ドーパミンを増やす栄養素「チロシン」と「フェニルアラニン」

2017-10-28ドーパミン,栄養素・食品

仕事や勉強などに集中できない、やる気が起きない人は、ドーパミンが不足している証拠です。

そこで運動や目標設定などをしてドーパミンを増やそうとしてもドーパミンを作る栄養素を摂取しないとダメです。

そのドーパミンを作る栄養素には「チロシン」と「フェニルアラニン」というアミノ酸です。

ドーパミンを作る栄養素「チロシン」

ドーパミンを作るために必要な栄養素は「チロシン」という非必須アミノ酸です。

このチロシンは体内でチロシン水酸化酵素(チロシンヒドロキシラーゼ)で変換されて、ドーパミンの前駆体であるL-ドーパ(レボドパ)という化学物質になります。

そして、L-ドーパがドーパ脱炭酸酵素(芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素)で変換されることでドーパミンが作られます。

つまり、チロシンからL-ドーパ、L-ドーパからドーパミンが作られるという流れになります。

なので、チロシンを含む食べ物を毎日の食事に取り入れたり、チロシンのサプリメントで摂取することでドーパミンを増やすことができます。

チロシンの副作用と摂取量目安

ドーパミンを増やすために、チロシンを食事やサプリメントで大量に摂取する方もいるかもしれまん。

そこで不安なのがチロシンの大量摂取による副作用です。

チロシンをサプリメントで大量に飲用した場合、2時間後に血中チロシン濃度がピークとなり、7時間持続して血漿中のドーパミンやノルアドレナリンが増加します。

このチロシンサプリメントの大量飲用しても有害事例の報告がなく、チロシンには毒性がないため副作用がないと考えられています。

しかし、これまで報告されていないだけかもしれないので、安全のためにも摂取目安量は守りましょう。

チロシンの用途別の摂取目安量は次の通りです。

  • チロシンの摂取目安量:500mg~3000mg
  • うつ病の症状の改善:1日500~2,000mg
  • 神経の疲れ、ストレスと認識機能障害:1日500~1,000mg
  • 疲労(慢性疲労症候群を含む):1日500~2,000mg
  • 記憶力、集中力の欠如:1日500~3,000mg

チロシンを大量摂取しても意味がない

「チロシンには副作用がないので、一度にチロシンを大量に摂取して食い溜めしよう」と考える人がいます。

しかし、実際はチロシンを大量に摂取したからといってドーパミンは無制限に作れないため、チロシンを2倍摂取してもドーパミン量が2倍になりません。

あくまでその人の正常レベルのドーパミン生成が維持されるだけです。

そのため、チロシンの大量摂取はチロシン不足の人には効果がありますが、普段の食事でチロシンが足りている人は特別意識してチロシンを摂取する必要はありません。

もし、それでもドーパミンを増やしたい人は、運動によってドーパミンのベースラインを上げることで、ドーパミン生成量が増やすことが必要です。

チロシンの材料「フェニルアラニン」

ドーパミンを増やす栄養素はチロシンですが、チロシンの材料となる「フェニルアラニン」という必須アミノ酸を摂取することでもドーパミンが増えます。

摂取したフェニルアラニンは肝臓でチロシンに変換され、最終的にドーパミンやノルアドレナリンに変換されます。

フェニアラニンは必須アミノ酸なので、体内で合成することができないため、フェニルアラニンは食事やサプリメントで摂取する必要があります。

ただし、一部フェニルアラニン化合物を含む甘味料アスパルテームが加水分解されてフェニルアラニン、アスパラギン酸、メタノールとなる。

フェニルアラニンの大量摂取はセロトニン生成を阻害する

チロシンと違ってフェニルアラニンの大量摂取には副作用があります。

それは食事やサプリメントでフェニルアラニンを大量摂取するとセロトニンの生成を阻害してしまう可能性があるのです。

これは必須アミノ酸「フェニルアラニン」は血液脳関門(血液と脳の組織液との間で物質交換を制限する機構)を通過する際に、セロトニンの材料となる必須アミノ酸「トリプトファン」と同じ場所を通るからです。

つまり、フェニルアラニンを大量摂取によってトリプトファンが脳に行かないことでセロトニンが作られないということです。

なので、チロシンはともかくフェニルアラニンをサプリメントなどで大量摂取することは控えた方が無難な選択です。

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