セロトニン分泌を増やす方法
自然の精神安定剤であるセロトニンを増やす方法には、主に「日光を浴びる(朝日)」「リズム運動をする」「咀嚼」の3つがあります。
さらにトリプトファンの摂取や腸内環境の改善、ワーキングメモリを鍛えることもセロトニン分泌を増やすためにおすすめの方法です。
日光を浴びる(特に朝日)
セロトニンの分泌は日光を浴びること増やすことができ、特に朝日を浴びることは効果的です。
なぜなら、セロトニンの合成は「照度2500ルクス以上の光」を「5分以上浴びる」ことでスタートするのですが、朝の太陽光の照度が2500ルクスあるからです。
これが家庭の普通の蛍光灯だと100〜200ルクスで、蛍光灯が並んでいるコンビニなども800〜1800ルクス程度です。
それに対して、朝日は2500ルクス、昼中は10000ルクス、夕方が1000ルクス程度なので、屋内の照度とは比べ物になりません。
なので、気分が落ち込むなどのセロトニン不足を感じる人は、できるだけ太陽の光を浴びる生活にする工夫が大事です。
例えば、カーテンを開けて朝日を取り込む生活にするとか、詳しくは下記しますが朝日を浴びながらリズム運動や朝食をとるなどの工夫をしてみましょう。
低強度のリズム運動をする(5〜30分)
セロトニン分泌を促進するには「1、2、1、2」とリズミカルにできるリズム運動をすることで増やすことができます。
基本的にリズム運動の時間はセロトニンが分泌されるまで最低5分間は必要で、神経が疲れる逆効果になる30分間ぐらい目安に行います。
一定のリズムである程度持続して行う運動であればいいので、ウォーキング、ジョギング、スクワット、階段登り、深呼吸、水泳、ダンス、首回し運動などでもセロトニンを増やす効果が期待できます。
また、うつ病や不安障害などの心の病気は、セロトニンの神経活動の低下や慢性的なストレスが原因なので、2つの原因を解消できるリズム運動はとても良いことです。
特にセロトニン神経活動を高めつつストレスを解消する運動は、移動を伴う自発運動で低強度運動を頻繁に行うことが効果的だと研究で分かっています。
なので、運動は「時間」「頻度」「強度」をバランスを自分で考えて、できるだけムリせず休み休みでも続けられることが大事です。
よく噛んで食べる(咀嚼)
セロトニンはよく噛んでご飯を食べることである咀嚼をすることでも増やすことができます。
これは咀嚼は顎の筋肉がリズミックに収縮、弛緩を繰り返すので、一種のリズム運動だからです。
セロトニンを増やすには、20回以上の咀嚼と朝日を浴びて食べる朝食が効果的です。
ただ寝起きが悪いと朝の時間に余裕がなく朝食を食べる暇がない人もいますし、そもそも朝食を食べる習慣を持たない人もいます。
そういう人は朝にガムを噛むことでセロトニンを増やす方法もあります。
セロトニンの材料であるトリプトファンを摂取する
セロトニンは「トリプトファン」と「ビタミンB6」によって作られています。
特にトリプトファンは必須アミノ酸で体内では合成されないため、食べ物で定期的に補給しないと、セロトニンを増やそうとしても、材料不足ではセロトニンが作られないので無駄骨になってしまいます。
そのため、セロトニンの材料となる「トリプトファン」と「ビタミンB6」を含む食べ物を意識的に摂取しないといけません。
腸内環境を整えてセロトニンを作りやすくする
セロトニンの約90%が腸内で作られているため、腸内環境を整えて綺麗に保つことで、正常にセロトニンを分泌させることにつながります。
腸内環境を整えるには、身体に良い働きをする善玉菌を増やすことと、身体に悪影響を及ぼす悪玉菌が増えすぎないことが重要です。
善玉菌を増やすには、ヨーグルトやチーズ、味噌、しょうゆ、漬物、乳酸菌飲料などの乳酸菌やビフィズス菌を増やす食品や発酵食品を食べることが大事です。
そして、悪玉菌を減らして腸を綺麗にするには、食物繊維が豊富に含まれている野菜を摂取することや、適度に肉食を減らす方法があります。
他人と接してオキシトシン分泌を増やす
他人との絆や信頼、愛情を作るホルモンとして知られているオキシトシン分泌を増やすことでセロトニン分泌も増やすことができます。
オキシトシンは他人との接する中で五感の刺激を受けることで産生されて、脳幹にある縫線核まで運ばれます。
そして、オキシトシンが縫線核を刺激してセロトニン分泌を即し、他人と接して良い気分となります。
オキシトシンについては詳しくまとめてあるので気になる方は次のリンクを参照してください。
【オキシトシンまとめ】愛情・絆・信頼・思いやりに関する幸せホルモン「オキシトシン」とは?
ワーキングメモリを活用する
ワーキングメモリとは、意味のある情報を脳内に一時的に保持しつつ適切に操作する脳機能のことを言います。
ドイツのハンインリッヒ・ハイネ大学のリューディガー・グラントらは、ワーキングメモリとセロトニンの関係を調べようと陽電子放射断層撮影法(PET)検査を行いました。
すると一連の顔を覚えるといったワーキングメモリを活用する課題に取り組んでいる間、被験者の脳内でセロトニン量が増大することが判明しました。
そして、ワーキングメモリを活用しない課題の場合は、セロトニン量が増えませんでした。
つまり、ワーキングメモリを活用しさえすれば、セロトニン分泌量が増えて幸福感が強められるということです。
また、ワーキングメモリは感情制御にも関わっているため、ワーキングメモリを鍛えれば感情制御や衝動の抑制、不安や恐怖の抑制もできるようになります。
【ワーキングメモリについてまとめ】勉強や仕事ができる人はココが違う!脳機能のワーキングメモリ(作業記憶)とは?
【セロトニンまとめ】【幸せホルモン】神経伝達物質のセロトニンとは?
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