長く働けば良いってものじゃない!長時間労働と生産性の関係

仕事

多くの企業は、長時間労働によって生産性が上がると漠然と考えています。

そのため、社員が長時間労働することは会社への献身や仕事への熱意だと考えられて社員を評価する指標として使われ、会社側だけでなく、社員側も長時間労働を良しとする文化が、職場で根ずいてしまいます。

しかし、企業が考えるほど長時間労働によってアウトプットが増えないことはわかっています。

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長時間労働は生産性を低下させる

国際労働機関(ILO)は2012年に労働時間が生産性と企業業績におよぼす影響について調べた研究を総括して、「長時間労働はむしろ生産性を低下させる」と公表しました。

研究の内容の一部は、次のようなものです。

  1. アメリカ18業種のパネルデータを使った研究では、残業が10%増えると、生産性が2.4%低下する。
  2. OECD加盟国18ヵ国について1950年以降の国別の生産性を分析した研究では、年間の労働時間が1925時間を超えるときから、労働時間の1%の増加は生産性の0.9%の低下する。
  3. 専門職を調べた研究では、本人は労働時間が短いほど、仕事の効率が上がると感じていると判明。
  4. 歯科医院6ヶ所で労働時間の実験を行った研究では、週労働時間を減らすと生産性が向上(単位時間当たりで処置した患者の数)し、かつ運動を増やすケースでは同時に病気欠勤も減少。

また、経済協力開発機構(OECD)は、加盟国の一人当たりの労働時間と一人当たりのGDPの関係をグラフによると、「労働時間が少ないほど生産性は高まる」ことが分かります。(図3のグラフを参照)

最も生産性を高める労働時間

人間は長時間働けば疲れてミスも多くなるため、長く働けば生産性が増えるという考えは間違いです。

むしろ労働時間を減らした方が、社員の健康と生産性が向上し、仕事の質も向上します。

では、どこまでの労働時間を下げれば最適なのでしょうか。

第一次世界大戦中、イギリスの軍需産業労働者保険委員会が軍需工業で働く工員の生産性を調べたデータを、スタンフォード大学の経済学者ジョン・ペンカベルが分析しました。

その結果、最適な労働時間は週約48時間であり、この時間を超えるとアウトプットは減少に転じると判明しました。(図4のグラフのようなイメージ)

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Posted by curious