感情を読み取る、感情を伝える!感情表現を伝える信号

2021-09-27感情心理学,人間関係

人間は言葉では嘘をつきますが、感情では嘘をつけません。

そのため、他人を理解して人間関係を円滑するには、相手の話だけを聞くのではなく、相手の感情を読み取ることが重要です。

また、人は理解できないものに恐怖心を抱きがちなので、感情表現が乏しい人に不安や恐怖を抱いてしまいます。

もし他人に好かれたいのなら、あなたの感情表現を豊かにして、あなたの本心を伝えることです。

顔の表情による感情表現

まず感情を読み取る信号として最初に思いつくのが「顔の表情」です。

顔の表情が現れるのはごく短時間で、5秒から10秒も続くことは稀です。

中にはわずか1秒の何分の1だけ現れる表情(微表情)もあり、注意深く顔の表情を見ていないと感情のメッセージが見落とされがちです。

アメリカの心理学者であるポール・エクマンの研究によると、「悲しみ、怒り、驚き、恐れ、嫌悪、軽蔑、幸せ」の7つの感情に万国共通のはっきりした顔の表情をもっていることが明らかになりました。

この7つの感情が極端に表現されれば、誰でもはっきり感情を理解できるかもしれません。

しかし、実際は状況によって感情には強さやパターンがあるように顔の表情もさまざまで、表情だけで感情を読み取ることを難しくしています。

たとえば怒りの感情一つにとっても、ちょっとした苛立ちのようなものから憤怒まで、表現される怒りの強さがあります。

さらに、だんまり決め込む怒り、抑えている怒り、恨みのこもった怒り、激しい憤り、冷酷な怒りなどのパターンも多いです。

このように怒りの感情だけでも、さまざまな表情があります。

なので、感情表現がわからない場合、顔の表情だけでなく声やしぐさをヒントにします。

声色による感情表現

顔の表現にひけをとらない、もう一つの感情を読み取る信号なのが「声色」です。

心理学者であるシルバン・トムキンスは、「感情が沸き起こってくると、人はかならず音(それぞれの感情でこことなる音)を発したいという衝動を覚える」と述べています。

私たちは感情を抑えた声で話すことはできます。

しかし、一旦、感情的に話し出すと、自分が感じていることを声に出さないでいることは難しくなります。

また、声色を模倣することも難しく、声はめったに偽りの感情メッセージを伝えないのが特徴です。

顔の表情を偽わるのは簡単ですが、声を偽るのは「過去の人生で起こった出来事を思い出す」といった俳優の技術を訓練しないと難しいです。

そのため、相手の感情を正確に読み取るには、顔の表情よりも声色に比重を置いた方がいいかもしれません。

また、声は相手と面と向かわなくても、感情を読み取ったり、伝えたりできます。

そのため、相手と対面すると緊張する人や、顔の表情や身形を見られたくない人は、あえて電話でコミュニケーションを取りたがる人もいます。

さらに相手に感情を悟られないために電話ではなくメールを活用する人もいます。

しぐさによる感情表現

顔の表情や声による感情表現に加えて「しぐさ」による信号もあります。

しぐさによる感情表現は、表情や声よりも馴染み深いものではないためか、万国共通なものについてはあまり研究はされていないようです。

あえて予測を立てるなら、感情的になったときのすべてのことは、私たちにあらかじめ内臓されておらず学習されるため、身体の所作や言葉を含むものは文化や個人によって異なるだろうと考えられています。

わかりやすいのが、運動選手が何か達成して誇りを感じる時に、ガッツポーズをとったり、人差し指を上に向けたり、笑ったときに手を叩いたり、お腹を抑えたりします。

また、感情に対応する自律神経系の異なった活動パターンが発見されているので、これにより共通するしぐさがあるかもしれません。

たとえば、怒りや恐怖にかられると、心拍数が増え、人がすぐに動けるように身体が自動的に備えます。

怒りでは手への血流が増え、怒った対象への攻撃や防御に備え、恐怖では脚への血流が増え、逃げることに備えます。

すると、怒ると拳を握ったり、恐怖を感じると対象から離れるために後ずさったり、対象に隠れて逃げやすいように腰を落としたりするかもしれません。

他の感情でも、悲しいと筋肉全体の緊張がゆるみ、引きこもりの姿勢をとって動かなくなったり、軽蔑すると対象を見下すような態度になったり、顎をあげて対象を見下ろすように見たりするかもしれません。

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