多いストレスに注意!セロトニン不足による6つの病気と障害
ストレスが多い社会に強くなるために重要な役割を持つのが、幸せホルモンのセロトニンです。
しかし、現代人はセロトニンが不足しているため、残念ながら心の病気になってしまい悩んでいる人が大勢います。
例えばセロトニン不足の病気には、うつ病、睡眠障害、摂食障害、自律神経失調症、パニック障害、慢性疼痛などに関係します。
うつ病
うつ病とは、抑うつ気分や不安、焦り、自分を責めるといった心の症状と、睡眠障害、食欲の減退、疲労感、頭や肩、腰に重みや痛みといった体の症状の特徴がある精神障害です。
うつ病の主な要因は慢性的なストレスによってコルチゾールが多量に分泌することで、セロトニンが抑制されたり、海馬の神経細胞が破壊されたりすることだと考えられいます。
特に海馬には多様なセロトニン神経が通っているので、海馬が萎縮するとセロトニンによる情報伝達が切断されてしまいます。
なので、うつ病の治療には脳内のセロトニン量を増やす薬物治療や認知療法、ストレスを減らす休養、運動によって脳の神経細胞を増やすなどがあります。
睡眠障害
うつ病の症状でもあるようにセロトニンが不足してしまうと睡眠障害になってしまいます。
これはセロトニンが不足することで、セロトニンを材料とする睡眠ホルモン「メラトニン」も不足してしまうことが原因です。
そのため、セロトニン量を増やすことでメラトニンも増えて睡眠障害を改善させることができます。
摂食障害
摂食障害とは、極端な食事制限をする拒食症や過剰な食事量の摂取をする過食症といった異常な食行動を呈する精神障害です。
摂食障害の原因には社会的要因と心理的要因、生物学的要因の3つがあります。
- 社会的要因:痩せているのは美しいという社会風潮の影響。
- 心理的要因:ストレス、肥満への恐怖、やせ願望、遺伝などの影響。
- 生物学的要因:セロトニンの機能異常や脳の構造的異常の影響。
また、セロトニン神経は摂食中枢や満腹中枢がある視床下部に投射しているので、セロトニンは食欲を抑制します。
しかし、セロトニン作動薬の副作用によって食欲増進や食欲減退して、本人の意思とは関係なく摂食障害を起こすこともあります。
自律神経失調症
自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経の2つから成り立つ自律神経機能と調和がとれない病気です。
自律神経とは血管、リンパ腺、内臓などにある神経系で、呼吸や代謝、消化、循環など生命活動の維持や状況によって調節をしてくれる神経のことです。
自律神経には身体が興奮状態にする交感神経と、身体がリラックス状態にする副交感神経があります。
そして、この自律神経の交感神経と副交感神経のバランスを整えているのがセロトニン神経です。
ただ、うつ病と違って自律神経失調症は、セロトニン不足が原因ではなくセロトニンよりも自律神経が優位になることが原因です。(うつ病と自律神経失調症でのセロトニン量の違いについて)
なので正常なセロトニン量であっても、セロトニンの調節機能よりも自律神経が乱れると自律神経失調症となります。
自律神経が乱れる要因には、薬物やアルコールの過剰摂取、激しい精神的なショック、ホルモンバランスの乱れ、ストレスなどがあります。
パニック障害
パニック障害とは、予期しないパニック発作が繰り返し起こっており、1ヶ月以上にわたりパニック発作の心配や行動を変えている特徴の不安障害です。
パニック障害の症状には、パニック発作、予期不安、広場恐怖(外出恐怖)の3つがあります。
- パニック発作:前触れもなく突然の動悸や呼吸困難、発汗、めまいなどの身体症状とともに強い不安や恐怖感がある発作。
- 予期不安:パニック発作を繰り返すことで、また発作がきるのではと恐怖感を持つこと。
- 広場恐怖:予期不安がエスカレートして自分が発作を起こした場所に恐怖感を持つようになり、進行すると外出できなくなり引きこもるケースも見られる。
パニック障害の原因は、最初のパニック発作はストレスや過労が原因になると考えられており、予期不安や広場恐怖といった強い不安や恐怖はセロトニン不足などが原因だと考えられています。
そのため、薬物治療ではうつ病などにも使う選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が使用されます。
慢性疼痛(慢性痛)
慢性疼痛(慢性痛)とは、急性疾患の通常の経過や創傷の治療に要する妥当な時間を超えて持続する痛みのことを言います。
私たちが感じる痛みは、痛みの情報が神経を通じて脊髄から脳へと伝えられることで、痛む箇所や強さが分かります。
痛みに関する神経には、痛みを伝える脳へ伝える神経と脊髄から脳への痛みの伝達を抑制する「下行性疼痛抑制系神経」があります。
そして、この痛みを抑える下行性疼痛抑制系神経の働きは、セロトニンとノルアドレナリンによって活性化します。
つまり、セロトニンとノルアドレナリンを活性化すれば、慢性疼痛(慢性痛)の痛みを抑えることができます。
逆にセロトニンやノルアドレナリンの機能低下やバランス異常を起こすと、慢性疼痛(慢性痛)の痛みが強く感じてしまいます。
【セロトニンまとめ】【幸せホルモン】神経伝達物質のセロトニンとは?
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