勘違いや思い込みが激しくない?日常的によくある8つの思考のワナ

2020-06-24ポジティブ心理学,ロジカルシンキング

あなたの生活や仕事に問題はありますか?

人間関係を壊したり、問題が山積みだったりして抑うつ状態になっているとしたら、それはあなたの思考や信念が間違っており、正しく世界について理解できていないかもしれません。

今回、紹介する8つの思考のワナは、私たちが日常的に陥りやすい思考のエラーで、生活の中でのストレスになりやすいものです。

早とちりする

「早とちり」とは、適切なデータなしに仮説を作ってしまう思考のワナです。

例えば、「ある朝、上司からなるべく早く電話するように」と、たった1行だけのメールがあったとします。

すると、あなたは「上司がメールしてきたということは、何かよくないことが起きたに違いない」と自動的に決めつける場合があります。

そして、何かよくないことが起きたという決めつけに対して、「何か自分が間違いを犯したに違いない」「ミスしたのは自分」と思い込み、悲しみや不安を感じたりします。

このように私たちは早とちりすることで、確証もないのに決めつけて、不安や悲しみを勝手に感じています。

早とちりを防止するには、自動的に反応するのではなく、自分の決めつけや思い込みを振り返って考え直したり、客観的データを収集する必要があります。

トンネル視(視野狭窄)

「トンネル視(視野狭窄)」とは、思考や自分の置かれた状況を偏った視点で捉えてしまう思考のワナです。

私たちはものごとの一面にしか注目できなくなり、その他の可能性をまったく考えれない状態になることがあります。

例えば、極端にネガティブ思考の人は、ものごとのマイナス面ばかりに注意がむくため、自分の思い通りに上手くいかないと「失敗だ」と、すぐに結論を出します。

逆に極端にポジティブ思考の人は、ものごとのプラスの面ばかりを見て、自分にとって不都合な真実に注意が向かない(気づかない)ため、細かな点を見落として問題点を見抜けないことがあります。

そして、どちらも自分の考えと一致する情報だけを取り入れ、一致しないデータは無意識的に無視する傾向にあります。

また偏った視点を持つ人たちは、それぞれ自分や自分を取り巻く状況について一貫した信念(思い込み)を持っています。

「自分は◯◯だから上手くいかない」「自分は優れた人間だ」などといった思い込みには注意しましょう。

拡大化と極小化

「拡大化と極小化」とは、ほとんどのできごとを認識して記憶できるものの、できごとに自分の中で重要度をつけ、過大評価したり過小評価したりする傾向の思考のワナです。

トンネル視とは違って、状況を偏った視点で見ていないが、その人の評価基準に偏りがあり、問題が生じるということです。

例えば、健康診断で「体重は減ったが、血圧とコレステロール値が高い」という結果だったとしましょう。

ポジティブを拡大化させ、ネガティブを極小化する人(楽観主義者)は、悪い数値があったことは忘れて体重が減ったと喜びます。

逆にネガティブを拡大化させ、ポジティブを極小化する人(悲観主義者)は、自分は病気だから体重が減り数値も悪いと考えます。

この例では悲観的に考えた方が、生活を改善させた方が良いかもしれません。

しかし、全てを悲観的に評価した方が良いとは言えないので、自分の評価基準に偏りがある人は注意が必要です。

個人化

「個人化」とは、問題が起きると自分のせいであると反射的に反応する傾向の思考のワナです。

例えば、子供と植物に水をやる約束をしたけれど、植物が枯れてしまったとします。

その場合、「どのくらい水をやればいいか言われなかった」「子供に頼んだのがいけなかった」「あの植物が弱すぎたんだよ」と、反射的に他人や周囲の状況のせいにして責任逃れをする子供もいます。

しかし、個人化する子供の場合、「自分の自覚が足りなかった」「ぼんやりしてやるべきことをやらなかった」など、自動的に自分を責めてしまいます。

ただ個人化は、問題が上手く解決できたなら自分には人生をコントロールする力があると自信につながるという良い面もあります。

個人化が悪く作用するのは、「問題の内的要因のみを考えて、体系的に外的要因を無視した場合」と「問題の原因が自分に関すること(性格など)で、それは自分にはどうしようもないと思う場合」の2つあります。

外面化

「外面化」とは、個人化の反対で問題が起きた時、その問題が自分の責任ではないと反射的に反応する傾向の思考のワナです。

個人化は自信喪失に繋がりやすいが、外面化は自尊心を守り、自己不信を寄せ付けません。

しかし、外面化する人は純粋に自分の行為による問題なのに、自分ではコントロールできる範囲内のものと認めることができません。

例えば、不幸や貧乏なのは自分せいなのに、親が悪い、政治が悪い、社会が悪いと自分以外のせいにして怒るといったことです。

過剰一般化

「過剰一般化」とは、実際は限られた範囲のサンプルなのに、世の中全体を表しているように一般化して事実を誤認する思考のワナです。

この過剰一般化では、物事を認識するときに普遍的に「いつも」、全体的に「すべて」と説明する傾向があります。

例えば、個人化すると同時に過剰一般化する人は、実際は「今回試験では数学が点数が悪かった」だけなのに、「私はバカだから勉強ができない」と考えます。

これは「私はバカだからできない」と永続的なニュアンスが含まれ、かつ事実は「数学」だけの話なのに「勉強」と全体的に捉えており、事実を誤認しています。

また、他の例では「あなたの部下たちが時間通りに仕事を終わらせなかった」という事実があったとします。

外面化すると同時に過剰一般化する人は、「彼らは上手く時間を管理できなかった」のかもしれないのに「彼らは怠け者でやる気がない」と考え、問題の原因が他人の行動よりも人格にあるとします。

このように個人化して過剰一般化する人は自分の人格を殺し、外面化して過剰一般化する人は他人の人格を殺す傾向にあります。

マインドリーディング(思考察知)

「マインドリーディング(思考察知)」とは、自分は他人の思考を理解できる、または他人も自分の思考を理解するだろうと考える思考のワナです。

私たちは周りの人々が考えていることを知っていると思い込み、それに応じて行動することがあります。

例えば、「あなたが自分の容姿に自信がない場合に、街中を歩いている時に他の人と目が合い、その人は隣の友人とひそひそと話して笑った」という出来事があったとします。

すると、あなたは「自分の容姿を笑われた」とマインドリーディングして、その人たちから離れるように街角を曲がるかもしれません。

しかし、実際はあなたがその人の視線の先にたまたまいただけで、目も合っておらず、単に友人と会話を楽しんでいただけです。

また、自分が何を考えているかを他人がわかってくれていることを期待する人たちもいます。

例えば、男女間で「どうして彼はわかってくれないの?」や「愛していると言葉に出さなくても自分の気持ちは伝わる」などということがあります。

このようなマインドリーディングによって自分勝手な期待をして、パートナーへの不満を募らせる人は多いはずです。

感情の理屈づけ

「感情の理屈づけ」とは、自分の感情に基づく間違った結論を導き出す思考のワナです。

例えば、あなたがプレゼンや音楽の演奏など、何かしら大勢の場で発表しなければいけないので、あなたは完璧と言えるまでに練習を重ねて、絶対に失敗しないと確信するまでになりました。

しかし、発表日が近づくに連れて不安や恐怖心が募ってきて、「もしかしたら失敗するかもしれない」と思います。

発表当日、不安と恐怖心で手足や声が震え「もうダメだ」と思いきや、失敗することなく完璧な発表でした。

このように自分の感情が影響して間違った思考、思い込みをしてしまいます。

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