強いワーキングメモリが集中力とマルチタスキングに与える影響

2019-04-30ワーキングメモリ

人生で何かしら成功するには、それだけ目標に集中したり、作業効率を上げたりして誰よりも早く、大きな成果を出すことが必要です。

ワーキングメモリの研究では、この集中力や作業効率に関わるマルチタスキング能力にワーキングメモリが影響していることがわかっています。

なので強いワーキングメモリを鍛えれば、あなたの目標への集中力や作業効率を上げる手助けをしてくれます。

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集中力を持続させる

学業での成績や仕事での大きな成果など人生の成功は、いかに無駄なことで気が散ることなく重要なことに集中するかで決まってきます。

ノースカロライナ大学のマイケル・ケーンらの研究で、ワーキングメモリの強さが集中力の持続に大きな差異が生じることが立証されました。

この研究では、次から次へとさまざまな課題を要求されている人の集中力に、ワーキングメモリがどのように関わっているか調査しました。

100人以上の若者にワーキングメモリのテストを受けてもらったあとに、作業中に気が散ったり、他のことを考えたりした頻度の記録を一週間つけてもらいました。

するとワーキングメモリ・テストで低スコアの人は気が散りやすく、課題が難しくなればなるほど気が散りやすくなりました。

逆にワーキングメモリ・テストで高スコアを獲得した強いワーキングメモリを持つ人は、低スコアの人よりも集中力が持続することがわかりました。

マルチタスキングで集中力が切れる

マルチタスク (multitasking) とは、複数の作業を同時にもしくは短期間に並行して切り替えながら実行することです。

現代の社会人は忙しく仕事や日常生活でも、このマルチタスクを要求される場面が増えました。

ただ研究によると、このマルチタスクの要求がワーキングメモリに過度な負荷をかけて集中力を切らしやすくなることがわかっています。

ジュネーヴ大学のピエール・バルイエは、ある作業から他の作業へと移行するときのワーキングメモリの作用を調べました。

実験では被験者に次のようなパソコン画面で数字に関するタスクをしてもらい、あらかじめタスクに慣れてもらいました。

  • 赤いタスク:数字が5より大きいか否かを判断する。
  • 青いタスク:数字が奇数か偶数かを判断する。

そして、この実験では赤いタスクから青いタスクに移行すると、被験者の正答率に差が生じるか検証します。

すると赤いタスクだけに専念している場合は成績がよかったが、タスクを切り替えると被験者のワーキングメモリに負荷がかかり、答える時間が遅くなり、誤答する確率も増えました。

作業効率が良いのは「シングルタスク」と「マルチタスク」どっち?

作業を行う場合は、「シングルタスク」と「マルチタスク」がありますが、ワーキングメモリが結果がでるタスクの方法はどちらでしょうか?

  • シングルタスク:一つのタスクを終えてから次のタスクへと完全に頭を切り替える。
  • マルチタスク:同時に複数のタスクを実行する。

ユタ大学のジェイソン・ワトソンとデヴィッド・ストレイやーが、被験者200人に次のようなワーキングメモリをフル回転させなければならないマルチタスクの実験を行いました。

実験では、ハンズフリーの携帯電話を扱いながらドライビング・シュミレーターを操縦してもらい、電話からは一連の単語をを読み上げたり、ときおり数学の問題を混ぜたりしながらワーキングメモリに負荷をかけました。

実験の結果、被験者の大半がドライビング・シュミレーターの操縦で悪い成績をだし、規定よりも長くブレーキを踏み、前方の車との車間距離も短かった。

さらに大半の人は同時に2つのタスクについて考えるだけで精一杯で、2つ以上のタスクを扱わなければいけなくなるとワーキングメモリが働かなくなることがわかりました。

別のスタンフォード大学の研究では、2つの作業をマルチタスキングした場合、それぞれ50%の処理能力を維持するのではなく、80〜90%も低下する傾向にあり、マルチタスクは明らかに生産性を低下させることが示さています。

しかし、例外の人もいました。

ワーキングメモリ・テストでトップスコアを獲得した被験者は、まったく精度を落とすことなくワーキングメモリのタスクと運転を同時に実行しました。

つまり、弱いワーキングメモリの大半の人はシングルタスクの方が作業効率は良く、一部の強いワーキングメモリを持つ人はマルチタスクでも作業効率は落ちないということです。

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