが、人の考え方や価値観、感情、人間関係、収入、知識、体験などの変化を与えています。

では、自分が好ましくない性格を持っていた場合はどうすればいいのでしょうか?

私たちは親から子へ遺伝によって多くのものを受け継ぎますが、性格もその一つです。

遺伝の研究では一卵性双生児や二卵性双生児で調査する研究が盛んですが、数百におよぶ研究結果で一致するものがあります。

それはあらゆる個人的特性の約50%は遺伝と関わりがあるということで、遺伝の影響は強くても個人の特性を決定しないということです。

もちろん性的趣向や体重のように生涯でほとんど変わらない遺伝的特性もありますが、神経質傾向の悲観的性格や恐怖心といった遺伝的特性は変化しやすい。

つまり、性格の遺伝的特性は変化しやすいので、もし自分の性格が好きでなく変えたいのなら、諦めないで自分の性格を変える戦いを続けることが大事だということです。

自発的コントロール

幸せと性格のところで、心理学者の主張で「人には遺伝的に決められた幸せの範囲がある」とありましたが、その幸せの範囲の最上位で生きていくためどうすればいいでしょうか?

遺伝的特性には変化しやすいものとそうでないものがありますが、性格では50%が遺伝で残りの50%は遺伝に影響されておらず、後天的な要因によって変化します。

ということは性格は環境、思考、行動などで変化できるので、幸せの範囲の最上位で生きる為には、それらを自発的にポジティブなものに変えることで性格もポジティブになるということです。

また、ポジティブ感情やネガティブ感情は過去、現在、未来において存在するので、その時間軸をポジティブ感情に変化させることで、永続的な幸せを得ることができます。

つまり、自発的コントロールをすることで過去、現在、未来において楽観的(ポジティブ)になり、永続的な幸せを得られるということです。

過去、現在、未来においてのポジティブ感情とは次のようなものです。

  • 過去:充足感(満足感)、安堵感、達成感、誇り、平穏。
  • 現在:喜び、絶頂感、落ち着き、熱意、歓喜、快楽、没頭、フロー。
  • 未来:楽観、希望、信念、信頼、自信。

過去、現在、未来においてポジティブでいるための方法は次の通りです。

  • 過去:過去の良い出来事を「感謝する」。過去の悪い出来事を「容認する」。
  • 現在:快楽と充足感を区別して、どちらにおいてもワクワク楽しい活動に没頭する。
  • 未来:ネガティブ49%とポジティブ51%で楽観的になり未来に希望が持てる状態を維持する。

ただ楽観的について間違った認識をしてはいけないのが、「楽観的=単なる能天気」と考えることです。

楽観的にいるというのは「悲観的な側面を認識しつつも楽観的でいる」ということで、意識がニュートラルの50%よりも少しだけ楽観的でいることで、ネガティブが49%でポジティブが51%の状態を維持することです。

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