子育てや教育で注目される!知的好奇心を高めるメリット
昔から子育てや教育などで好奇心は注目され、たびたび「好奇心を重視する教育」か「従来の教育」か議論になり、専門家でもどちらが良い教育か意見が分かれます。
ということは、どちらの教育も大事であり、学校や家庭で上手くバランスをよく教育することが重要だと言えます。
そこで好奇心を高める教育にどんなメリットがあるのか紹介します。
自発的に知識習得や学習効果を高める
好奇心旺盛な子供は、新しいものを発見すると触ってはいけないものでも手を触れたり、口に入れようとしたり、何回も質問を繰り返します。
子供がこのような言動を繰り返すのは、人が生きるためにはまず自分が住む世界の物理的な環境を知り、言語やしぐさなどの文化的環境の学習が欠かせないからです。
そして、誰でも経験するように自分が興味や関心が高いものは集中して楽しく学べますし、「知識は知識を呼ぶ」というように応用知識は基礎知識のうえに成り立つので、基礎知識が多ければ新しい知識の学習スピードも上がります。
このようなことから好奇心には自発的に知識習得や学習効果を高める働きがあります。
逆に無知とは無関心だからであり、好奇心の欠如によって新しいものをあまり気にかけないので、人は学習意欲がわかないのです。
なので、大人になっても好奇心がある人は、新しく面白いものに目を向けて常に新しい情報や知識を調べて学び、平凡な人よりも深く幅広い知識を持っています。
しかし、大人で好奇心がない人は新しいことを学ぶことがないので、自分だけの経験や価値観、過去の成功体験に固執して社会に取り残されてしまいます。
創造力とイノベーションを生む
現代ではグーグルで検索すれば、だいたいの知りたい情報を得ることができるので、知識を記憶しても意味がないと考える人がいます。
しかし、科学的にはネットの検索など簡単に手に入る知識よりも、時間をかけて学ぶ方が習熟度が高くなります。
では「なぜ苦労して知識を得なければいけないのか」と疑問が生まれます。
これは好奇心によって得た多くの知識は、創造力とイノベーションを生むからです。
イノベーションが生まれる原理を解明する研究者たちは、科学者や発明家が偉業を成し遂げる年齢が次第に高くなっているとか。
これは時の流れとともに人類の知識は深まり、その習得により多くの時間が必要だからで、天才と呼ばれる人でも傑作を創造するには長年に渡って専門知識を蓄えないといけません。
成功して高収入になる
国富論で知られるアダム・スミスは、「国が豊かになるには、国土が豊かかどうかではなく、国民が優秀かどうかで決まる」と言っています。
これは国際競争でも明らかで、若者の大学進学率と経済成長には明らかな相関関係があり、教育に力を入れ国民の教育レベル、文化レベルが高い国は経済的にも豊かになります。
日本でも明治維新以降に日本が急成長したのは、明治政府が教育制度を整えたからと言えます。
これは個人レベルでも同じで、大学を卒業者は高卒、中卒よりも年収が高くなりますし、教育格差が収入格差を生むことで知られています。
しかし、現在では誰でも教育を受け、学びたい情報を自由に調べることができるため、社会に無関心でいるか関心を持って学ぶかが重要な要素です。
なので、昔は教育格差や情報格差が経済格差につながりますが、現代では好奇心格差が経済格差を生む原因であり、成功のチャンスを得るのは好奇心旺盛な人々です。
認知機能低下を遅らせる
2013年にシカゴのラッシュ大学医療センターのロバート・ウィルソンが率いるチームが、300人の高齢者について思考力と記憶力を毎年調査した結果を発表しました。
この調査では、300人の参加者の現状だけでなく、幼少期や中年期にまで遡って読書やものを書く作業をどのくらい行っていたか聞き取り調査も行います。
そして、参加者が亡くなると脳の認知症の兆候がどの程度現れているかも確認しました。
脳に刻まれた物理的影響を考慮したうえで、生涯で読書や文章を書くことに多く親しむ参加者は人並み程度の参加者と比べて、認知機能の低下の速度が3分の1も遅いことが明らかになりました。
これは好奇心による知的探求に多くの時間を使うことで、多くの神経細胞を獲得し、脳の老化による認知機能の低下を遠ざけているのです。
ストレスに対処し心身が健康になる
これまでの説明の通り好奇心には、深く幅広い知識の習得に役立ち、創造性やイノベーションを生む力になります。
そのため、好奇心が高い人は経済的に成功しやすいですし、それだけでなく心身の健康においては役立っています。
社会生活では自分の思い通りなりにくいので、それだけストレスや問題を抱えてしまって心身の健康を害する人も大勢います。
ただし、ストレスや問題の中には解決できるものも多くあり、問題は「問題を放置してストレスを解消しないこと」や「無知のままストレスに耐えようとすること」から生じます。
ただ好奇心があれば少なくとも無知でいることはありません。
好奇心旺盛な人ほど豊富な知識を吸収し、その知識から生まれる創造力を働かせて、あらゆるストレスや問題に対処
Swan & Carmelli( 1996) の研究では、60歳から80歳のアメリカ人男女1118人を対象に、好奇心と健康との関連を調べる調査を5年にわたって行いました。
その結果、年齢、がん、好奇心の有無を考慮して同じ条件で比較したところ、5年後の調査か終わるまで生き延びた人の割合は好奇心の高い人の方が多く、好奇心によって死亡リスクが下がることがわかりました。
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