ロジカルシンキングのMECEとは?問題やアイデア分析に必須の思考法

ロジカルシンキング

ロジカルシンキングの基本と言われるMECE(ミッシー)は、問題や課題、アイデアなどを整理して分析しやすくする汎用性の高い思考法です。

MECEは様々なことを整理して分析しやすくすることで、効果的に問題解決や対策立案などができるので、仕事やプライベートで活用してみてください。

MECE(ミッシー)とは?「モレなく、ダブりなく」全体を網羅すること

ロジカルシンキングの基礎であるMECE(ミッシー)とは、「Mutually Exclusive Collectively Exhausitive」の略で、その頭文字をとってミッシーと呼び、意味は「モレなく、ダブりなく」と訳されます。

MECE(ミッシー)の活用は、アイデア、問題、目的、課題など物事を、さまざまな要素をモレなく、ダブりなく切り分けて分析するために使います。

分析の基本は、物事の構成する個々の要素に分解することで、どこがどのようになっているか把握しやすくすることです。

そのため、MECEを用いて物事を適切な分解方法(切り口)を考えて分解すると、全体を把握しやすく最重要な問題箇所や最適な解決策を絞り込むことができ、問題解決や対策立案の効果が上がります。

ロジカルシンキングでMECEを徹底する理由とは?

ロジカルシンキングでMECEが基本とされるのは、人が論理的に考えるときにあまりにもモレやダブりが多いことで正しい結論が導けないためです。

なので、仕事やプライベートで何かしらの問題を解決したい時は、正しく結論を導くためにMECEを用いてモレやダブりが頻発しないようにしているのです。

MECEで「モレなし、ダブりなし」場合

 

図はある物事を分解したAとBとCの各要素が全てのを網羅しており、「モレなし、ダブりなし」の状態を表しています。

この状態で適切な切り口で分解されていれば、問題箇所の特定や対策立案を効果的に進めることができます。

 

MECEで「モレなし、ダブりある」場合

 

図はある物事をAとBとCとDに分解していますが、Dの要素がBとCにダブっている状態を表しています。

ダブっている部分があれば問題箇所の特定や対策立案の効率も下がります。

例えば、服をネット買いたい時、メンズとレディースの商品が混ざって表示されて、欲しい商品を見つけるのに時間がかかるようなことです。

MECEで「モレある、ダブりなし」場合

 

図はある物事をAとBに分解していますが、分解する要素が不足しているため、ダブりはありませんがモレが多い状態を表しています。

基本的にダブりがあっても多少の問題ですみますが、モレを見落とすと永久に気づかず問題解決できないことがあるので要注意です。

モレをなくす手っ取り早い方法は、AとB以外を全て「その他」にすることです。

しかし、全体の30%の項目が「その他」を占めるという乱暴な使い方をした場合は、分析精度がかなり落ちます。

MECEで「モレある、ダブりあり」場合

 

図はある物事をAとBに分解しましたが、不適切な切り口と分解する要素が不足しているため、モレもダブりもある状態を表します。

何もかもが間違っているため、正しく分析することはできません。

 

 

感度の良い切り口を考える

MECEでは、ある物事を分解して分析に役立てますが、その分解方法のことを「切り口」と言っています。

MECE(モレなく、ダブりなく)であることは重要ですが、さらに重要なのが問題解決に役立つ切り口を考えることで、ある部分に問題が集中して分かることが感度の良い理想的な切り口です。

感度の良い切り口を考えれば、他の問題がない部分を無視して考えられるため、問題点を絞り込むことできてその部分だけを改善すれば問題解決することができるからです。

例えば、ある食品メーカーの商品から不良品が複数出る事件が発生して、製造工場のAとBとCで不良品が出ていることがわかりましたが、製造工場という切り口では問題を絞り込めません。

しかし、商品の原材料の仕入れ業者という切り口で問題を分析した場合、業者Bから仕入れた原材料が不良品であることがわかり、製造工場のAとBとCの不良品が出た問題を絞り込むことができます。

このように、複雑な問題の分析や解決策をする場合は、何度もいろんな方向から仮説を立てて切り口を考え、より感度の良い切り口を見つける必要があります。

MECEの汎用性が高いフレームワーク

一般的にMECEはビジネスの分析で用いられますが、ビジネスでは素早く考えて正しい結論を出すことが重要です。

しかし、自分で感度の良い切り口を考えたり、MECE(モレなく、ダブりなく)にするには、時間がかかりますし気づかぬミスを招いてしまいます。

そんな時、あらかじめビジネスで頻繁に用いる切り口や汎用性の高いフレームワークを活用する方法があります。

次のロジックツリーやマトリクス分析の2つは、MECEを用いる代表的なフレームワークです。

ロジックツリー

 

ロジックツリーは、MECEを意識しながら上位概念をより具体的な下位概念に枝分かれさせて問題や目的、課題を細かく分解していく分析方法です。

ロジックツリーで正しい結論を導くためには、最初の問題や目的の設定で範囲が狭すぎると望ましい結果を出すことができません。

また、問題や目的をMECEを意識しながら適当な切り口で上位概念と下位概念を分解するため、考え出す切り口が多ければ、問題や結果を見つけ出す可能性が高くなります。

マトリクス分析

マトリクスは、縦軸と横軸の2つの軸に情報を並べることで整理する分析方法です。

マトリクスには、大きく分けるとテーブル型とポジショニングマップ型の2つのスタイルがあります。

テーブル型は「メリット・デメリット」「重要度が高い・重要度が低い」など、情報を適切な象限に分類して整理します。

テーブル型のマトリクスを応用した分析法には次のようなものがあります。

  • SWOT分析
  • アドバンテージ・マトリクス
  • プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)
  • アンゾフの事業拡大マトリクス(アンゾフの成長マトリクス)

ポジショニングマップ型は、「どのくらい重要か」「どのくらい緊急か」など、図解的に程度や位置を表したものです。

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