一夜漬けより分散学習!高い学習効果がある勉強時間の使い方
高校や大学受験や資格取得などのテストは、その後の人生に影響するので「テストの点数を少しでも上げたい」と思います。
なので、受験や資格のテスト日まで日々の時間を削りながら勉強を進めて合格を目指します。
そんな状況で疑問に思うのが、「どうすれば最も学習効果が高い勉強時間の使い方ができるのか?」ということです。
これを知れば、効率的に勉強を進められて他と差をつけることができるます。
一夜漬けは長期的に成績がガタ落ちする
あまり興味がないことを勉強することは誰でも嫌いで、学校定期テストでは一夜漬けしてテストを受けがちです。
もちろん勉強しないよりは徹夜で勉強して詰め込むことは、テストの点数は上がるので、一夜漬けに効果がないわけではありません。
ただ、一夜漬けを習慣にしている人は実感していると思いますが、徹夜して詰め込む勉強は、その時のテストの点数が上がっても、長い目で見るとテストの点数は下がってしまいます。
学習の研究でも明らかで、一気に詰め込む勉強を習慣にしていると、新しい学期を迎えるときに、成績がガタ落ちします。
ワシントン大学の心理学者のヘンリー・ローディガー三世は、一夜漬けを習慣にする学生は「次の学期にが始まる頃には、前の学期に覚えたことを何一つ思い出せない。その授業を受けたことがない状態になる。」という。
新しい知識は基礎知識があってこそ理解できるため、一夜漬けの習慣で勉強したことを思い出せないなら、その人は授業が進むにつれて勉強についていけなくなります。
長期記憶される分散学習は成績が上がる
一夜漬けよりも毎日少しずつ勉強するという学習テクニックを実施している人もいます。
この学習テクニックを「分散学習」や「分散効果」と呼ばれ、一気に集中して勉強するより勉強時間を「分散」した方が、覚える量が同じでも脳にとどまる時間はずっと長くなります。
そして、この分散学習は新しいことを覚えるのに特に有効です。
この分散学習は100年以上前から心理学者たちのあいだで知られ、外国語の単語、科学用語、概念、公式、楽譜といった暗記するものの学習効果があると実証されています。
なので受験や学期ごとのテスト、資格取得などの日程から逆算して学習するといったスケジュールを立てて分散学習をするめることが大事になります。
分散学習で最も効率的な学習間隔
分散学習は学習効果が高いことはわかりましが、最小限の復習回数で最大の分散学習の効果を得るには、どれくらい学習間隔を置いて分散学習を進めればいいのでしょうか?
1982年にポーランド人大学生のピョートル・ウォズニアックは、勉強する時間が捻出できないので、仕方なく最も効率のいい勉強法を探すことにしました。
ウォズニアック自身を実験台にして、まず覚えたい約3000の単語と1400の科学的事実を英語でデータベース化し、時間の分散の仕方を変えて勉強に取り組み、勉強の成果を詳細に記録しました。
そうすることで、新たに覚えた単語や事実が難なく思い出せるようなタイミングを見極め、最適な学習間隔を見つけました。
最も分散学習の効果が高い学習間隔は、最初に勉強した1、2日後に復習し、次は1週間後、次は1ヶ月後、次は2ヶ月後と復習することです。
このウォズニアック自身が構築した学習間隔のアルゴリズムを「スーパーメモ」というソフトウェアにし、今でもアプリで利用できます。
テストに向けての勉強スケジュール
2008年、カナダのヨーク大学で心理学を研究するメロディ・ワイズハートはカリフォルニア大学のハロルド・パシュラーとともに「分散効果が高く最も効率的な試験までの勉強スケジュール」を実験で調べました。
この実験では、幅広い年齢層から1354人を選び、オンラインで作業する遠隔調査で、あまり有名でない32の事実について勉強してもらいました。
被験者には学習する機会を2回与えられ、Aグループは2回の学習時間のあいだに10分の休憩後に学習し、Bグループは1、2日後に学習、Cグループは1ヶ月後に学習というように学習間隔を変えてました。
そして、試験を受けるタイミングもグループごとに変え、パターンを26種類作り、すべての結果を比較して試験の日程に応じた最適な学習間隔を算出しました。
それの実験結果が、次の表です。
テストまでの期間と最適な学習間隔
テストまでの期間 | 2回目の学習までの間隔 |
1週間後 | 1〜2日あける |
2ヶ月後 | 1週間あける |
3ヶ月後 | 2週間あける |
6ヶ月後 | 3週間あける |
1年後 | 1ヶ月あける |
(※表の注意点:表では最適な学習間隔が示されていますが、これ以上に学習間隔をあけると、逆にテストの点数が下がってしまいます。)
この表の数字は切りのいい数字にされていますが、厳密な数値にかなり使いので、この表をみて勉強スケジュールを立てることをおすすめします。
例えば、仮に学期末のテストに向けて英語を復習できる期間が15日あり、1教科あたりテスト勉強に使える時間が全体で9時間だとします。
そして、テストまで15日だと、表では「1週間後と2ヶ月後」の間で、復習する間隔は「1〜2日から1週間」となり、学生はテストの教科を考えて1週間に決めます。
すると、1日目は3時間、1週間後の8日目に3時間、テストの前日の14日目に3時間というように勉強スケジュールを立てることができます。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません